問題には、解決したくないものもある。
自分の問題は困ったことであり、誰でも解決したり、解消させたりしたいと願うものです。
しかし、果たして本当に全員が全員、自分の問題を解決したいと思っているのでしょうか?
問題なのだから、当たり前でしょ!と言われる方がほとんとでしょう。
ところが、私たちは意外に、無意識のうちに、「問題をそのままにしておきたい」という思いと行動が存在するのです。
この理由はひとつではないのですが、主なものとしては、ふたつあります。
ひとつは変化させることは面倒で、エネルギーがいるという人間の本能みたいな働きによるものです。
たとえ危機だと感じていても、心の底からスイッチが入らない限り(まさに正真正銘、危機だと心身が感じない限り)、人間は今のままを変えたくない、変えないという態度が支配的になります。
とりあえず日々過ごしていくことはできるとか、問題だけれども生命に関わるほどではない・・・という具合に、たとえ問題状況を認識していたとしても、変えることがわずらわしくて、そのままにしてしまうのです。
もうひとつは、問題が解決してしまうと別の意味で困ったり、それが解消した際の新しい状態に、不安や恐れがあったりするというものです。これは自覚していないことも結構あります。
おかしなことですが、問題のままのほうが安心するし、ある意味、自分にとっては都合がよいという状況もあるのです。
たとえば恋愛問題などで、この人は本当に好きではないけれども別れると寂しいからとか、彼氏がいて周りの人に自慢できている状況から降りないといけなくなるから(つまりは自分の自信を仮の恋人で肩代わりしている状態)というような場合です。
または不倫をしていて、いけないこととはわかっているし、こんなことでは結婚もできないことは感じているけれども、別れることは自分のプライドや投資した時間とお金が許さない、もっと心が寂しくなることが恐い・・・などとして関係を続けているような状況です。
さらには病気や就職などで、わざとうまくい行かない問題状態を続けてしまう(無意識にもそうしてしまっている)ことで、自分が本当に責められることから逃れている場合もあります。
これらは、言い換えれば、次元の低い状態でのバランスのままに生きようとしていると言えましょう。
どんな局面・状態でも、宇宙にはバランスが働いていると見れば、問題が解消している時も、そうでない時も、バランスは実は取れていると言えます。
しかし、バランスレベルが高いか低いかの違いがあるのです。
問題を未解決のままにしておいたほうが都合よく感じるというのは、成長への抵抗であり、エゴの攻撃だとも言えます。一見心地よく、現実的な解決方法に見えるのです。
けれども、これらはバランスが無理して取られているような感じですので、どこかで息苦しさがあります。
いつかは、そこからもっと上のバランスの取り方に移行したほうが、真の意味では自分の解放と発展につながります。
それに気がついた時、自分のほうから低次のバランスを崩すための環境を引き寄せようとする(現出させようとする)ことがあります。
いわば、それはぬるま湯状態に冷水を流入させるみたいなものですので、自分の心に激しい抵抗感や困難さを感じることもあるでしょう。
とはいえ、この時のあなたは、すでに「太陽」に象徴される真の自分、本当の目指すべき状況が見えているのです。
その川の流れに逆行しても余計につらくなるだけです。くるっと正反対に向き直り、流れに身を任せていくと自然に目的地にたどり着くようになってきます。
このように、人には解決しはたくない(と別の自分が思っている)問題があると認識しておくと、自己の成長には役立つでしょう。
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