今年のテーマでカードを引く場合

新年になって、タロットを持っている方は、今年のテーマとか、今年はどうなる?みたいな感じで、タロットを引く(展開する)ことがあると思います。

新年のタロット引きについては、いろいろな方法を使うことができるのですが、もっともシンプルな方法は、(大アルカナ)一枚だけカードを引くという「一枚引き」です。

一枚引きは、たった一枚にすべてが象徴されているという、実は高度な読みが必要なのですが、逆に、一枚の意味として、簡単(単純)に読むこともできるという不思議な方法なのです。

つまり、初心者ほどシンプルに読め、上級者ほど、複雑に見てわかりづらくなるという代物です。(笑) 

ですが、さらに極めていくと、知識と直感が融合した、明らかなメッセージの形として、強烈に伝わってくる情報があるのが瞬時にわかってきます。

と言っても、一枚では、やはり抽象的過ぎて漠然としたものになりがちです。

しかし、タロット(マルセイユタロット)はよくできており、一枚の抽象性を具体化する、言い換えれば、より現実の情報に変化させるためのカード群があります。

それが、小アルカナです。

小アルカナを使うことで、わかりづらかった大アルカナの一枚引きに、具体性を補強することができるのです。

さて、ここで、カード以外にも重要な要素があることを述べておきましょう。

それは質問(の形態)です。

タロットを引く時、どう質問するかによって、出たカードの読み方も変わるのです。

このことは意外に知られていませんが、タロットリーディングの初級・中級レベルにおいては極めて重要なことなのです。

ただし、それを超えたレベルになってきますと、質問は逆に意味をなさなくなり、究極的には、タロットへの質問はいらなくなります。引いたカードが、すなわち象徴ですので、反対に、展開されたカードから質問を絞っていくようになるのです。

さて、その質問ですが、簡単に、質問によって違いが出る例を示しましょう。

新年に切り替わった今の時期なら、最初にも述べたように、今年(一年)をテーマにしたことをタロットで見てみたい、引いてみたいと思うでしょう。

それで、質問を、

1.「今年どうなりますか?」

とした場合と、

2.「今年はどのようにすればよいか?」

というものとでは、最初からカードの見方・読み方が違ってくるのがわかると思います。

1の質問ですと、「カードの象徴や意味のようになる(予想される)一年」という感じで、いわゆる運命的な占いの見方になります。

これとは異なり、2の質問だと、「カードで象徴される行動を起こしていく、目標として設定する、取り組んでいく」というような読み方になります。

つまり、1では受動的であり、2は能動的になるということです。言わば、外部に従う運命論的なものと、自らが創造していくものとの違いの目線とも言えます。

例えば「運命の輪」というカードが出たとすれば、

「今年は運がいい年だ」「縁が巡ってきますね」「クルクル回るがごとく忙しい年でしょうね」と読むのが1に対応した読み方ですが、「チャンスをつかむ」「時間を無駄にせず有効活用する」「自分が輪を回すがごとく、行動を開始する」「縁づくり、交流に励む」「続けてきたことを完結させる(一回りさせる)」などとして、2への答えとして読むことができます。

もちろん、どちらが正しいというものではありません。両方ともタロットの読み方であり、象徴としてとらえられるものです。

ただし、マルセイユタロットに伝えられている奥義的な教義の見地に立てば、1の読みは、自らをある次元に閉じこめるものとなり、実は長い目で見ると危険なものと言えます。

反面、実は1的な質問と読み方は人間の欲求に即したものでもあり、楽しく感じられたり、魅力があったり、リアリティをもったりして、その虜になるのです。

結局、タロットも使い方によって、毒にも薬にもなります。ですが、やっかいなことに、ある人にとっての毒は、ある人には薬のように思え、その逆もあるのです。

とは言え、少なくとも、タロットへの質問を工夫するだけでも、多角的なものの見方ができ、ひとつところに囚われない自分を構築していくきっかけとなるでしょう。

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