タロットの活用今昔、そしてこれから。

いまだ世間では、一般的に占いの道具と見られている“タロット”ですが、それだけ占いに実際に使える(活用されてきた)からこそでもあり、その積み重ねと実績がそうさせているとも言えます。

ただ、ここでも何度も書いてきているように、タロットは占いだけのものではありません。

そもそも、歴史的にタロットが占い道具として見られるようになったのは、比較的新しいと見られ(ある種のタロットのようなカードを、特定の移動民族や芸能集団が占い的に古くから使っては来ていましたが)、本来というべきか、その使用目的はゲームのためのものであったと考えられます。

※マルセイユタロットの大アルカナ「手品師」は、それを表しているようにも思えます。

それはトランプのようなものと見てもいいでしょう。

トランプよりもタロットのほうが枚数とか構造が複雑であるので、それだけ高度なゲームができますし、逆に言えば、トランプはタロットを単純化して、もっとゲームで使いやすくしたものとも想像できます。

このタロットが先か、トランプか先かの成立論は、どらちにも言い分があるので、決めきれないのが正直なところでしょうか。

しかし、タロットとトランプは確実に関連性があり、兄弟のようなものと言えそうです。

ということで、占い以前はゲーム道具として使われてきたタロットですが、やがて占いにも広く使われるようになり、そして現代では、ほかの様々な活用が見られるようになっています。

そのひとつは、一見占いのように見えて異なる「タロットリーディング」です。技法的には「占い」と同じでも、質問の仕方、目的、ひいてはタロットの読み方が違います。

またそこから派生するもので、セラピー的な活用、さらには自己認識を深めたり、改革したり自分自身を統合していったりする活用などがあります。そしてこれには、心理的が内容が主となります。

それで占いは、精神世界とか見えない世界のことを扱うように思われがちで、確かにその面も強いのですが、しかし占い(に来る人)の目的は、実際の人間生活におけるよい選択をするためと言え、それは多分に現実的な話(現実レベルでの良し悪しの規準で、よい選択を求めること)となります。

ゆえに、占いは、私の解釈では、現実レベル、現実次元にフォーカスするものと見ています。

これに対して、先ほど言った心理面を中心とした世界を扱うレベルがあり、これが日本における平成で進んだタロットの扱いになってきた感覚があります。

その前の昭和はバリバリの占い時代とも言え、そして令和は霊性へのアプローチになっているのではないかと思えますし、別の見方では、各人のフォーカスするレベルによって選べる時代に入ったとも表現できます。

一応整理すると、タロットの活用が、日本の時代区分によって、昭和は占い中心の現実世界次元平成がセラピー中心的な活用で心理・メンタル面での次元令和以降は霊的次元、あるいはそれぞれ(各個人やグループ、教室等)によって、活用目的や次元を選択する世界へと移行しているのではないかという説です。

ところでタロットは象徴のカードですので、一枚一枚の象徴性はもとより、構造別、全体としての象徴性もあります。

それらは絵が変わらない限り普遍であり、ずっと同じ本質を表し続けています。

しかし、それをどう活用するかはまさに人によって、時代によって変わるものであり、言ってみれば、そこは自由だということです。

ですから、カードの基本的な象徴の意味をつかんだ後は、今の時代、もっと自由に、制限なく行ってもいいのではないかと思えます。

例えば、伝統的とも言えるタロットの展開法(スプレッド)がありますが、それにこだわらず、オリジナルでやってもいいでしょうし、その都度、展開の方法を変えていくこともありかもしれません。

また最近はAIも発達してきているので、AIに展開と解釈を任せて、人間と一緒になってタロットを読んでいく、活用していくこともできるようになってきています。

タロット面においても、もうほとんどAIにできることばかりで、普通レベルのタロット占い、タロットリーディングなら、AIを使えばいい時代になっているのではとさえ思います。

では今後、タロットをどう活用していけばよいのかということですが、上記のように、単なる占い、リーディングではAIには勝てなくなると言いますか、それに任せてOKであるならば、そのような従来的な使い方ではない方向性が指向されます。

それが結局のところ、自己認識や霊性向上のための活用ということになり、引いたタロットの意味を知るというものではなく、それはもう当たり前にようにわかるのが前提ですから、それは有用な情報として扱い、自分自身で自分を深く認識していくような方法の道と言えましょう。

AIが展開し、AIが教えるタロットの意味とか情報をもとに、AIとタロットと会話しながら、自己認識、集団認識、世界認識、宇宙認識へ拡大、統合していくような活用です。

とは言え、いくらたくさんの情報、精度の高い情報が得られたとしても、それをどうするのか、何のために使うのかということを、人間である自分自身がはっきりしておかないと(主体意識を持たないと)、得た情報に振り回されたり、その情報を得た満足感だけで終わったりしてしまうことになります。

結局、わかっているようでわからない自分=世界や宇宙というものを、深く知るために(本当はもう知ってはいるのですが)AIもタロットも活用するということです。

言わばこれは、一種のゲームであり、タロットは再び、別の意味でのゲーム道具になる(戻る)のかもしれません。

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