波動について。
スピリチュアルな世界では、波動という概念がよく取り上げられます。
私自身はあまりしませんが、タロットをするの人の間でも話題にする言葉のひとつですね。
「周波数」という人もいれば、何か「氣」のようなものとたとえる人もいますが、現代の科学的な定義の同じ言葉とは、また違うニュアンスでスピリチュアル系統の人が言っていることは、何となくわかるでしょう。
まあ、普通の人や、厳密な観点で言えば、「波動」というのも、うさんくさい表現(笑)、科学を無視しているかのような表現、迷信みたいなものということになるのですが、ここはちょっとしたファンタジー気分で思っていただいて、あえて波動について見ていくことにましょう。
波動の定義は、スピリチュアルの世界でもまちまちだと感じますので、結局、先述したようなファンタジーとして見るしかないのですが(苦笑)、いわゆる「気分の良し悪し」みたいな感覚で見ると、なんとなくスピリチュアルの人がいう波動の世界観もわかってきます。
気分が悪くて、その結果、状態も悪くなってきているというのが悪い波動(低次の波動)で、よい気持ちになって、明るく、ワクワクした感じになると、状態も自然によい方向になるのがよい波動(高次の波動)、という考えが代表的です。
これも、常識的に見れば当たり前で、極端なことを言えば、体か心を痛めて病気になっていたら、当然仕事にも私生活にも影響が出て、順調には行かなくなりますので、自分の現実の状態も悪くなります。
そもそも気分が悪いと余裕もなくなり、「よい状況にある」なんて言えないのが当たり前です。
反対に、気分が最高によいのなら、何でもポジティブにとらえられ、いつもなら気になること、腹の立つことがあっても、「いいよ、いいよ」みたいに流すこともできるでしょう。
両思いの楽しい恋をしていたら、世の中はバラ色に見えるでしょうし、好きな人にふられたり、いじめを受けたりしていたら、死にたいと思うほど、暗い世として映るでしょう。
結局のところ、体の状況にしても、環境にしても、自分の心のあり方・状態が、自分の内と外を見る状態にリンクしてくるということで、それが機械ではない感情を持つ人間だからだと言えそうです。
ということは、あえてレベルの低い見方と言いますか、シンプルな見方をすれば、スピリチュアル系の人のいう「波動」とは、感情の浮き沈みに近いものということになります。
ただ、個人としての感情の浮き沈みだけではなく、全体レベル(普遍的・俯瞰的レベル)の浮き沈みもあると考えますと、いわゆる波動のレベル・次元という考えも出てきます。
例えば、Aさんの感情の浮き沈みレベル(波の振幅の中心点、その位置)は、Bさんのそれより、かなり上であるとするならば、Aさんの波動(波)の下(振幅の最低点)は、Bさんの波動振幅の最高点ということもありえるわけです。
これはAさんの落ち込みが、Bさんのグッドフィーリング・チョーいい気持ちと感じるものと、同じレベルであるという面白いことになります。(あくまで数値的に見た場合ですが)
ということは、波動の中心ポイントがかなり高度になっている人は、もはや、常人からは、神のような状態に見えるということでしょう。(笑)
マルセイユタロットでいえば、「手品師」レベルと「世界」レベルの違いのようなものです。
しかし、一方で、あまりに上に行きすぎると、下の波動とは接することがないという事態になってしまいます。
見える世界と見えない世界という区別をするとすれば、私たちに見えるレベルの波動があり、見えない波動レベルまで行くと、現実離れしてしまうことになります。
そこで階段のように、上り下りする波動転換が必要となるのがわかるのですが、その詳しいことはまた別の時にお話します。
話を波動と感情の関係ということに戻しますと、要は、自分の感情(気持ち)をアップさせていくこと、感情の浮き沈みの幅を少なくしていくことが重要になってくるわけで、しかもアップさせたものを持続させていく(波の荒さを少なくし、波の幅の中心点を上に持っていく)ことも大切になります。
しかし、実際には、問題や葛藤を抱えている時、何か悩み事がある時というのは、現実的な状況にも困っているわけですから、気分がよいわけはありません。つまり、感情が大きく揺らいだり、波(波動)が下のほうに向かっていたりするわけです。
これを無理矢理上げようとしても、土台、無理な話です。とても悲しい時に、心から楽しく笑えというようなものです。(笑)
ですが、スピリチュアルな世界では、気持ち・波動が現実を決めるというのですから、これまた酷でキツイお話です。
しかし、スピリチュアル世界でのお話に、あえて準拠するのなら、外側の環境を変えるより、気持ち・波動を変えるほうが先ということになります。
ただ、同じ状況で悶々とし、じっと考えて続けていても、埒があきません。「私の気分、よくなれ!」と祈ったところで、またすぐに抱えている問題によって、気分が落ち込みます。
そこで、現実的に考えられる、気分の切り替え方法を探ります。
要は、ネックとなっている問題が気分を悪くしているのですから、結局、その問題に真剣に取り組むことが、結果的に気分も変えていくことにつながります。
問題から逃げたり、放置したり、何か宝くじでも当たるかのような奇跡的なことを願ったりしていても、不安や心配、葛藤は続くものです。気分も変わりません。そして、ますます、その気分に応じた状態を、スピ系の方の言う、「引き寄せる」と表現する事態になります。
従って、とにかく何か問題解決に向けた行動を起こすことが、気持ちの変換、気分の転換には効果的です。
調べられることがあれば調べてみる、探せる方法があるのなら試してみる、相談できる場所があるなら行ってみる、苦しい状態を家族や友人・知り合いに伝えてみる、すっきりさせるために勇気をもって告白してみる、休息が必要なら休んでみる、お金が必要なら働いてみる・・・当たり前で、一歩、行動に移せることは、意外に多くあるものです。
気分の固定は、タロットの四大元素で言えば、「水」の中の「土」と関係し、それらはを解放したり、変化させたりするのには、ほかの元素の「風」や「火」が必要となります。これらが固まった感情に変化を起こします。
そうして、不安や心配で固まっていた状態から、何らかの変化を経て、波動の変化・転換が起きます。劇的な変化ではなくても、少なくとも、以前より変わっているのは確かです。
私たちは、スピリチュアルなことをいつも最重視して生きられるわけでもありませんし、感情を無視した機械のような肉体だけの塊でもありません。
たとえ波動の変化が現実を決めるとしても、実際への働きかけ(行動)が、気持ちやエネルギーに変化にもたらせます。
瞑想して気分を変えるよりも、瞑想できる状態・環境づくりへ、まずは作業することが求められる場合もあるのです。
波動変化・上昇は、時にスピリチュアルな方法よりも、現実世界の常識的なことにある(の方が効果的なことがある)のも、何とも皮肉な話なのですが、だからこそ、本当にスピリチュアル(奥底にspiritが息づいていること)に気づくこともできるのです。
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