「好きなことを仕事にする」について。

タロットリーディングにおけるクライアントの方のご質問の中でも、やりがいのある仕事や好きな仕事をしたいというものが比較的よくあります。

タロットを受けに来られるくらいですから、おそらく、皆さん、癒しや励ましを与えられるようなお仕事、もっと具体的にいうとタロットリーダーとか、セラピストとか占い師とかヒーラーになりたいという方が多いかもしれません。

あるいはそういった仕事とは関係ないお仕事であっても、自分の向いているものは何か?と知りたい人もいらっしゃいます。

タロットを展開すると、人それぞれ、その時の状況によって変化して出るのですが、もちろん本質や傾向というものも出ます。

ただ、占いのように、ズバリこれが向いていますとか、セラピストで成功できます、というような出方とか読み方にはなりません。

人によってはそう読む人もいるかもしれませんが、私のポリシーとして、タロットからの指針はあくまで情報であり、選択はクライアント自らがしていくものと考えているからです。

リーダーが職業や業種を限定したり、固定してしまったりすると、それだけクライアント側の可能性を狭めてしまうことにもなりかねません。

とはいえ、何も枠組みや方向性がないと、どう選んだり、進んだりすることがいいのか、クライアントにはわからないので(それを知りたいためにタロットリーディングに来られているわけですから)、ある程度の範囲や傾向は伝えていくことになります。

そして、どんな仕事の方向性であれ、好きな仕事をしたい、好きな仕事に就きたいという場合、タロットを引かなくても、おおむね4つの方法が考えられます。

1.現在の仕事か、好きなこととは関係のない仕事を続けていくこと。(あきらめることも入る)

2.好きな仕事をする方向性を優先させながら、別の仕事を方便(経済的理由などで)とする。

3.現在の仕事をしながら、好きな仕事をする。(好きな仕事につながるものをする)

4.好きな仕事で独立、もしくは好きな仕事に転職する。

ほかにも結婚したり、パートナーやパトロンに養ってもらって好きな仕事を趣味でするということもあるでしょうが、まあ、現実的なところではこんな選択肢だと思います。

ここで多くの人に問題となるのは、経済的なことと、自分の感情や好み・志向との葛藤でしょう。好きなことをしたいけれども、食べていけなくなるのではないかという恐れと不安です。

タロットで見た場合、それらの要素は四大元素等で表現できますので、弱い部分や反対に強い部分なども、バランスも見ていくことが可能ですが、人によっては経済的なことを重視しなければならない段階の人と、感情や気持ちのほうに重きを置いたほうがよい人の場合があります。

常識的にはお客様や経済的基盤の準備や見込みができていたほうが独立したり、好きなことに転職したりすることでは安全でセオリーだと思えますが、そうとも言えないケースが、タロットを展開すると見えてくることがあります。

たとえば、今やっている仕事や働いている職場があまりにも本人には不適合すぎて、心身の限界に来ているような時や、本人が気付いていない能力やサポートがすでにあり、今思い切って好きな仕事に就くことがスピリチュアル的と言いますか、天命的によいと思えるような場合などです。

これはその人のお話を聞いたり、タロットを引いたりすることによって、本人(の表面的意識)以上に、タロット(で象徴される本人の別意識)がわかっていることが見えてきますので、そうした時には、思い切った判断もアドバイスできます。

ただ、「なれたらいいなぁ・・」とか「好きな仕事が何なのかわからないけれど、見つかったらいいなあ・・」「好きな仕事で暮らしていけたらいいなあ・・」というような想い方のレベルでは、その時点では、とても好きな仕事に就けるとは思えません。

好きな仕事で生きている人でも、最初はほとんどの人はそうではなかった段階があったはずです。そこから今の状態にまでなれたのは、強い決意と意志、行動の継続があったからだと言えます。

今の環境を変えたいということであるならば、本気でその思いに到達しないといけません。(仕事を趣味的に考えている人は別です)

まずは意志と決意の構築、好きな仕事への関心を寄せていくことが大事です。情報も関心があれば寄ってきますし(自然に目が行くことになります)、交流関係もそれに応じて接縁していき、次第に今の環境と自分から脱却していくようになります。

つまり、好きな仕事をするということのリアリティ(現実感)を自らに作り出せないと、文字通り、現実にはなりにくいということです。

普通の人は怠惰と言いますか、変化をしたがらない生き物です。ですから決意の出来ない自分を責めてもいけません。それ(変化をしたくないの)が普通なのですから、当然です。

ですが、自分に今とは別のリアリティを作っていかないと、いつまでも今の現実・リアリティこそが「本物」だと認識して、変わることができません。

一足飛びにはできにくいものですが、ステップ(段階)を踏んでいくと、別のリアリティの世界に近づくこともできます。

まずは完璧ではなくても、どんな形であり、好きな仕事の形を実践することです。

それができなくても、まずイメージだけでも実践に近づけることが重要です。

イメージできないということは、それだけ あなたにとってリアリティがないということであり、リアリティが出るまで、情報とか経験で補っていかねばなりません。これが「まだ現れていない現実を作り出す」最初の一歩でもあるからです。

また、あきらめてしまうのもひとつの手です。今考えていることがあなたの天職ではないかもしれませんし、何も独立や好きな仕事をするというのが人生の成功者とは限りません。

「好きな仕事を見つける」より、「仕事を好きにする方法」を発見するほうがよほど現実的で、応用が利くとも言えます。

極端なことを言えば、棺桶に入る(笑)まで自分の人生が良かったかどうかなんてわからないものです。どの年齢からでも、また仕事以外のことでも、充実と生き甲斐があるのが人生です。

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