少ない枚数の展開(スプレッド)

私はもとともは旧タロット大学出身で、カモワンタロットの講師をしていた者なので、その使う展開方法も、もっぱらカモワン流がメインでした。

しかし、そのカモワンタロットも、もう一人の製作者はアレハンドロ・ホドロフスキー氏であり、ここでも何度か言及しているように、カモワン氏とホドロフスキー氏とでは、使用するタロット展開も違っています。

当たり前ですが、同じタロットでも、使い方を変えることができ、ただひとつの方法が絶対などということはないでしょう。

ツールとしてのすばらしさは当然必要ですが、やはり、使う者の考え方、技術も多分に影響すると考えられます。

言ってみれば、タロットは、使う人によって姿や性格を変えるということです。

ということで、私も今は、カモワン流にこだわらずに、いろいろなメソッドを研究し、使っています。

マルセイユタロットには「手品師」というカードがありますが、まさにこれで、いろいろな技術・道具を、臨機応変に使うということです。

ちなみに、マルセイユタロットには、すべてのカードが関連している、あるいは、ある目的のために、カードそれぞれが関係し合うという考えがあります。

ですから、「手品師」も、その背景にはほかのカードと当然関係しており、数のうえでも象徴的にも、21の「世界」とは強い関連性があると言えます。

要するに、「手品師」の臨機応変さは、カードで言えば「世界」という目的・大目標という理想があってのことで、勝手気ままにやっているというわけではないのです。

逆も言え、あるメソッドにこだわり過ぎたり、あるやり方が唯一絶対だと思ったりして、画一的・硬直的になり、かえって本来の目的が達成しにくくなる(効果が出にくくなる)という事態もあり得ます。

ということで、象徴的に言えば、「手品師」と」「世界」、両方の方向性から、リーディングなり、タロット活用なりを考え、実践するのがよいと思っています。

そして、近ごろ、私は、タロットカードの展開枚数が少ないものの使い方(考え方)に注目しています。

展開枚数が少ないもの(スプレッド)と言えば、一枚引きや二枚引き、多くて三枚引きと言ったところでしょうか。

一枚引きという、もっともシンプルな展開は、一枚だけに一見簡単なように見えますが、実はとても奥深いものでもあります。

しかし、一般的には、二枚か三枚の引き方がよいかもしれません。(展開枚数の少ないものを選ぶ場合)

そして、三枚引きはよく使われるスプレッドで、結構研究されていると思います。

ただ二枚引きはあまり見かけない気がします。そこで、私は二枚引きいろいろな角度から読むことをしてみました。

すると、面白いことがわかってきまして、やはり、マルセイユタロットはすばらしいなと改めて感じた次第です。

その研究成果は、受講生用のメルマガなどで配信、披露しています。

その一部というわけではありませんが、少しだけここでも紹介しますと、それは視点の切り替えというものです。

三枚引きでもそうですが、だいたい、タロット展開の流れ・方向性は、左から右へというのが主流です。それを時系列的に解釈しますと、過去から未来へ、左から流れて行くという見方となります。

実はそれは、かなり三次元的な常識的見方となります。例えば、さきほど述べた時系列でも、過去→現在→未来と見て行くことになりますが、それが普通の時間のとらえ方であり、過去に原因があって現在と未来に結果があるという形になります。

しかし、逆の見方も可能で、未来に原因があり、それによって今や過去が規定されてくるというものもあります。

マルセイユタロットは、三次元的な時空だけで見る世界ではありません。

ということは、時系列的な見方にしても、普通とは逆もあり得ることになります。

二枚引きであっても、左から右という流れだけではなく、右から左へ、あるいはその両方を同時に見るということも可能です。

一枚一枚を独立させるのか関連させるのか、それもどちらかに決めなければならないというのでもありません。

ただ、よくあるような、数秘的にタロットを扱うもの、例えば、二枚のカードが、5と6という数を持つカードが出たので、合計して11の数を持つカードに本当の意味がある・・・みたいな考えは、個人的にはあまり採り入れ過ぎないように注意が必要かなと思っています。

それは、(マルセイユ)タロットは絵柄がメインであるからです。

タロットは数と無関係ではないので、上記のような数秘的なとらえ方も、間違いではないでしょうが、それを第一に考察することは、タロットという絵が主であるものの特性を無視しているに等しいかと考えます。何といいますか、タロットに付与されている数を第一にしてしまうと、タロット愛がないような感覚になるのですね。(笑)

ともあれ、タロットのスプレッドもいろいろとあり、面白いものではありますが、まだまた研究の余地はあり、観点を変えれば、少ない枚数のものも、これまでとは違った使い方もできるということです。

また、自分が使いこなせないツール、技術、方法を持っていても仕方がないので、そういう場合は、今の自分が使いこなせるもので確実に効果を出すか、もっと研鑽を積み、自分のレベルを上げて、高度なものを使いこなせるようにするか、になります。

あと、マルセイユタロットの4組の考えを入れれば、理論だけとか、気持ち(感情)だけとか、やる気だけとか、実利のためだけとかで偏って選択をしていても、やがて、その選んだやり方に飽きが来たり、つらくなったりしますので、4組のバランスも考慮するとよいでしょう。

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