過去パートのリーディング一考

タロットのスプレッドでは時系列的にタロットを展開するというものがあります。

私の使うマルセイユタロットの展開法でも、過去のパートのカードを出すことがポピュラーです。

しかし、タロットを占い的に使用する場合には、「どうして過去を見る必要があるのか?」と疑問に思われる人も中にはいらっしゃいます。

占いのケースでは、その関心と焦点が今と未来にあることがほとんどなので、過去は見る必要がないと思うのもある意味当然かもしれません。

けれども、マルセイユタロットによって自己認識自己実現を図ろうとする場合は、むしろ過去のパートはよく観察し、リーディングしておく必要があります。

その大きな意味については、講座で詳しくお伝えはしていますが、今日は講座でお伝えしている内容とは別の(結局は関連することです)観点から説明してみたいと思います。

これはちょっとスピリチュアルと言いますか、普通の考え方とは違いますので、なじまない人は無視していただいても結構です。

それは多重世界(宇宙)論を採用したものです。

簡単にいえば、過去のあなたも、今や未来のあなたもすべて別人だという考えです。いえ、同じあなたではあるのですが、あなたの内にいる別のあなたとしての表現だと言い換えてもよいです。

心理学的にはインナーチャイルド(内なる子供・記憶、エネルギー)とか、そいう発想でもよいですが、少し異なるのは実際に内なる子供も、別の時空に存在しているという発想を採り入れることにあります。

つまりは、私たちの経験は実はすべてその瞬間に別の時空に飛び、それこそ数限りないあなたの経験と記憶の宇宙(世界)に、あなた自身が無数に存在・保存されるというイメージの世界観です。

わかりやすく言えば、1歳のあなたの宇宙があり、また10歳の時のそのままの時代がエネルギーとして別時空にあるというものです。

そして精神的には、この時空を私たちはいつでもその氣になれば移動が可能だとします。

従って、私たちが過去を思う時、過去の記憶を思い出すのではなく、過去の別の時空に精神として異次元的に瞬間旅行しているようなものであると言うことができます。

これはもちろん未来にも言えることですが、未来の場合はさらに無数の可能性と想像として多くのあなたの世界が待ち受けているとも考えられますし、今のあなたが想像した分だけ、また新たに世界が創造されていると言うこともできます。

ともかく、こうした想定に立てば、あなたの過去は単に記憶ではなく、別の次元に実在している「存在」となります。

しかし一方で、未来と同じように、過去にも創造がなされるということを考えることができます。

つまり今現在のあなたが過去へと働きかけることで、これまではあなたが「過去」と思っていたある宇宙や次元へのルートが切り替わり、新たに過去に創造された別の次元(の自分)に旅する道筋ができるのです。

これは言い換えれば過去が変わる、過去の記憶が変化することと同じです。

重要なのはそれぞの多元・多層宇宙や存在が密接に関係しているということで、それぞれ独立しているようでそうではありません。またその中心はどこにあるかといえば、まさに今の思考しているあなたにあると言えます。

ですから今に集中し、現在を大切にすれば過去も未来も、別のあなたとして選択し直すことが可能になります。

選択の転換(特に過去)が行われば、今のあなたにも影響が及び、当然未来にも変化が生じるでしょう。

よくドラマや映画でタイムマシーンに乗ったり、タイムスリップしたりして過去を変えれば、今の人や世界にも影響が及んでまったく違うものになっているということがありますが、それに近い感覚です。

マルセイユタロットのある展開法では、過去が現在にも未来にもつながっているものになる場合があります。つまりは精神的(霊的)には時間を超越し、すべて関連していることをカード自体が示しているのです。

多次元・多層宇宙観に立てば、過去のあなたをよい方向や人物に選択し直すことができるということであり、それだけ今のあなたをいい状況に変化させることにもなるのです。(次元がスライドして別のあなたになる)

この意味でも、過去をリーディングすることは非常に重要になります。

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