「力」のカードがあなたを変える。
今日、浮かんだ来たマルセイユタロットのカードは、「力」でした。
女性がライオンをうまく扱い、従えているように見えるカードです。
タロットは象徴なので、色々な意味がカードの絵柄から出てきますが、今回、この「力」のカードを通して伝えたいのは、皆さんの中に眠る可能性や、まさしく“力”のことです。
この「力」の女性は、実は普通の人間ではないとも考えられるのですが、一方、すべてのカードは、私たち自身を象徴していますので、やはり、皆さんの「人間」としての「ある側面」を表していると言えます。
いや、むしろ、これはマルセイユタロットの秘儀的なことになりますが、私たちが、カードに象徴されている「ある事柄」に気づくと、完全性に至るという意味でもあり、それは通常では気づいていないだけで、それがわかれば、今の自身を超越したものになるという教えが隠されています。
ということは、私にもあなたにも、「力」で象徴される「何か」があるのです。
「力」のカードの名前はフランス語ではフォルスであり、英語ではフォースとなります。「パワー」ではないことに留意する必要があります。
近年、新シリーズが公開され、最近また話題になっている「スターウォーズ」というSF映画においても、「フォース」という言葉が出てきます。
スターウォーズでは、魔法のような力を持つ闇側の勢力(有名なキャラクターではダースベーダーがいます)と、光側の騎士団勢力(ジェダイの騎士)の対立と抗争が物語の核を占めています。
そのふたつの勢力が使う魔法的な力が、「フォース」と呼ばれているものです。
映画では、ジェダイの騎士たちは、「May the Force be with you」(フォースとともにあらんことを)という祝辞・祝言のような言葉で戦場に送り出していました。
ちなみに英語の慣用句では、このフォースの部分は「神(GOD)」であり、つまりは、「神とともにあらんことを」というものから来ていると聞いたことがあります。
そうすると、このフォースが神性由来の神的な力であるとも解釈できます。(マルセイユタロットでは「神の家」との関係で見ることができます、
もっとも使い方次第では「悪魔」のカードにもなるかもしれません)
スターウォーズでの「フォース」は、ライトセーバー(光剣)さえ操ることができ、相手に物理的な支配力として作用させることもできます。ジェダイの総長であった「ヨーダ」は、かつての主人公ルークが乗ってきた戦闘機さえ、フォースと想念を使えば、沼から浮上させることができたほどです。
ちなみに、このスターウォーズは、象徴的には、かなり(西洋)魔法や密儀・秘儀的な力の話、あるいは宇宙的争いの元型を、スペースオペラのような映画として表現したものであると感じます。
さて、そのフォースが、私たちの内にあることを、「力」のカードは告げているのです。
フォースが何であるのか、ここでは詳しく推測したり、仮説をあげたりしませんが、とにかく、私たちの中に普段は眠っている、ある種の目に見えない力だと思えばよいでしょう。
よく言われるように、私たちは、ほんの一部しか人間としての能力を使っておらず、その潜在能力は、おそるべきものがあると考えられています。
通常、訓練や修行などして、限界を突破すると、そうした超人的な能力が出るとされています。
おそらく、これは、私たちが、その眠っている能力さえ自由に使ってしまうと、その力は実は生命維持のオートマチックな機能としての部分とも関係していて、下手に使うと、命や存在自体の危機にもなるおそれがあり、通常はアクセスできない(使えない)ようになっているのでしょう。
修行のうちに鍛えられ、少々のことでは大丈夫となっていくことで、少しずつ、眠れる力の覚醒と、使える量、そこにアクセスする権限が、表面意識(自我の意識)に移譲されていくものと考えられます。
ただフォースは、スターウォーズでも表現されていたように、かなり想念に影響されると見てよく、意識の力とでも言うべきところがあります。
すごく低いレベル(の例え)にはなりますが、結局、それはシンプルに言えば、自分自身をどう思うかによって変わる力と述べてもよいかもしれません。
私たちは、普段からいろいろな制限を受けたり、教育されたり、時にはお叱りも受けたりして、自分を小さく見がちです。
さらには、個人として、表現される能力、外見、得た物理的結果などで、常に比較される対象でもあり、何かと人と比べさせられ(そう自分が意識せざるをえない環境)、自己卑下に陥ったり、自分の価値を自ら貶めたり、あるいは外から貶められたりしています。
従って、よほど自由な人か、馬鹿者か、わがままで尊大な人かでない限り、普通は、皆、何かしら自分を小さく見ているところがあるものです。
それが謙虚さというのではなく、本当に、人間としての力と可能性を閉じこめてしまっているのだとしたら、もっと自分を開き、自分の価値を正当に評価することで、眠れるフォースの一部でも、解放させることができるのではと、「力」を見て思うわけです。
一言でいえば、「あなたはもっと大きく、価値ある存在」だということです。
現実的には、できない、無理だと思うことは少なくありません。
それでも、最初からそう思うのではなく、本来何事もできる可能性を持っているけれども、たまたま思いや条件に制限をつけているため、不可能だと信じさせられている(思い込んでいる)と、心で思い直してもよいのではないでしょうか。
もともと、「自分はできる存在だ」「私にはその力がある」と思って取り組むのと、「自分は何もできない」「自分には力がない」と思ってやるのとでは、きっと、最初から達成力に違いが出てくるものだと想像できます。
※親から、「あなたはやればできる子」とよく言われていた人は、逆にこの言葉が、実際場面で何かできなかった時に、ブロックとして発動する場合があるので、注意が必要です。誰かの言葉ではなく、自分自身で自らの眠れる力を確信していくことが大事です。
あなたの自我意識が認識できていない、もっとすごい力、内なる可能性が、あなたにはあるのです。
それはあなたが自分にはない、できない、ダメだとしている(そう信じ、決めている)から見えない(発現しない)だけで、そこ(自分)にあるのです。
「力」のカードのように、見えないエネルギーをライオンとして実体化、視覚化することで、その力も実感し、それをコントロールすることにもつながります。
自分の力、フォースを信じた時、それは現れるのです。
面白いことに、マルセイユタロットでは、「力」は「11」の数を持ち、その前の「10」のカードは、「運命の輪」です。
つまり、運命を超えるのが、「力」のカードというわけです。
人は運命さえ超えられる力があるのだと信じてみましょう。きっとあなたの人生は変わってきます。
コメントを残す