家族・親子間コミュニケーションで使うタロット

人と人とのコミュニケーションは案外難しいものです。

第一にコミュニケーションには言葉が主に使われますが、言葉はいわば本質のレッテル・ラベルのようなもので、誤解を生みやすく、言外という言葉もあるように、言葉や文字以外の交流、読み取りという部分でのコミュニケーションも少なくありません。

そこが意外に重要な部分を担っていることがあります。

かといって、複雑に考えすぎるのも問題で、日本人は特に見えない部分を察することに特徴はあるものの、それがかえって言葉足らずになったり、空気を読まないといけないというような圧迫感を覚えたりすることもありますね。

ところで、直接、面と向かって話すコミュニケーションが一番伝わりやすいと思っている人もいるかもしれませんが、実は必ずしもそうではないことは、皆さんも経験されているでしょう。

好きな人の前ではうまく話せないとか、大事なことがなかなか思いきって言えないとか、恋人・夫婦・親子・家族・親友だからこそ、かえって直接は言いにくい・・・なんてことはあるものです。

そういう場合、直接ではなく、間接のコミュニケーションのほうがうまく行く時があります。

それは間に何かをはさむことで、クッションとなり、話しやすくなったり、冷静になったりできるからですね。

以前、ブログでも書いたように、夫婦間でもぬいぐるみなどを間に介して話す(ぬいぐるみを人間のようにして、自分を代弁させる)と、案外、気まずい時でも意志が伝えやすくなります。

さて、タロットもこうした、間接のコミュニケーションの道具として使うことができます。

タロットは一種の絵文字のようなものです。

絵を見て伝え合うという意味では、コミュニケーションツール(道具)のひとつです。

これはタロットの生徒さんや、タロットを学習した人の中でよく聞く話ですが、親子・夫婦間でタロットを間に入れて会話すると、普段とは違う、いろいろなことが話し合えるということがあります。

特に親子間は意外と効果的です。年齢は小学生くらいのお子さんからでも可能です。

それはタロットが先にも言いましたように、文字ではなく絵でできているからで、難しい言葉ではなく、絵を見て語るということは、小さいお子さんでもできるからです。

この場合は、親(タロットを学んだ人)がタロットリーダーになります。

そしてお子さんには純粋に絵を見てもらっての印象を話してもらいます。それを親がタロットの象徴に基づきながら、話をしていきます。

言ってみれば、とても純粋なタロットリーディングです。

中学生以上くらいになってきますと、十分タロットの意味を伝えながらの話もできますので、普通に大人の感じのタロットリーディングをしていくとよいでしょう。

最初のきっかけとして、「お母さん、タロットを習ったので、あなたにタロット占いをしてあげようか」「練習につきあって」みたいな感じからでいいと思います。

この時、二人は親子でありながら一面では親子ではなく、つまりはタロットリーダーとクライアントの関係になり、家族から離れ、客観的な関係性へと変化します。

実の親より、おじさんとかおばさんに、気軽に話せたり、相談しやすかったりするのは、こうした肉親ではない気軽さ、客観性があるからです。

その状態が、タロットを介することで、実の親子にも訪れるのです。

すると、親御さんとしては、今まで知らなかったようなことが、子供さんの口から飛び出ることを聞いたり、自分自身でも、普段はつっこまないことや、感じないことを感じたりするようなことを経験します。

お子さんのほうでも、どうしてこんなことしゃっべってしまうんだろう・・・みたいな感じで、思わず、本音や感じていること、いつもの親に対しては言わないこと(言えないこと)を話す場合があります。

それがタロットの効果なのです。

「効果」とはふたつのことを言っています。

ひとつは「間にツールを入れる」間接コミュニケーションの方法によって、非日常化的効果・客観的効果が出るということ、そしてもうひとつは、タロット(マルセイユタロット)自体の象徴効果です。

前者は、別にタロットでなくても何でもよいわけです。

しかし後者は、マルセイユタロットならではの効果があり(図形の特徴、人の元型を象徴しているデザインなどからによる効果)、マルセイユタロットでなければならないこともあります。

あと、自分たち親子でするには、まだ照れとか、抵抗がある場合でも、お子さんの問題を、一緒に習った人にリーディングしてもらうとか、仲間に読み解いてもらうとかすることで、やはりその結果を話題として、タロットによるコミュニケーションが親子でできます。

ということで、親子や家族間のコミュニケーションにも、マルセイユタロットは有効に使えることもありますよ、といった話でした。

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