何かはっきりしないことがつらいと思っている人へ。
自分にとって何が必要なのか、何をすべきなのか、何を選択したらよいのか、どうしたらよいのか・・・といった悩みは誰にでもあるものですし、今はなくてもある時期を境にして訪れるものです。
こうした時、葛藤や、もやもやとした不透明な状況にあるので、やはり自分としても気持ち悪く、早くすっきりしたい、道を見つけたい、回答がほしいと思います。
それで誰かに相談したり、占いに行ったり、コンサルやカウンセリングを受けたり、セラピーや癒しを求めたりして訪ね歩くこともあるでしょう。
それですっきりとする場合もあれば、やはりまだ不明確のままだという場合もあります。
特にまだもやもやしているような時は、余計にあせりが出て、「何か出口や突破口があるはずだ」と自分の探索エンジンを加速させようとします。
しかしながら、ここで大切なのは、実ははっきりしないままの状態にもよいことがあるという視点と態度を持つことです。
極端なことをいえば、不明瞭のままにしておいてもよいということです。別にこれは探求や模索、相談を止めろと言っているのではありません。
物事にはリズムやタイミングがあり、それぞれに応じてそのスパンや期間を有しているのです。
また創造には破壊がセットで表裏としてつきものですし、何かが生まれるためには産みの苦しみ、闇の時期、育成と整理の時間が必要です。
このことをマルセイユタロットでもっとも象徴しているのは「月」のカードです。
「月」には2匹の犬と水たまりのようなところから浮かび上がっている(あるいは沈んでいる)ザリガニが描かれています。その奥にはふたつの建物・塔が控えています。
ここでよく難しいと言われるのはザリガニの解釈なのですが、詳しくは述べませんが、不透明な状況にある人はこのザリガニを浮上させることが重要になってきます。
いえ、そのような人はすでに出てきているとも言ってもよいかもしれません。だからこそ悩みや迷いは深くなっているように感じられるのです。
このザリガニは実は一匹だけとは限りません。卵や子ども、仲間を有している可能性もあります。
またザリガニは脱皮を繰り返し成長する生き物であることにも思いを馳せると、その意味合いにも洞察が得られることでしょう。
ほかにも占星術を知っている人ならば、カニと月の関係から何かわかるかもしれません。
とにかくも、タロットカードからも示唆されるように、何かがはっきりするためには不透明で不明瞭な、あやふやな時期、霧の中に入ったかのような過程を通るのです。
それにはリズムやイタイミングも関係し、それを無視して、もがけばもがくほど深みにはまるようにできています。
しかし前述したように、探求は続けていいのです。それが蓄積となって水たまりのようにたまっていきます。肝心なのはパニックになったり、あせったりしないことです。
「月」のカードでたとえると、急に水を抜いて、ザリガニたちを干上がらせて殺してしまったら元も子もないということです。なぜならザリガニには葛藤状況を打破する力やヒントも隠されているからです。
ほかのカードでも、「運命の輪」や「吊るし」、「女帝」や「13」、「斎王」「隠者」などと併せて「月」のカードを見ていくと、不明瞭な状態にいる人も、時期やタイミング、リズムや周期、産みの苦しみ、蓄積や探求の過程であること、待つことで晴れるなどの意味がもっとわかってくるでしょう。
あせらず探求を続け、いつかはっきりするのだと思い、今は明確にならない状況であってもよしと思えるようになりましょう。
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