先行きが見えないと悩んでいる人へ。
あなたは、先行きの見えない不安と、ある程度先が見えているけれども、現状においては不安であるという状態では、どちらがいいですか?
どちらも「不安」ということではいやなものですが、やはり終わりがあるとわかっている後者のほうがいいでしょう。
人の混乱や心配は、案外、前者のような先が見えないからこその悩みであることが多いものです。
究極的にいえば、終わりのない状態というものは宇宙の創造のサイクルから言ってありえず、産み出されたものは必ず終わりを迎えます。(破壊)
そしてまた新たなものが創造され・・・という無限のサイクルが繰り返されるのです。
従って、今の問題がずっと同じようなことで続くわけではなく、環境であれ、人であれ、何らかの変化はいずれ起こってきます。
とはいえ、現実的にはその変化を待つほどの余裕がなかったり、どんな要素で変化が起こるのかの予想が難しかったりしますので、現状が本当に苦しい場合は、そんな抽象的なことは言っていられません。
悩みの解決策としては、大きく分けて精神的なものと実際的ものとにわかれます。ただケースにもよりますが、たいていはまず精神的なもののケアーをしていく必要があります。
最初に先行きが見えない不安より、先が見えているもののほうがましであるというようなことを書きましたが、この論理を不安解消に適用することができます。
先行きが見えない状態というのは、およそ一人の考え・思いで囚われていることに原因があります。
つまり、今発生している問題が現在の自分の力や経験、思考では対処と解決ができないことに悩みがあるわけです。
ということは、今の自分を超える力や思いが必要なわけですが、なかなか自分自身を一人で変えるのは難しいことです。
ましてや悩み状態によって、通常の普段のあなたなら問題なくできていることでさえ、力を失い、できなくなっていることもあるくらいです。
よって賢明なのは、人に頼るということです。頼るというより、心の癒しと客観的な判断・分析を仰ぐと言ってもよいでしょう。
言い換えれば、人によって自分の闇に光があることを気付かせてもらうのです。
先にも言いましたが、あなたのどんな状態であれ、宇宙的には創造のサイクルのひとつですから、必ず変化や終わりの兆し・種はあなたの闇とも思える中に含まれています。
通常、「終わり」とか「破壊」などと言えば、こちらのほうが闇のように思えますが、物事は見方を反転しても、それは真になります。
ということは、あなたの悩みの闇状態において、終わりの兆しは光であり、新たな始まり・創造の種子でもあるのです。
それは闇にいる自分にはなかなか見つけにくいことです。だからこそ、ほかの人の力や助けがいるのです。
人は困ったら、天使や神、菩薩や仏に救いを求めます。
それはそれでいいのです。しかしこの現実世界において実際に直接的に力を及ぼすことのできるのは、ほとんどの場合、物理的肉体を持つ私たち人間です。
ですから、天使や神もその影響を現実に及ぼすとなれば、人間を使うということになるでしょう。だからこそ、あなたの救済は人によって行われる可能性が高いのです。
その苦しみは永遠には続かない、すでに終わりや新しいものが始まっているのだということを人によって気付かせてもらえば、あなたの苦しみは希望に変わっていきます。
また新しい先があるとわかれば、その苦しみ自体に大切なよい意味を見いだすこともできます。決して無駄な作業をしているわけではないということをあなたは知ります。
その時こそがマルセイユタロットでは「月」だともいえますし、ある人にとっては「吊るし」から「13」の過程と表現できることもあるでしょう。
特に「月」の場合は、先が見えないことでは不透明で不安かもしれませんが、その中にも次なる太陽の兆しがあることがわかれば、とてもポジティブに見ることができるようになります。
同時に、それが見つかるまでは「月」の状態も必要だということにも気がつくでしょう。
宮岡先生
いつもありがとうございます。
今回の記事にもとっても救われました。
月のカードのその先…と考えられると
透明感溢れますね。
ザリガニ…
変容の8ハウス蠍に見えてきました。
>安麗亜弥子(あんり あやこ)さん
そうですね、占星術とタロットとの関連としてみますと、月は蟹座とも関係しますし、「13」的な意味で言いますと、おっしゃるように第8ハウス蠍とも関係するでしょうね。
いずれにしましても、ずっと前の記事でも書きましたが、「13」の次は救済の「節制」に必ず出会うことになりますので(「月」の次に「太陽」が待つことでもあります)、苦しい時でも無理せず、手助けをもらい、自分の状態に評価を下さず、希望の種が育つこと、新しい創造が始まるのを待つことですね。