混乱のすすめ(笑)
私たちは物事や状況をすっきりさせたいと普通は思います。
あやふやな状態、不確かで、不安定な状況というのはあまり望みません。
まあこれは、おそらく宇宙の原理として、創造・維持・破壊というサイクルが繰り返され、一度生じたものはピークを迎えて、やがては消滅したり、破壊されたりして終わり、また新たな始まりになるというものと関係しているように思います。
つまり、はっきりさせたいということは、終わらせたいということであり、次に新しいものに向かいたい、創造したいという、形を変えた人の成長欲求(性質)だと考えることもできるからです。
それはさておき、はっきりさせたいという思いの時は、逆に言えばはっきりしていない状態であり、モヤモヤとしたり、混乱したりしているわけです。
それで、いろいろと思考し、感じ、行動するわけですが、なかなかこういう時はあせればあせるぼと、出口が見つからないものです。
ですからよく言われるのは、心を落ち着かせる、行動をストップさせる、人に相談する(客観的視点や働きかけを入れる)ということが指摘されるわけです。
私も、このような、言ってみれば常識的なアドバイスは、まさに定石であり、混乱したり、はっりしなかったりするような時はそうしたほうが、まずはいいように思います。
しかし、ここにマルセイユタロットの「恋人」という、迷いや選択を象徴するようなカードをもってきますと、時にはあえて混乱状態を極めたほうがいいと感じることもあります。
それは「恋人」カードに描かれるキュービッド(クビドー)とも関連しますが、要するに、一種の頭のショート状態やスタッグ状態を、意図的に(自動的にそうなってもよい)起こすということになります。
あれもこれもといろいろと考え、試行錯誤し、様々な方法を試したり、たくさんの人に意見を聞いたり、ああでもない・こうでもないと頭を悩ましたりすると、混乱にますます拍手がかかり、余計わけがわからなくなってきます。
しかしこれは、場合によっては実はしめたものでもあるのです。
結局のところ、混乱が極まって、考えること、行動することに疲れが出てしまいます。エネルギーの使い過ぎ、ガス欠みたいなものです。
そうすると、自動的にスイッチがオフのような、ブレーカーが落ちたようなことになって、何も考えたくなくなったり、したくなくなったりします。
もうどうもでもいいとか、好きにしてくれとか、考えなしのこの選択でいいや、みたいな投げやりとも言える思いが出始めます。
まあ、さきほど触れました、頭がショートした状態、スタッグした状態、固まった状態と言ってもいいでしょう。
これは一見悪いようにも思えますが、こうした状態により、考えが行き着くところまで行くことで力が抜け、究極の束縛から解放のエネルギーにオートマチックに移行することがあるのです。
縛ると、いずれ緩めなければならなくなる原理です。
それは自己防衛反応や自然の摂理と言えましょう。
すると、一種の瞑想状態のようになって、いきなりアイデアがひらめいたり、深いところで直観となってやることがわかったり、選ぶものが何かということがわかったりします。
あるいはどっちでもよしとか、どっちもなしとか、第3の道や方法が見えてくる場合もあります
そしてたいていは、「なんだ、結局最初の選択でよかったんだ」とか、「自分がずっと思っていた通りのことで良かったんだ」みたいなことになるケースが多いものです。
それならば悩んだ分だけ無駄だったと思うかもしれませんが、悩み続けたからこそ、その状態に導かれたわけです。
もちろん最初からスッとわかればいいのですが、そういつもいつもクリアーにできないから「人」なのであり、この「過程を経験する」ということ自体も「人生の味わい」のひとつなのです。
混乱を極めて光を見つけるというのは、「あーもう、わけがわからん!!」と頭をかきむしるくらいになって、勢いで逆立ちすれば、ふとアイデアが出る、こんなイメージです。って、これは金田一耕助さんでしたね。(笑)
まあ、そういうことなのです。
ということで、混乱にいるあなた、もっと混乱してみてください。(笑) ショートすれば、脳内の電気信号が爆発し、新たな神経細胞のつながりもできて、突破口が見つかりますよ。
とは言っても、あまりに疲れてエネルギーを消費し過ぎたり、本当に頭がイッてしまったりすると、やばいこと(鬱や死にたい衝動、他者への攻撃、抑圧されたもののいびつな解放など)になりますのでご注意ください。
肉体と精神の限界範囲内で混乱してくださいね。
目処としては思考停止状態になるまで混乱してみるという感じです。
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