今更ながら、「引き寄せ」の考察

スピリチュアルが好きな人の間の世界で一世を風靡しながら、最近はいろいろなところで否定されがちの、ちょっとかわいそう(笑)とも言える「引き寄せの法則」ですが、それでも考え方としては面白い点はあると思います。(私自身はこれを使うとか使わないという次元での興味がなく、その考え方やシステム、信じる人の心を考察することに関心があります)

結局のところ、「引き寄せの法則」も波動や一種のエネルギーなるものが鍵となりそうですが、その波動というものが今ひとつわからないものであり、もちろん今の科学的見地からはまったくのオカルト(本来のオカルトの意味とは別の「怪しい」という意味で)ということになって、まともには考察されにくいわけです。

ということで、ややこしくなりますので、とりあえずここではスピリチュアル的な物言いにして、科学的なことは置いておきます。(笑)

いわゆる「引き寄せ」の核が、仮に波動なるものとして設定しますと、引き寄せをうまくするには、引き寄せたいものの波動を作り出すか、その波動に近づけるということになるでしょう。

しかし、引き寄せたいものというのは、逆に言えば引き寄せられていないもの、自分がまだ実現していないものの場合が多いはずですから、引き寄せたいものの波動を作り出すのは、そもそも難しいわけです。

経験したことのないものをイメージしろ、話してみてください、と言ったところで、それができにくいことは誰にでもわかると思います。

またその波動に近づけると言っても、やはりこれも味わったことのないものであり、近づけようにも近づけるそれそのものがわからないのですから、困難なことと言えます。言わば、羅針盤もなく、目的地がわからないまま、大海を航海するようなものです。

ということは、「引き寄せ」はそもそも不可能な技法(考え方)なのかと言えば、そうとも言えません。

なぜなら、波動というものが物質的な目に見えるような実体ではないからです。

実体ではないのなら、実体を見なくても、あるいは実際に手などで感じなくても、その本質がつかめればいいということになります。

もちろんそれそのもの(引き寄せたいもの・状態そのもの)を実現していない状態なのですから、先述したように、イメージをつかむのも暗中模索という感じになるのは否めません。

見たこともないものを想像するというのは確かに難しいものなのですが、こういう場合は、たくさんの、それ(引き寄せたい内容・状況)と似たような「情報」を集めることによって、次第に本体に接近することもできそうです。

中身が見えない箱の中に何かがあり、その中身を周囲の人は知っていて、でも中身そのものは教えてはくれないルールで、周りの人に中身は何かのヒントを聞くというような感じです。

一人の人に聞くより、あるいは一回だけ聞くより、それを知っている多くの人に、または何回も聞くことで、中身としての実体に、より迫ることが可能です。

引き寄せるのが波動であるのなら、本当は具体性はあまり意味をなしません

例えば、お金を引き寄せたいとしても、お金そのものをイメージしてもあまり意味がないということです、

あなたはお金の持つ何の波動・エネルギーを引き寄せたいかということが重要で、「お金を引き寄せたい」というそのままのことだけだと、オモチャのお金とか、お金風に印刷された紙とか、コイン状の金属・固まりとかを引き寄せることになるかもしれないのです。(笑)

あなたが引き寄せたいものが、「お金を使って得られる自由な生活」ということであるのなら、お金よりも自由な生活を体験している人を知るとか、自由な生活をエネルギーや波動として象徴していると思えるもの(情報・状態)を集める必要があるでしょう。

さらには、そういった本質(モノとか具体性ではなく、波動として同じ状態・性質)波動の情報をたくさん集めるにしても、その情報を干渉させてしまう状況では問題です。

特に自分の中の情報をクリアーにしておかないと情報(波動)が打ち消しあい、望むものを引き寄せることは難しくなると予想されます。

だいたいは、この干渉(障害)が、引き寄せ(がうまく行かないこと)での問題・要因と言えそうです。

ここであえて、今では古めかしい「ラジオ」(笑)で例えます。

まずラジオ自体の性能の問題があり、受信する周波数の域が限定されていれば、その範囲でしかラジオ放送や番組を聴くことができません。

そして電波をクリアーにキャッチできず、ラジオの混信がひどいと、やはり放送をうまく聴くことはできません。

これと同じように考えれば、自分の波動域の上昇(性能のアップ)、クリアーに望む波動と同調させる状態(干渉を起こさせない澄み切った状態)があって初めて、引き寄せがうまく行くのではないかと想像されます。

もう少しわかりやすく言いますと、要するに自分が望むもの・状態を実現できるレベルに成長しているか、成っているか(成りつつあるか)ということが重要で、そのレベル未満であると、そもそも引き寄せられないに等しいということです。

というわけで、レベルアップのためには、自己の内面(思考と感情)を、望む方向に抵抗や疑い・恐れなく統一できていること(クリアーにできていること)、セルフイメージが、望むものを実現できるリアリティを持っていること(現実感がある状態に成長している、しようとしていること)が大事だと言えます。

ただ叶えたい、実現したいと思っているだけでは、夢想しているだけに過ぎないでしょう。まさそれは浮かんでは消える泡沫のようなものです。(しかし、願望が何なのかをはっきりさせることは、最初の段階で必要)

と言っても、強いイメージや思いをずっと持っていればいいというわけではなく、これまで書いたように、実現したいそのこと自体よりも、「それを生み出しているエネルギーや波動を実現する」ことが本質なので、強く思っていたところで、自分がその波動に遠い状態ならば、引き寄せは困難です。

むしろ、強く思いすぎて、まだ叶えられない自分のふがいなさや惨めさのほうが強化されて、望む波動との分離(乖離)がますます激しくなることもあります。

自分が「大それた望みだな」「これは無理目の望みだ」と思うようものは、文字通り、「大きくそれた望み」「無理な願望」ということで実現する(笑)(つまりは望みは叶わない、引き寄せられない)わけなのです。

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