タロットの勉強会に思う
ブログ、また少し間が空きました。
このように表向きはあまり活動していないように見えるかもしれませんが(まあ、実際あまり動いていませんが…苦笑)、内向き(タロット講座を受けた方など)には重要な勉強会・セミナーの企画、実施をしていまして、その準備や実行、終了後の動画編集をしておりました。
コロナ禍になって、リアルで人が会することが難しくなったため、昨年よりオンラインで勉強会とか小セミナーをやることが多くなったのですが、それはよいところもあり、今までは私の住む関西圏でリアルの勉強会を行うのがほとんどでしたが、オンラインだと場所の制約がありませんので、全国、たまには海外在住(海外の日本の受講生の方もおられるので)の方にも参加いただけるようになりました。
それで、今回の勉強会のテーマは「テンプル騎士団(神殿騎士団)」でした。
タロット講座では、マルセイユタロットに関係の深い歴史、組織・宗教などお伝えしていくのですが、その際にも「テンプル騎士団」については講義いたします。
しかし、講座では、タロットの象徴の解説やリーディングの講義などもありますから、説明はどうしても概要的なものになります(それでもそこそこ詳しいですが)。そこで、勉強会や特定テーマのセミナーを開くことによって、特に興味のある方には補強させていただいております。
「テンプル騎士団」はどういった組織で、なぜマルセイユタロットに関係すると想定できるのか?については、一言で言えば、小説で映画にもなった「ダ・ヴィンチ・コード」に書かれている内容に関連するからと言えます。
けれども、それだけではありませんし、「ダ・ヴィンチ・コード」でもふれられてない内容もあります。
そうしたものを、私も改めて調べ直して、まとめたものを今回、受講生用に講義させていただいたというものです。なかなかに衝撃的な話も含まれており、普通に生きていると、ほとんど知ることのないものが多いと思います。
ところで、こういったタロットとか、スピリチュアルとか、秘められたものに興味を持つ人は、例えばこの「テンプル騎士団」についても、裏側の話を知りたがります。というより、いきなり、そちらからアプローチしてしまう結果になってしまいます。
むしろ、表側で知られている話、歴史、史実(と一般的には見られていること)も知っておいたほうがよいのです。今回の私の開いた勉強会でも、それはあえて解説したところです。
でないと、裏ばかりに最初から興味と関心を強めてしまうと、コロナ禍で顕著になったように、人は陰謀論にはまりがちになってしまう危険性もあるからです。
物事の裏を知るには、反対に表を十分に知っておいてからでないとバランスが取れないばかりか、うがった見方ばかりになり、恣意的・感情的に、自分がその時信じたい方向に洗脳されてしまったりする(自らを洗脳してしまう)こともあるのです。
物事にはすべて二面性があると考えられます。そして、その二面性がさらに二面性を持ち…というように、無限に近いくらい二面性の連鎖が続きます。その違いがレベルとか信念とか、個性を生み出し、自らの思想・行動を規定していきます。
テンプル騎士団にも光と影があり、さらにその光にも影にも両面性が出ると推測されます。
よく言われるように、テンプル騎士団が、今のフリーソーンとかイルミナティのような秘密結社につながっているという人もいれば、それらとは断絶されていて、後世の者が無理矢理、中世のテンプル騎士団と結びつけているだけだという話もあります。
そもそも、さっきあげた秘密結社は親睦団体に過ぎず、そんな怪しいことなど何もないのだという一般向けの広告もあります。
それに、テンプル騎士団自体、別に何かを隠していたり、秘密の教義をしていたりしたわけではなく、修道士的騎士団で、十字軍とエルサレムへの巡礼者保護に寄与したばかりではなく、ヨーロッパの、特に経済的発展に貢献し、しかしお金の面でやり過ぎて、一般人、聖職者、さらにはフランス王を中心に嫌われて、廃止(異端認定)を画策されてしまった(だけ)という表の部分で見るところもあるわけです。
ですが、そういう表の歴史を丹念に分析、細部を調べて行くと、どうにも偶然ではない、意図的なものが明らかに出てきますし、結局、ヨーロッパ、あるいは当時の中東から北アフリカ、インドなどにかけてのものとのつながりも見えてくることになります。
すると、現代まで続く大きな流れと言いますか、ある糸でつながっているようなもの、まさに同じ音の「意図」さえ浮上してくるのです。
しかしながら、それもまた表あっての裏であり、逆に、裏あっての表でもあるのです。
単に歴史のロマンとか、謎に迫って面白いとか、そういう感じで見ていては、本当のところはなかなか見えてきません。
もちろん、最初はそういったレベルからの興味でもよく、陰謀論的なにおいからの入り口でも必ずしも悪くはないですが、そうであっても、いきなり全て信じるのではなく、情報として入れつつも、自己で分析し、判断していく公平的な姿勢を持つことが大切だと言えます。
タロットはまさに両面性を持つツールと言えます。使いようによっては、影や裏の歴史を信仰してしまい、それを自分の信念にし、さらにタロットを利用して、それを強化してしまう側面も出ます。
反対にタロットは、信仰ではなく、ギリシア風に言えば、ロゴスとパトスを統合するような見方を補助してくれるものにもなります。
「テンプル騎士団」を例にして、マルセイユタロットを学ぶ方には、上にあげた後者のような使い方や視点を養ってもらうべく、講義をしているところなのです。
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