四つの生き物、自分の縁ある精霊
以前にも書いたことがありますが、動物のイメージでの精霊、守り神のようなものが、自分と関係することがあります。
そう書くと、何かスピリチュアル的で違和感があるという人は、“心理的にそう思う”と、安心したり、導きがあったりするような気がするとしてもよいです。
これは、サイキック的な、世間で言われる「動物霊」とは異なります。いわゆる動物霊とは、低級霊みたいな扱いの存在です。
ここで言っているものは、一種のエネルギーや、イメージ的な象徴の動物のことです。
マルセイユタロットでも、動物は登場します。犬(狼と解釈する向きもあり)、馬、猿、ライオン、牛、鷲などです。
それぞれに意味がもちろんありますが、今回は特に、四大元素の象徴でもある四つの生き物について取り上げます。
四つの生き物とは、21「世界」のカードに顕著に表されていますが、鷲・天使・ライオン・牡牛のことです。天使は動物ではありませんが、タロット的に「四つの生き物」と言うくくりで、あえて入れておきます。
この四つの生き物は、テトラモルフとも言われ、まさに四つで一つを意味する、西洋的には重要な概念になっています。ですから、キリスト教でも、この四つの生き物は聖書にも現れますし、イエスを真ん中に、四つの生き物に囲まれる図像でもおなじみのものです。
マルセイユタロットの場合、さきほど述べた「世界」のカードでは、四つの生き物に囲まれる中央の存在はイエスではなく、両性具有的な踊っている人物で示されています。
この人物は、両性具有的なその様子からも、普通の人間ではなく、神的な人物、完全性を象徴した存在として考えられています。
ゆえに、キリスト教ではイエスとなるわけです。逆に言いますと、キリスト教以外、キリスト教に固まる以前からの図像として、この四つの生き物と中央の人物(存在)というデザインはあったのだと推測されます。
ここに、4対1の関係性、もしくは、四つがひとまとまりになって、ある種の完成や次元の上昇が行われる示唆を読み取ることができます。これは非常に重要な内容で、考え方によっては、宇宙システムの根源とも解釈されます。
ちなみに、「世界」カードの中央の人物の外にあるリースの形も、深い意味がありますが、それは講座などで明かしております。
さて、その四つの生き物が四大元素を象徴することは述べました。ところで、人によっては「四大元素との縁」というものもある話をしたいと思います。
まあ、一般的にも、人はパターンに分類されがちで、四大元素と言えば四つですので、人間を四つのパターンに分けると、四大元素的パターンにもなるわけです。
四大元素は、小アルカナ的には4組になり、剣・杯・杖・玉(一般名称でソード・カップ・ワンド・コイン)で表されます。ですが、今日は動物・生き物メインなので、鷲・天使・ライオン・牡牛で見ます。
すると、人は鷲型、天使型、ライオン型、牡牛型に分けられます。
そして、さらに、最初に述べた動物精霊とも関係し、メルヘン的な例えをしますと、自分には、鷲、天使、ライオン、牡牛の精霊がついていると想像することができます。
四大元素、四つのものは、先述したように、四つでひとまとりになり、どれかが欠けているわけではなく、全部そろって一人前みたいなところがあります。
従って、自分が天使型だと言っても、ほかの精霊・エネルギーが存在しないわけではないのです。しかし、人は個性を持ちますので、個人によって特質があり、四つで分けると、特に縁のある精霊とか型になってくるということなのです。
まあ、「そう考えると面白いよ」くらいで見ておいてください。本当にそういう精霊がいるんだとか、呼び出して超常的な現象を起こすんだ、みたいなことは考えないほうがいいでしょう。(笑)
※ただし、西洋魔法の世界では、実際にそのような世界観で扱うことがあり、まるで異世界的な話になってきますが。
今回の話は、そういう縁とか分類を意識すると、自分の得意・不得意もわかりやすくなり、無理ない生活・行動のヒントになるかもしれないですよということです。
四つの生き物のうち、天使と鷲は羽があり、空を飛びます。逆に、牡牛とライオンは地上の生き物で空は飛びません。もっとも、「世界」のカードでは、ある理由で、四つとも羽があるようには見えますが。
ということで、象徴的に考えれば、天使と鷲は天上性、牡牛とライオンは地上性を意味します。また、鷲とライオンは肉食獣で獲物を狩り、牡牛は草食獣、天使は優しい救いの存在ということから、鷲とライオンが男性性・能動性、天使と牡牛が女性性・受動(受容)性を表すと想像できます。
そういうことを組み合わせて考察すると、鷲タイプ(鷲の精霊)、天使タイプ(天使の精霊)、ライオンタイプ(ライオンの精霊)、牡牛タイプ(牡牛の精霊)の特徴が、何となくわかってくるのではないでしょうか。
そんな風に考えるよりも、単純にそれぞれの生き物の実際の特徴とかイメージを見出してもよいです。
例えば鷲は自由に空を飛ぶとか、目標に邁進する(獲物があるとそれに一目散に向かう)とか、ライオンは百獣の王で余裕がある(しかし慎重でもある)、プライドが高い、いざという時は強いとかなどです。
カードで引いて、自分に縁のある四つの精霊を見てもいいのですが、それより、自分自身の内面を静かに感じていくと、自分のついている精霊のイメージが出て来ると思います。
また、四つの生き物のうち、どれをイメージすると安心するとか、勇気が出るとか、気持ちが軽くなるとか、ポジティブな感情になるものを調べると、自分と濃い縁の精霊がわかるかもしれません。
ちなみに、私自身は一番は鷲だと感じています。能動的な天上性、あるいは、天上への能動性とも言えます。地上より天上志向が強い部分は自覚しているところです。
※(反対の地上志向が強い場合、バイタリティがあり、現実生活への充実がなされる人が多いです)
とはいえ、すでに述べたように、人には四つの生き物全部がいると思ってよく、個性のために、ある生き物が強くなったり、弱くなったりするということですし、シーンや年回りなどでも、生き物の強弱は変わると考えられます。
パートナーとか協力者には、同じ傾向の者同士が類友の法則で集まることもありますが、相性的には、自分と違う部分に強いものを持っている人のほうが、案外いいかもしれません。(お互いの魅力が長続きします)
ですが、もっとよいのは、(四つの)統合を果たすことです。自分の中の四つの生き物をうまく扱い、統合していくことで、真の自分(世界カードの中央の人物)が現れます。
さらに、この現実世界では、四つの生き物の強弱でそれぞれ個性が出ていますので、お互いに協力し、支え合い、認め合うことで、全体としての四つの生き物の統合がなされていきます。
それは時代の進化であり、人類そのものの進化とも言えます。
争ったり、マウントを取り合っていたりする場合ではないのです。そのことを「節制」のカードが、「世界」の7つ下で訴えているわけです。(7つごとの進展がマルセイユタロットの世界ではあります)
自分のタイプと精霊を知り、他人のそれを探査し、ともに成長する糧にしてみましょう。
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