カモワンタロットの「女帝」
タロットは基本的な構成が同じであれば、やはり根本的な部分では種類が異なっても通じ合うところもあります。
けれどもカモワン版マルセイユタロットとほかのタロットカードとの解釈には少し違いもあります。
というより、タロットの種類ごとに微妙に異なっているのが普通でしょう。
これは制作者の意図、タロットの図像、そのタロットを好んて使う人たちの傾向によって、違いが出るためだと考えられます。
さて、そんな違いの例のひとつとして、「女帝」のカードがあります。
この「女帝」、ほかのタロットでは「妊娠」や「出産」「豊穣性(豊かさ)」の意味を当てられている場合も多いようですが、カモワンタロットではそのことは「星」のカードで解釈されるのがポピュラーです。
ただ、なぜ「女帝」から「妊娠・出産」の意味合いが出るのかといえば、もともと「3」という数や「女帝」の持つ根源的な要素から「創造性」という言葉が導き出されるからです。
何かを生み出すことに関わるのですね。それが女性と結びつき、妊娠や出産となるのです。
しかしカモワンタロットの「女帝」は確かに「創造性」と「生産性」は強調されるのですが、女性特有の部分にそれを該当させるよりも、むしろアイデアや発想、企画、計画のような、一見、男性的とも思える事柄に意味を当てることがよくあるのです。
それはカードの数でいえば次の4である「皇帝」とペアで考えられていることもあるからです。女帝はつまりは皇帝の女性版です。地上世界に皇帝と同じく君臨する存在です。だから男性的な要素もあるのです。
ではカモワンタロットの「女帝」には女性原理は働かないのかといえばそうではありません。
椅子に腰掛け、受け身であることには変わりなく、母性的な大地との関わりを示す象徴も描かれています。またお腹の部分を守っているように見え、妊娠をイメージすることも可能です。
しかし、カモワンタロットの「女帝」は女性が女性であることを無条件で表している(例えば子供を産める能力)というよりも、この現実世界の中で女性として認められる役割や地位、外観(服装・お化粧・装飾品等)が強調されていると想像できます。
ということは、時代背景や考え方によっても変わる部分があるともいえます。いわば「外側の女性」といえましょうか。
対して「星は」、本来女性が生来的に持つ女性性の部分、内面の女性を示しているともいえましょう。
ただ、タロットは内と外、表と裏が一体となっていたり、入れ替えの考え方ができたりするものです。
「女帝」と「星」とはペアで考えるべきでしょう。従って外が「星」、内が「女帝」ということもありうるのです。
このことを思うと、タロットマンダラ第3列に「星」と「女帝」が上下で並び、その間に回転を象徴する「運命の輪」が入っていることは非常に興味深いことになります。
なるほど。女帝と星が同じ列で、間に運命の輪が入る。とても興味深いです。
タロットって本当に奥が深いですね。
ブログいつも読ませていただいています。とても勉強になります。ありがとうございます。
こんばんは~
某所からのちょっとヤケクソ気味の
書き込みで失礼します…(^_^;)
タロットマンダラで星と女帝が
縦の列で並んでいるのは承知していましたが
確かに運命の輪を挟んでいるのは
女性原理の使い分けのタイミングというのは
なるほど~という感じです。
運命の輪がもつ2元の使いこなしを思うと
考えさせられることしきりです。
また、一列はずして第4列の中央に「力」が
来ているのを考えると、タロットって一筋縄では
いかずに、お茶目だな~と改めて
思ったりしています。
>あなたのココロとカラダを癒すタロット・ヒーラー 響凛花さん
コメントありがとうございます。
実はこの記事は「女帝」に関する違うことを書こうととしていたのですが、タロットを見ながら書いている内にこういう内容になりました。
タロットは不思議なもので奥が深いです。これからもよろしくお願いいたします。
>マルセタローさん
お疲れ様です。コメントありがとうございます。
ほんと、カモワンタロットにおけるタロットマンダラは無限ともいえる気づきをもたらせてくれるので、ある意味曲者ですね。(笑)
ちなみに「力」を交えた「カードと女性」の解釈は次の記事に登場する予定です。