単語とカードのふたつ 組合せの妙味
私の使うマルセイユタロットでのリーディングの基本は、カード単体ではなく、カード同士の連繋やコンビネーション、固まり、グループで読むことです。
つまりは「組合せ」ということになりますから、その最小単位は二枚のカード(の組)ということになります。
ですから入門コースなど最初にタロットにふれてもらう講座において、または本格的な基礎コースにあっても、まずはその二枚の読み方を押さえてもらうことにしています。
カモワン流と呼ばれる、カモワン版マルセイユタロットから入っている方は、二枚をカード人物の視線と組み合わせて読む場合もあります。
ただ視線のあるなしに限らず、「組合せ」で見るということが重要だと、私の場合は考えています。
いわばそれが、単語から文章につながっていく始まりだからです。
タロットリーディングということも、結局は、カードを読むこと=カードから文章を作ることを意味するからです。
熟語という言葉があるように、ひとつの漢字と、もうひとつの漢字が組み合わされば、新しい意味が出てくるみたいなことに似ています。
漢字も、もともとは象形文字(モノをそのまま形として表したもの、文字の形がそれを表すものをかたどっているもの)でしたので、タロットも絵柄であるならば、何かをかたどったり、象徴したりしているのだと、漢字のように見ることもできるわけです。
すると、やはり漢字と同様、ひとひとつのカードが組み合わさって、いろいろな意味が出てくることにもなります。
例えば「恋人」というカードがあります。
このカードは恋愛を象徴しているカードでもありますので、ひとまず単純に「恋」という言葉で置き換えてみます。
ではその横に、もう一枚、「運命の輪」というカードも置いてみます。
「運命の輪」もいろいろな意味がありますが、これもシンプルに、ここでは「運命」ということにしますね。
すると、「恋人」と「運命の輪」のカード二枚によって、「恋の運命」「運命の恋」というような言葉が登場してくるわけです。
「恋の運命」と読む場合と、「運命の恋」と読む場合とでは、ニュアンスや意味も異なってきますが、いずれにしても、二枚のカードの組合せで、単体の時の意味とはまた違った新しい解釈と意味が読めることになります。
このパターンで、大アルカナ22枚だけでも、そのうちの二枚セットで組み合わせると、とてもたくさんの意味が読めることがわかります。
もちろん二枚だけではなく、三枚や四枚、もっと多くのカードと組み合わせることも可能です。
さらには、正立と逆位置(リバース)の読み方に違いを入れる場合は、それぞれがその倍となります。
先述した「恋人」カードを例として、シンプルなカードの意味で組み合わせて出す形を、数例、示します。
「愚者」と「恋人」 自由な恋 恋の自由 恋の自由人
「手品師」と「恋人」 仕事での恋、恋の仕事人、恋のきっかけ
「斎王」と「恋人」 忍ぶ恋、恋の手引き書 ラブレター(メール)
「女帝」と「恋人」 恋のアイデア 魅力的な恋 恋の気づき・自覚
「皇帝」と「恋人」 恋の現実 現実的な恋 恋の成果
こんな感じ(漢字(笑))で、カードを組み合わせて、シンプルな意味でコンビネーションさせることで、新たな意味や、そのカードたちが出た時の解釈を簡単にすることができるのです。
もちろんリーディング練習としても効果的です。
あ、それから言葉や熟語自体も、組み合わせになっているものは、逆に分離させると面白いことがわかる場合もあります。
例えば「恋人」カードに象徴される「恋愛」も、「恋」と「愛」に分けられます。
普通は「恋」と「愛」をそれぞれ単体で考え、「恋」と「愛」は違うのよ、みたいなことで語られますが、一度分離したものを再び組合せて訓読みみたいにしてみると、「恋の愛」「愛の恋」というように組み合わせてみれば、ほかの解釈も出てきます。
例えば、「恋愛」いうものは、「恋の形をした愛」なのだということで見ることもできますし、「愛を知るために恋がある」というように読むこともできるのです。
すると「恋愛」というものが興味深く思えてきますよね。(笑)
ふたつの言葉とふたつのカードの組合せ、このように、いろいろと試してみてください。
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