白天使 黒天使 灰色天使 透明天使
マルセイユタロットには、「天使」の絵柄と象徴がいくつか描かれています。
その表現方法はふたつあり、ひとつは、いわゆる皆さんがイメージする羽のある「天使」が直接カードに描かれているというものです。
そしてもうひとつは、「天使」には見えないけれども、象徴・意味的に「は天使」になるというカードがあります。
そうしたもの、特に後者を見ていて、私たちの人生においても、「天使的」と呼べる人や状況に遭遇していると考えることができます。
つまり、ここでいう天使的な人というのは、現実の人間です。
私は、人の人生において出会う「天使的」な人物を幾つかの種類で分けて考えており、これを白天使、黒天使、灰色天使、透明(無色)天使と表現しています。
では、それぞれ説明しましょう。
●白天使
あなたにとって、まさに救済や恩恵を直接与えてくれると感じる人です。「この人のおかげで救われた」「この人のおかげで成長できた」「この人から愛を教わった、愛を感じる」と思えるような人ですね。
文字通り、「天使のような人だ」と感じる、あなたにとってわかりやすい「良い人物」となります。
●黒天使
この黒天使が実は曲者ですが(笑)、やはり天使なのです。
表現上は、あなたに厳しくしたり、いじわるなことをしたり、悪い状況を経験させたりする人ですが、実はこの人からもたらせされた経験が自分の成長を促していた、自分を鍛えていたと思わせるような人物です。
当人自身も意識してやっているわけではないので、魂の記憶というか、生まれる前のセッティングによって、あくまで「役割」として、あなたの前に現れているという感じです。
人生、つらいことや苦しいことがあるからこそ、逆に楽しいこと、面白いこと、ワクワクすることがコントラストとして実感できるわけで、そういう意味では、喜びをあなたにもっと感じてもらうために、あえて悪役に徹していることもある(本人は無自覚です)というのが黒天使でもあります。
●灰色天使
黒天使は、その役割を自覚していませんが、この灰色天使は意識して黒天使役をやっているような人です。
と言っても、魂的とか、スピリチュアルな意味で自覚しているというのではなく、あくまで現実の人生において、その人(あなた)に成長していもらいたい、きちんと人生を歩んでもらいたいがために、厳しく接しているという頑固オヤジ的なタイプで、愛情の裏返し、「隠れた愛のある人」と言えます。
またもうひとつの灰色天使のタイプは、最初はあなたにとって白でも黒でもない状態なのですが、やがてどちらかはっきりする人や、明確に白とも言えないし、黒でもないし、という微妙でどちらでもあるという、まさにグレーゾーンなタイプも入ります。
さらには中心となる白天使や黒天使の関係者、グループ、取り巻きの人ということもあります。
●透明(無色)天使
どの色でもない無色の役の人で、あなたにとっては何の色も感じない、いわゆる通行人Aというような、背景・舞台演出上の「人間」です。
しかしながら、モノではなく、人であることに意味があります。
あなたにとって何も影響のない人でも、その他大勢ということや、「みんなが・・・」とあなたが言う時・思う時、その存在感は増すのです。
このほかに、本当の天使の存在を信じる人にとっては、天使はその人にとって実在することになります。
それは目に見えない霊的な存在とも言えますから、これまで挙げてきた実際の人間とは異なりますが、そういう存在が感じられる人、その存在にリアリティが持てる人にとっては、先述した人間天使に加えて、現実の世界にも「天使」が登場していることになります。
なお、マルセイユタロットにも3タイプの霊的な天使的存在が描写されています。
典型的な天使、妖精的な存在、悪魔的な存在です。マルセイユタロットでは羽の違いで示唆されています。
個人的には、「羽」というのも次元の異なるという意味での象徴だと考えています。
相違次元の認識(別の次元の存在をキャッチする能力)がいい加減な場合、今述べた3タイプの存在を混交(誤認)して見ている人がいると感じています。
極端なことを言えば、悪魔を天使と見てしまっている人もいるというわけですね。
それはともかく、象徴的には、私たちが接している実際の人たちが天使として表れていると見ると、至る所に天使がいるわけです。
白天使に出会うことはすばらしいですが、黒天使にも気をつけてみると、人生は面白くなりますよ。
なお、自分を中心とした場合は、天使の色での役割は決まりますが、別の人からすれば、白の人が黒になることもありますので、役割自体は流動的なものだと見ておくとよいでしょう。
もちろん、あなた自身も、誰かにとって、何らかの天使なのです。
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