縦のつながり。

私たちは誰も勝手に、突然単独で生まれてきたわけではありません。


皆、両親がいて自分が存在してきたわけで、もっと遡れば、そのまた両親・・・と連綿と続いていくわけです。


この仕組みで私たちが生まれてくるということは、いわゆる先祖の特質をどこか自分も受け継いで出生すると考えるほうがノーマルに思えます。


もちろん身体的には目に見えるものなので、それがあることはわかりますが、では精神的といいますか、現在の科学では感知・検出できないレベルで記憶・保存されているとすればどうでしょうか?


これがないとは言えないように思います。


スピリチュアルな関心が昨今話題になるにつれ、前世ということを仮定して考える傾向も出てきました。


いいにつけ悪いにつけ、自分の今の状態(問題・特徴)は前世に遠因があるという考えです。魂の輪廻転生説をとればそれもありかもしれませんし、前世療法などでも前の人生の記憶が出ることもあります。


しかし、一般的に考えられている前世の中には輪廻の魂の記憶だけではなく、祖先の何らかの記憶受け継がれいて、それを自分が思い出すものもあるのではないかと想像できるのです。


自分の両親を遡れば膨大な数の人間が現れますので、その中の記憶が蘇ることも考えられます。

ただ自分の祖先となれば、人種的に同じことが多いですので、よく異国の記憶が出るようなものは、やはり魂の記憶のほうかもしれません。それでもかなり古い時代のものは、たとえ遠い地域の人のものであっても、回り回って自分とつながっていることも考えられます。


ともかく自分の血のつながりによる影響は少なからずあると考えてもよさそうです。


血のつながりで一番身近なのは今の両親ですから、親が自分に接した直接の影響だけではなく、親自体が衝撃を受けたこと、親の問題やトラウマも子どもに見せたり語ったりしなくても、自分に影響している可能性もあると思われます。


別に親から虐待を受けたとか、愛されなかったとか、過保護・過干渉にされてきたとか自分に対しての極端な問題状況以外にも、ほんの些細なこと、親自体の悩み・問題によって自分が心理的・潜在的に負担を無意識に感じていることもあると思います。


先祖供養や親への感謝に自分の現在の生活や心に対して効果があると言われるのは、こうした数々の記憶の影響を浄化したり、癒したりすることがあるからなのではと推測できます。


世代階層では三世代ぐらいの影響が濃厚と言われています。カモワン版マルセイユタロットのもう一人製作者、アレハンドロ・ホドロフスキー氏はこうした家系による影響を癒す療法も行っており、タロットも使えるようです。


とらわれずきるのもいけませんが、時折、自分の縦(血脈)のつながりを意識することも「今」の自分の人生を充実するためには必要なことかもしれません。


ただ親の不満や未達成だったものなどを、親のパターンとして子どもである自分が模倣するかのように無意識に演じていることもあるので、その点は「自分の人生」として親から自立し、峻別していく必要はあると考えられます。

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