カードの組み合わせ、カード熟語
これは私の伝えるマルセイユタロットリーディングにおいてということになりますが、タロットの組み合わせ・コンビネーションにおいて、特別な意味の出る場合が多々あります。
それはカード展開があまり固定的ではないからで、カード単体での解釈より、複数やグループでのストーリーが重視されるからです。
もちろん、ほかのカード種やカード展開(スプレッド)でも、カードの組み合わせによる意味を見ることはあります。
しかし、やはりマルセイユタロットを使ったある技法では、カードの組み合わせで発生する意味が、より複雑多岐にわたるので、非常に情報量も多くなって、立体的になると考えられます。
このことは、言葉で言えば単語と単語が結びついて文章になる形に似ており、技術的にも英語や中国語の文法構造に近いと言えます。
ということで、面白いことに、皆さんが受験英語の際に行った熟語の暗記みたいなことが、マルセイユタロットのリーディングに活きることがあるのです。
たとえば、「悪魔」と「世界」との組み合わせが出れば、願望実現を表すというようなものです。※これはあくまで事例で、必ずしもこの組み合わせがそれを指すという意味ではありません。
このようにして、二枚なり三枚などのカード同士の組み合わせで、定型句や慣用句、熟語を覚えるようにして数こなせば、実際のタロット展開でその組み合わせが出現した時、すぐに意味が出てくるということになるわけです。
それはリーディングのスピードアップや、確実さにつながります。
ただし、何事にもよい面と悪い面はあり、問題としては、ワンパターンの読みになって、本来の象徴としてのタロットの働きを限定させてしまうことになりかねない点はあります。
いわば初級者用のやり方と言えましょう。
ところが、これとは別に、自分ならではのカード組み合わせによる意味というものもあり、これはリーディングを続けていると出てきます。
前にも言いいました「カードの個別的な意味」のひとつです。
この場合は、ほかの人ではそういう意味にならないのに、自分ではその意味になるという特別なものであり、ある種、自分の世界観をタロットに投影した見方でもあるのですが、それでも効果は持ちます。(クライアントにも意味があるものになります)
ただ、カードを習い始めてすぐに個別的な意味が出てくるわけではありません。カードに磁力のような蓄積(それは数をこなすという意味でもあります)がなされ初めて出現してくるものです。
そういった点では、中級者用のテクニックと言えるでしょう。
いずれにしても、カードの組み合わせによって生じる新たな意味・別の意味(熟語的な意味)をノートなどに記載し、辞書的にまとめて記憶しておくのは、リーディング技術を向上させる意味でも有効です。
さらに、自分だけの個別のタロットの意味合いでも、誰かほかの人(同じタロットを学習している者)にその意味を教えれば、その情報が共有され、その相手にも自分用だった意味が活きてくるようになります。
従って、タロットリーディングの勉強会などの集まりで、それぞれが自分のリーディングを披露しあうことは、カード熟語の伝達交換を促進し、その場に参加している皆さんのリーディングの幅を拡大させることに貢献します。
このようにして、実はタロットの意味は、本質的には変わらないものの、時代や人とともに移り行き、新たな意味も付与されて、大きくなっていくのです。(※一枚においてもそうです)
たとえば、「手品師」のバトンがWiHiやスマホを象徴して、さらに「斎王」とセットで出れば、ブックリーダーの機器と読むことも可能なのです。
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