こころのバランスを失った時
私は以前、神経症つ病になった時、いろいろな経験をしました。
まず神経症やうつ病ということ自体、通常とは違う体験です。
そしてこれまで結構体が弱かったこともあって、病院の「診療科目」でいうと、ほとんどの「科」を受診していましたが(苦笑)、神経内科とか精神科はさすがにありませんでした。
当時はまだ「心療内科」とかいう表現は少なく、心の問題は「精神科」が主流でした。
だから実際にいくつかの精神科も受診しましたが、最初はかなり抵抗があったのも事実です。
あと、そうした医学的な治療を求めるのと同時に、やはり心の問題や病となってきますと、よくわからない面があり、どうしても今で言う代替医療に打開策を得ようともしました。
代替医療といえば聞こえはいいですが、段々と得体の知れない怪しいものまで手を広げ、宗教や拝み屋みたいなものにまで救いを求めてさまよう日々が続きました。
北は北海道、南は九州まで(危うく沖縄にも行きかけましたが・・・)全国に「心を治してくれる」という人や技術の情報があれば、タロットカードの「愚者」のように、本当に「愚か」にも出かけて行きました。
お金でいうと、数百万はかかったと思います。
それで得たのは、結局、「自分で治すしかない」(魔法はない)というものでした。
何一つ実際に効果があった(治してくれた)ものがなかったからです。(一時的な安心感はありましたが)
一時は絶望し、死ぬことも考えました。というより、そうしないと耐えられないほど激越な症状(極度のイライラ感)があったからです。(この時のことは以前も書いていますが)
その後、あの阪神淡路大震災を契機に、私の場合は逆に救われる形となったのですが、いずれにしても、病気とはいえ、せっぱ詰まったり、依存心が異常に高くなれば、人間普通では考えられない状態や気持ちになるのだということが実感としてわかりました。
ですから、「あんなことをしている人はおかしい」とか「そんなものに欺されて・・・」みたいに言われる人でも、それほどまでに追いつめられていたのだということがわかることもあるので、人の弱さを私は意識して、ジャッジしないよう心がけています。
皆さんも、自分は大丈夫だと思っているかもしれませんが、極度の不安や心配、ストレスがかかれば簡単に人は心のバランスを失い、まるで別人格のようなものに支配されることがあるのだと思っていたほうがよいです。(実際にエネルギー的な憑依のこともあります)
そして救いを求めて天使を飛び越え、悪魔にひきつけられがちになります。(タロットでも「節制」の次に「悪魔」がいます)
そのような時こそ、節制の力と考えが必要です。とはいえ、自分ではわかりませんから、家族や信頼できる人に頼り、忠告を受けるのもよいでしょう。
そして、これだけは覚えておいていただきたいのですが、救うのは自分です。
実際誰かに治療してもらったり、助けられたりはしますが、自分が治すという志を持ち、自分によって治っていくのだと思わないと治るものも治りません。
病気治療に限らず、選択するのも行動するのも自分だからです。
「誰かが私を治してくれる」「魔法の薬が私を一瞬で癒してくれる」などと、特に心の問題の場合は思い過ぎないことです。
結局は心の負担がかかっている(かけている)環境が問題であり、それを調整し、取り除き、通常の心でいられる状態を長く続けていくこと(環境的にも)が、エネルギーの回復とバランスを取り戻すことにつながってきます。
あと、治っているのにそれに気がつきたくないという場合もあります。
治ってしまうといろいろな意味で都合が悪くなるからです。(まるでアニメの「アルプスの少女ハイジ」でのクララの足のようなものです)
困った時は人の助けを得ないといけませんが、あくまで本当に治す(戻す)のは自分だと心がけておくと、回復も早いと感じます。
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