「手放す」と入ってくる理由の一考察。

精神世界では、「手放す」と「入ってくる」と言われています。

極端にいえば「捨てたのに戻ってくる」みたいな形で、まるで不可思議、禅問答みたいなことです。

従って、普通の目に見えている物理的な法則と常識で考えていては、なかなかこのことを理解することができません。

しかしながら意味はわからずとも、「こだわりをなくした時に、思っていたものが手に入った」という経験は、比較的多くの人が体験しているのではないでしょうか。

これについて、私が(タロットを見ていて)考えたことの一部を披露したいと思います。

「手放すと、逆に手に入る」ということは、最初の段階を見れば、「手放せない」状態であると言えます。

これは、いわば、あるものに「こだわり」や「執着」があるとも換言できます。

そして、それらを手放した時、反対にこだわっていたものが入手できるのです。

逆に言えば、「こだわり」や「執着」があると、それ自体を得ることが難しくなるということですが、ではなぜ、こだわると入りにくくなるのでしょうか?

先程言いましたように、こだわりは何かを手放していない状態なので、言い換えれば「何かをつかんでいる」状態だということです。

ここで執着している対象物ではなく、その行為に焦点を当ててみます。すると行為的には「つかんでいる」ということになりますね。

簡単にいえば、「つかんで離さない」状態です。

さて、ここでちょっと考えてみてください。

あなたはその「つかんで離さないもの」を本当に実現させていたり、存在させていると認識しているでしょうか?

たとえばお金がほしいと思っている人の場合、実際にお金をつかんで離さない行動を取っているでしょうか? 「ほしい」のですから、「ない」とその人は思っているはずです。ということは、お金の存在を認めてないと極論することができます。

お金が少ないから「つかんで離さない」ように見えても、「ほしい」と思っているのなら、「足りない」「ない」と本当は認識していて、それは言ってみれば空白や空っぽをつかんでいることにもなります。

たとえお金をたくさん持っていても、「失いたくない」と思って「つかんで離さない」のなら、それが自分にあるとは本当は思っていないのかもしれません。(失うおそれがある→流失してしまうものと思っている→なくなって存在しないと認識している)

同様に愛する人を失いたくないと思ってる場合は、実際には愛する人はいますが、失いたくないと思うと、「失うこと」自体に強い関心がある(おそれというネガティブな関心ですが、関心自体にはポジもネガもありません)ということになります。

つまり、執着は反対に失うことのエネルギーや表現を強く発していることになりますし、しがみついて離さない状態は、すでに存在しているもののエネルギーを囲い込む行為となり、宇宙に循環させない独善的な行為ということになります。

またすでにあるものを幻想としてつかんでいるだけに過ぎず、逆に何もないものをつかんでいる錯覚に陥っているとも言えます。

お菓子を両手に持っているのに、さらに「お菓子をちょうだい」とねだっているようなものです。そのお菓子を食べてしまうか、どこかに置かない限り、新しいお菓子を入手することはできません。

囲い込むとスペースはその分狭くなり、すでに存在している大きなものを認識することがてきず、また流入してくるスペース(空間)も狭くなって(時にはなくなって)、ただ囲いの中でよだれを流しているだけの状態になります。

ということで、こだわりを手放したり、何も思わなくなったりした時点で囲いは解き放たれスペースの確保とエネルギーの循環が再開されます。

実はこだわりが悪いのではありません。意識を合わせること、焦点を持つことは自分の認識可に入る(つまり実現)上でも必要なことです。

しかしそれは最初の段階だけで、あとは必要以上に(執着的に)思い続けないことが肝心です。理由はこれまでに書いてきた通りです。

執着を解くと、願ったエネルギー(焦点化エネルギー・存在の確信の意味でもあります)は解放されて、循環し、形となって自分の認識する世界に具現化します。

結局のところ、執着によって物事がかえって悪くなったり、実現しにくくなったりするのは、自分自身が望んだことを自分自身がつかんで離さないからなのです。それは宇宙が「自分」だからです。

マルセイユタロットでは「月」や「力」、「吊るし」や「世界」などでこれらのことは表現されています。

つかんで(圧力をかけながら)ばっと離す、一言でいえばこれが引き寄せのコツなのだと感じています。

と言いながら、私自身は、よく言われる「引き寄せの法則」は、理由あって使いません。(笑) その理由とは、「ゲーム」ということがキーワードとなるのですが、あとは秘密です。(^_^;)

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