「貴婦人と一角獣」展

一昨日は、タロットの受講生(修了生含む)の方とともに、大阪の国際美術館で今開催されている「貴婦人と一角獣展
」を鑑賞する企画(メルマガ企画)を行ってきたところです。

「貴婦人と一角獣」というのは、フランス・クリュニー中世美術館所蔵の巨大な6面のタピストリー(タペストリー)で、中世の頃に製作され、優雅な貴婦人と伝説の霊獣一角獣(ユニコーン)とがメインに配置される神秘的な絵柄とっなっています。

そのため、その解釈に多くの人を惹きつけている作品群です。

私はフランス現地において、タロットの関係で鑑賞したことがあるのですが、これが再びそろって6面全部、日本で見られるとは思ってみませんでした。

タロットの関係・・と書いたように、そのタピストリーに描かれているものには、タロットの象徴とも関連が深く、隠された意味がタロットや西洋密儀の伝統から解釈すれば見えてくるのです。

一般的には、この6面のタペストリーは、それぞれ、人間における五感、つまり「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と、それを超える「第六感」的なものを表すとされています。

実際に、中央に描かれる「貴婦人」を中心に見ていくと、そのように解釈するのも当然で、その意図は私もあったと感じます。

五感というのは、いわば、人間の肉体を通して知覚する感覚で、誰でも普通に味わうことのできるものですので、低次なものとこのタペストリーが作られた頃は見られていました。

そういった肉体的な欲望や知覚を超越した次の感覚を得ることが重要であるというテーマが、最後の「第六感」を表すタペストリーにおいて掲げられていると考えるわけです。

しかし、タロットの描かれている西洋密儀の象徴を理解してもう一度この作品群を見直すと、ここに驚くべき解釈が成り立ってくるのです。

意味的には「常態の超越」という、一般的に言われているテーマと似てくるのですが、そこにはもっと別で具体的な方法と目的が、タロットの知識を入れていくと浮上してきます。

こうしたところが、マルセイユタロットを知っておくと良い点でもあり、特に西洋絵画等の芸術作品においては、その象徴的知識がまた違った芸術の鑑賞眼を養うことになります。

実はマルセイユタロット自体、そのような描かれ方をしています。

例えば一般的には「魔術師」とか「奇術師」とか呼ばれるカードがありますが、私たちは「手品師」と呼ぶこのカードが、見た目上は、文字通り「手品」行っていることを絵柄から見ることができます。

ところが、その細かな象徴の意味を知っていくと、「手品師」の彼が実は別のことを行っており、それがまた手品と関連していることもわかってくるのです。

言わば、表面的な意味と裏の隠された意味の二重構造(さらにはあと二重あって、全部で四重構造になっています)になっているのがマルセイユタロットの特徴なのです。

このことが理解できれば、他の芸術作品、あるいは日常的に我々が経験する事柄さえも、見た目だけの表面的意味合いのみではないことがわかるようになるのです。

昨日の会では、美術館での鑑賞のあと、皆さんで感想や気づきを述べ合い(ここで新たな発見もあって、一堂驚愕でした)、シェアをしつつ、私とゲストのマルセ氏とともに「貴婦人と一角獣」のタペストリーに隠された意味を説き明かして行きました。

終了時にはタロットを引いての「貴婦人と一角獣展」グッズプレゼント当選企画(笑)にてお開きとし、真剣ながらも和やかな内に終了することができました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。(あまりに話に熱中し過ぎ、皆さんとの写真撮影も忘れていました、すみません(^_^;))

とはいえ、会で話したことも我々の仮説に過ぎず、もっと詳細な象徴の意味や検証も必要であり、また違った解釈もできると想像されます。それほど、このタピストリーは魅力的なものなのです。

是非、興味ある方は鑑賞してみてください。敏感な人はタペストリー自体の力(それぞれ質がが異なります)を感じ取ることもできるでしょう。

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