一枚引きの活用あれこれ
タロットの展開法、スプレッドでもっとも少ない枚数のものは、一枚引きというものになります。
実は、タロットを引かないエアータロット、エアータロットリーディング(笑)というのもないわけではないですが、これはタロットの図像を、完全に一枚一枚イメージできるくらいになっていないと難しい技です。
ということで、実際にカードを引くという意味では、当たり前ですが、一枚引きが、枚数的には、もっともシンプルな展開法となります。
しかし、だからこそ、実は一番解釈が難しいものと言えるのです。
それは情報(量)がたった一枚しかなく、そこにすべての象徴性を見出さないといけなくなるからです。
これに、正逆のポジションの意味の違い(解釈の取り方の違い)を設定として入れると、ポジション別という新たな情報が加わりますので、まだ読みやすくなります。
ただし、以前の記事ではありませんが、展開法のルール設定として、ポジションの正逆を最重視するのか、引かれたカードの象徴性を優先するのかの違いをはっきりしておかないと、かえって解釈が難しくなります。
いずれにしろ、一枚引きというのは、それくらい、特に何かの判断をつける意味では、難易度が高い展開法なのです。
ただ、もちろんよいところや、易しく解釈できる点もあります。
まず、タロットの初心者においては、カードとなじむ、カードと遊ぶ、仲良くなるという過程では、最初に大いにやってもらいたい技法でもあります。
また自分(の心理や見えない意識)を投影して解釈する第一歩(入り口)としても、複数のカードを出すより、一枚をシンプルに引いたほうが、鏡として見やすいことも確かです。
さらにオラクル・託宣、自分への強いメッセージとして、一枚引きを行う方法もあります。
実際のリーディング場面においても、本格的で複数の枚数が出る展開法とは別に、最初か最後、クライアントへのメッセージ・託宣として、一枚カードを引いてもらうことで、勇気や決断の後押しになることもあります。
人はあれこれ、複雑に色々と言われるよりも、単純にただ一言、「こうです」と言われたり、あるいは「これ」といった画像・シンボルをひとつ見せられたりしたほうが、しっくり来ることがよくあるものです。
この点は、タロットリーディングの進め方としても、あまりにたくさんのことをクライアントに言い過ぎ(カードを読みすぎ)て、かえって混乱させたり、「結局、私何をするんだったっけ? 「いろいろ言われたけど、どの選択をすればいいのか、かえってわからなくなった・・・」みたいにならないよう、言い過ぎ、解釈のし過ぎには注意することと関係します。
託宣、メッセージ的に一枚引きを行う時は、解釈もシンプルにし、そのカードのキーワードのような言葉(意味)を言ったり、受け入れたりすればよいです。いわば、記号(一言)的な読みで十分です。(いろいろな意味を言い過ぎると、かえって託宣としては機能しません)
それと、これは自信のない時や、不安があるような時に、皆様におすすめしますが、守護(護符・タリズマン)カードのような形として、一枚引きをし、そのカードが、自分の夢や望みを実現させるために後押ししてくれる、勇気を持たせてくれる、エネルギーを送ってくれると見て、いつも目に着くところに置いたり、実際に持ち歩いたりしてもよいでしょう。
「護符カード」として活用する場合は、リーディング時に使用するカードとは別にしたほうがよく(持ち運ぶ場合、カードを一枚抜きますから、セット枚数が足りなくなることと、リーディングとは違う扱いとしてタロットカードを使用するため)、さらに、吉凶カード的な解釈をいつもカードにしている人は、凶カード的なものは、もちろんその人の護符にはなりません。
ですからカードをフラットに見ることができる場合において、一枚引きをしての護符になりえます。
どうしてもカードに吉凶的なイメージがついている人は、自分が吉だと思うカードを選択して護符カードにするか、吉として思うカード群を選び、「今の自分に必要なカード、守ってくれるカード」という意識でもってカードを一枚引きし、その出たカードを護符として持つという方法がベターでしょう。
もちろん、フラットに見ることができる人でも、カードを引かずに、一番よいと思われる(目的に沿った)カードを自分で選んで、護符にするということは可能です。
ただ、実際にシャッフルして引いたほうが、偶然性からの必然性が生まれますので、その神秘性からの心理的効果は高いでしょうね。(それだけ特別な意味を、引いた人に持つ)
当たり前ですが、どの技法においても、まずはタロットへの信頼がないとできないことです。
ですから、一枚引きをして、自分に関係することが出ていると読める、感じる過程を経ていくことも重要で、それによってタロットとの関係と信頼関係が結ばれ、たった一枚でも強い印象と効果を残すことができるようになるのです。
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