自身や運命の大きな変化のためには。

マルセイユタロットの「運命の輪」を見ていますと、人間、または運命と呼ばれるものの変化についてのことが浮かんできます。

自分を大きく変えたい、運命を変えてみたいと思うことは、誰でもあるでしょう。

しかしながら、私たちは変えたいという気持ちと同時に、変えたくないという思いも抱えています。

その相反する思いに、葛藤したり、悩んだりします。

変えたくないのは、まず、よく言われるように、そのほうが楽だからです。そのままだと、エネルギー消失が少なくて済むという効率の問題もあるでしょう。

それと、やはり、どこか奥底の部分で、変えたくない、そのままのほうがよいと思っている部分(無意識的なことが多い)があるのです。

それは、おそらく、その人における、「変えないことによるメリット」があるのが理由でしょう。

ところが、世界や宇宙は、変転していく、つまり変わっていくのが「常」でもあります。

何かが生まれると、やがて死に、滅びて、また新しいものが生み出されるという大きな自然の流れ・サイクルがあり、ずっと同じ状況ということはあり得ないわけです。

人にある「変えたくない思い」にすがり、それに執着していると、自然の流れのサイクルから乖離して行き、ズレが大きくなります。

マルセイユタロットの「運命の輪」は、その名の通り、「」のようなものが描かれています。

もし「輪」が宇宙や自然のサイクルの回転を象徴していて、もうひとつ、私たち個人個人の思いの「輪」の回転も表しているとすれば、そのふたつの「輪」のズレが大きくなると、きしみの音も大きく、個々の「輪」は破壊されてしまうかもしれません。

ということは、やはり、自然の流れに沿って生きていくほうが楽だとわかります。

話を戻します。

確かに、自然の流れに沿うことはいいい感じに見えますが、大きく変化させたいという場合は、自然のサイクルを待ってはいられないこともあるでしょう。

そこで、先ほどの「輪」の例えを逆に取ります。

自然のサイクルと、自分の思いの抵抗(個人的な輪の回転)とのズレが極大化すると、個人の輪はおそらく壊れてしまい、自然の流れに合うように作り替えられるとイメージできます。

しかし、壊れるギリギリのところで抵抗を止め、自然のサイクル(輪)に準じると、溜めていたズレのパワーが解き放たれ、ものすごい回転が一時的に個人の輪に生じると考えられます。

やがては自然のサイクル・輪のほうに同調して穏やかになるでしょうが、それまでの間、猛スピードで個人的な輪が回転し、運動エネルギーのようなものに変換されると想像されます。

これが、まさに運命を変えたり、自分自身を大きく変化させたりするのではないかと思います。

これをもう少し、具体的に言うと、何かやりたいこと、望み、願望、欲求みたいなものを強く願い、それを何としてでも叶えるぞと、実際に動いたり、働きかけたりします。

それでスムースに叶う場合はそれでよいのですが、なかなか自分の思い通りに行かない時もあると思います。

何回かチャレンジしても、邪魔が入ったり、天候や何か事件のために実行できなかったり、そんなことが続くと、たいていの人は、「これはダメだ」というメッセージだと思ってしまいます。

確かに、そういう意味もあるのかもしれませんが、ここで言いたいのは(テーマとしていることは)、運命や自分自身の大きなシフト、変化です。

それでもあきらめず、もう一回くらいは頑張ってみます。

それで、ふと、チャレンジ中にあきらめます

あるいは、最後のチャレンジだと思ってやってみて、それでもうまく行かなければ、本当にスッパリとあきらめます。実現の願望を手放すということです。

言ってみれば、ギリギリまで粘って、ふいに手放すということを行うわけです。ゴムを伸ばしきってから急に放すみたいな感じです。(笑)

すると、「運命の輪」の抵抗やズレが解き放たれ、先述したように、回転に拍車がかかります。

そして、今まで経験したことのないような状況が、突如現れます。

それは、思っていた以上の状態で願いが叶うことだったり、まったく別次元での喜びや、解放・自由の状態だったりします。

これとは別に、ずっと大切にしていた、これがないとダメだと思っていたものを手放すということでも、同じことになるかと思います。

こちらのほうは、マルセイユタロットでいえば、「13」で表現され、こだわっていたものを手放した時(強い言い方をすれば破壊した時)、実は、自身への救済が訪れるという仕組みにもなっています。(マルセイユタロットに象徴されるストーリー)

逆に言うと、こだわりは、まさしく囚われでもあるわけです。

けれども、それを愛している分だけ、手放し、解放することは難しいでしょう。

それは愛というより恋であり、恋愛のピークを過ぎないと手放しにくいからです。ピークのためには、迷い・悩むくらいの経験をすることも大切です。

このあたりもマルセイユタロットのストーリーには描かれていることです。

言えることは、何かに熱中したり、首たっけ(笑)になったりすることは、こだわりの面では悪いことかもしれませんが、実は、自分の変容、運命の変化のためには、チャンスになっているということなのです。

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