カードの視線に注目する。
まずはお知らせです。何だかんだで、私のほうの講座日程が詰まってきております。
現在、マンツーマンでの講座はかなり日程的にお取りするのが難しくなっておりますので、マルセイユタロット講座をこの春から受けてみようかなと思われる方、定期の講座(基礎講座、カルチャーセンター)での受講をご検討いただくほうが確実です。
さて、私はもとともカモワン版マルセイユタロット(通称:カモワンタロット)を主体に学び、実践してきたところがあります。
カモワン流ではタロットの絵柄に描かれている人物の視線の方向に特に注意を向けます。その方向性に意味があるのですが、ここでは詳しくは述べません。
とにかくカモワン流が提示した「人物の視線とその先のカードとの関わりを重視する」という考え方は、カードを単体で見ることの多いタロットスプレッドにおいては画期的ともいえるものがありました。
カモワン流を厳密に適用するかどうかは別としましても、カードの人物の視線に注目してみるという発想は面白いと思います。
そうやって大アルカナや宮廷カード(コートカード)など、マルセイユタロットにおける絵柄が描かれているカードの人物の視線を全体的に俯瞰してみると、いろいろな発見があると思います。
残念ながら、ほかのカード種ではカードの人物に視線はあるものの、あまりはっきりしていないことが多く、視線自体には特別に配慮がほとんどなされていないことがわかります。
マルセイユタロットの場合は、実はその視線の角度まである種の計算や法則に基づいて描かれており、決して無造作に描かれているものではないのです。
従って視線を無視することは、逆にマルセイユタロットの特性を活かしていないことになってくるのです。
ここで単純に視線に着目してリーディングする方法のひとつをご紹介しましょう。
それはカードを正立と逆位置(リバース)でわけて考える方法です。
正立の時の視線が正しく、逆位置の時は方向性やエネルギーが間違っていると見ます。それには正立においてのそれぞれのカードの視線の方向性を、しっかりあらかじめ把握しておくことが大切です。
言ってみれば、「なぜそのカードは正立においてそちらの方向を見ているのか」ということです。
単に右や左だけではなく、斜め、上下の角度についても注視してみるとなおよいでしょう。
そうして自分の課題や問題に対して一枚のカードを引きます。
次に、出たカードの人物の視線の方向の種類と正逆を見て精査します。
(視線が正面を向いていたり、多数ある場合は、視線や方向のエネルギー性は見なくてもよく、今ここにもっと注目することだと判断します)
こうすると仮に出たカードが正立で視線が右であるならば、右方向のエネルギー(それはカードの意味から考えればわかります)で今はよく、しかも正しい方向に進んでいるか、バランスの取れた見方をしていると分析します。
反対に逆向きである場合は、方向性とエネルギーがどちらかに偏っているか、本来見るべき(力を入れるべき)方向とは違っていると省察します。
どちらにしても出たカード自体の意味と、視線方向のエネルギー性を重ね合わせることが大事です。
たとえ方向のエネルギーの質や意味がわからなくても、カードの正逆によって、自分の今の方向性や見ているものが本質とは違っている(ずれている)のだと判断することは可能です。
大アルカナで実行する場合、視線方向は向かって左に向いているものの割合が多いので、自然、確率的にはそちらの方向のものが出ることが多くはなりますが、タロットは不思議なもので、確率的な割合を超えて自分にとって意味ある必然的なもの(カード)として登場します。
ですからやはり出たカードにはきちんと意味があると見てもよいのです。
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