マルセイユタロットの故地を訪れること。
何かのツールや技術については、その開発背景やルーツを探ると、より理解を深めることができる場合があります。
私の扱うマルセイユタロットについても同じです。
世にタロットを学びたい、使いたいという人も多いですし、実際に占いやリーディングツールに活用されている方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、そのタロットの成り立ちやルーツ・背景を調べたり、実際に製作されたであろう所以の土地など行かれるたりする方はそんなに多くはないように思います。
あくまで個人的な考えと思いですが、マルセイユタロットの場合は、特に上記に述べたことが重要で、できれば私は南仏に行ってみたほうがよいと感じます。
またマルセイユタロットに流れる歴史的・秘教的背景などにもふれていたほうが、タロットに魂が入るといいますか、その扱いや思いの厚みが違ってくるように思います。
もちろんそんなことに興味はなくても、マルセイユタロットを使うこともできますし、逆にあまりのめり込みすぎるのも因習的にとらわれて、まさに「思い」が「重い」に変わり、自分やクライアントを縛る結果ともなりかねないこともあるでしょう。
それでも、個人的には南仏とマルセイユタロットに込められた歴史的背景は知っておいたほうがよいように思えるのです。
マルセイユタロットに関係する、特に南仏やスペイン国境近くの場所に行くのは、私の場合の例ですが、それまでマルセイユタロットに強い興味を感じていたとしても、霊的なと言いますか、もっと深い縁のつながりのようなもの、心や魂のようなものは、訪れる前とでは、かなり違ったと言えました。
実際に訪問してみますと、何かが違うのです。「ああ、この雰囲気がこのタロットに流れているのだな」と感じる「何か」です。
土地土地にはヨーロッパでいうゲニウス・ロキという、日本でいう土地神様みたいな精霊がいると考えられています。
それに感応するということもありますし、イエス信仰だけではない、ヨーロッパや中南米ラテン系国々におけるマリア信仰(マグダラのマリア・聖母マリア等)のカトリックの日常性にもふれるということにも意味があると思います。(キリスト教にふれるというよりも、キリスト教の表現を借りて現れる女神信仰的なものを感じるということです)
リーディングにおいても、私は南仏に行った後と、その前では明らかに雰囲気やとらえ方が変わったのを自覚しました。
霊的なパイプやトンネルが日本とヨーロッパという距離を超えて、つながったというような意識・感覚です。
カードに伝統的に培われてきたエネルギーが入魂されると言ってもいいでしょう。
※カード自体に入るのではなく、カードに描かれている構図と象徴によって、エネルギーがキャッチされると表現したほうが正確かもしれません。
とはいえ、なかなかフランスに時間を取って行くというのも、普通はそう簡単なことではありませんから、とりあえずは写真や絵、インターネットの情報などで雰囲気に浸るというのも手です。
また日本でも教会や西洋的なものにふれる機会や場所に意識的に行ってみるというのも、ひとつの方法と言えます。
歴史や背景については、私の講座でもわかりやすく伝えています。やはりマルセイユタロットの力の発動には、段階的に様々な知識と感覚の受容が必要とされるように思います。
コメントを残す