タロットの学び、扱いの硬軟
タロット、こと私の扱っているマルセイユタロットになりますと、様々な階層と解釈にふれ、気づきや覚醒、情報の拡大、蓄積、深化、整理など、真理の追求や「学び」という方向が主となってきます。
まあ、言ってみれば、マジメで少しお堅い方向でもあるわけです。
しかし、それは一面ではそう見えるかもですが、結局、自己の解放、大いなるものへの回帰、統合ベクトルでもあるので、実は楽になったり、遊びの部分がたくさん出てきたりもするのです。
内容はまじめでも、気分は楽になってくるという表現が適切でしょうか。
そして、何事もバランスが大切で、お堅いお勉強方法ばかりでは息苦しくなったり、アイデアも乏しくなったりします。
そこで、タロットを学ぶ過程でも、息抜きのようなタロットの接し方、言い換えれば「遊び」としてタロットと接する時間と機会を持つことをお勧めいたします。言わば、柔らかい勉強法みたいなものです。(笑)
例えば、タロットはもともと一般にはゲーム道具として使われてきた歴史がありますから(占いツールになるのは、実は結構新しい時代のことだと言われています)、そのまんま、タロットでゲームに興じるという手があります。
フランスなどでは、普通に、タロットと言えば私たちが思うトランプのようなもので、カードゲームとして遊ぶこともあるようです。実際、タロットのゲームが種々あることは、検索すればすぐわかります。
ちょっと複雑な(枚数の多い)トランプだと思えばいいでしょう。
タロットのゲームルールを知らなくても、トランプと(伝統的な普通の)タロットの構造とは同じですから、知っているトランプゲームをタロットに代用すれば使えます。(数カードが数札、騎士を除いた宮廷カードが絵札となり、トランプの4つのスートはそのままタロットの4組になります、ジョーカーはタロットの「愚者」として扱えます)
それから、「占い」をたくさんやってみるのも面白いところがあります。
これは真剣な占いのタロットではなく、ラフな遊びでのタロット占いをするということになります。それだけ気軽で、出た結果も重たく受け止めることがなくなります。
何かのスポーツの結果や順位を占ってみてもいいですし、皆が楽しめる話題(芸能ネタなど)や、恋の話、ワクワクする未来像など占ってもいいでしょう。結果が、そのあとすぐわかるものをやってみるのもアリです。
これは一人でするより、多くの人と一緒にやるほうが面白く、楽しいです。
それと、占いで使いやすい展開法(スプレッド)を採用するのも(占いで楽しむ)コツです。心理的な内容まで解読する展開法や、解決策まで出してしまうやり方は、シンプルな占いには向きません。
それから時々講義でも余興的にやっていますが、何のカードが出るか当てる(当たるまでやってみる)というゲームも、意外に熱中してしまいます。(笑)
そしてこれも入門コースなどでやることがありますが、グループで、一人ずつカードを引いて、その印象から何か話や人物を作り、次の人が自分の引いたカートを参考にして、前者の話題を引き継いでストーリーをつなげていくという連作をしてみると、とんでもない物語ができあがったり、見事につじつまの合う物語ができたりして、作劇も学べます。(リーディング技術向上にもつながります)
また、単純にシャッフルして出たカードをネタにして、何か強制的に話をしなくてはならないというルールでやるのも面白いかもしれません。
これは、よく会社や組織で、朝などに何かしゃべらされる課題を与えられる時、タロットを思い浮かべるだけで話が作りやすくなるという、「しゃべり」や「お話し」の訓練にもなります。
さらに、遊びとは違うのですが、タロットに親しむ方法のひとつとして、普通のタロットの扱いや解釈とは違い、護符や願望実現のイメージ(シンボル)として、カードを使うという方法もあります。
例えば、ある一枚を自分の守り神(護符)的なものとして常に携帯しておくとか、ある願いの実現において、タロットカードをシンボルとして、見えるところに掲げておくというようなことです。
カードの意味から選んでも、好きなカードということで選んでも、またシャッフルして偶然性からかえって神秘性を強めて選んでも、何でもよいかと思います。
ここで重要なのは、カードへの信頼性と、何かの力がカード(の図柄)に宿るというリアルな感覚になります。単なる絵という感じでは、効果は少ないです。
カバラーの生命の木を知っている人は、各セフィラー(セフィロト)の部分にカードを当てはめて、願望実現を目指すというやり方もあるでしょう。(パスにカードを当てはめる方が一般的かもしれませんが、これもカバラーを主とするか、タロットをメインとするかによって違ってくるもので、どちらでもよいかと思います)
タロットとマジメに向き合うばかりが、いいわけではありません。息抜きや、普段とは違った方法・スタイル・意識でもって、タロットと接することで、また新たなものが生まれ、自らの拡大と統合もなされていくのです。
要するに緊張と弛緩というプロセスを経て、より一層の成長がなされるという、宇宙の仕組みと同じなのです。
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