「吊るし」、そして人とのつながり
12月になり、いわば激動の今年も最後の月となりました。
とにかく災害が多かった印象がありますし、個人的にも、前にも書きましたが、内面的に特に大変な年と言えました。
日本だけではなく、世界、いや宇宙全体としても、何か大きな流れや転換に入ったことが、これまでより、多くの人に実感されてきているのではないでしょうか。
相談を受ける人の内容にも、一見、現実的な内容ではありますが、結局のところ、自分をどう生きるか、自分らしくとは何か、自分を表現する喜びを出すことができるかのようなことであり、つまるところ、宇宙や魂と共鳴、調和できる本当の自分の姿を求めているような気がいたします。
また、そうした学びや気づきが起こるように、その人にふさわしい事件も起きてくるように感じられます。
とかく、こうした内外ともに動揺が大きい時、当然、人の心もいろいろと乱れ、情報も錯綜し、よいものもあれば、洗脳に近い、自分を乱すものもありで、複雑な状況を呈します。
というより、そのように自分の中で感じられてくると言ったほうがいいでしょうか。
つまりは、中(内)が落ち着かなくなると、外も騒がしくなるようなことで、その逆もしかりです。
今、本当に宇宙規模で、大きな転換を迎えようとしているのなら、個人としても連動して、転換期になってくるのは当然と言えるのですが、だからこそ、逆に、慌てず騒がすという姿勢も大切になってくると思います。
というのも、このところ、(人や状況に対して)タロットを引くと(あるいは相談者当人が引くと)、マルセイユタロットでいう「吊るし」、あるいは「斎王」「隠者」のようなカードが出ることが多いからなのです。
これらのカードは、「吊るし」が一番顕著ですが、じたばたせず、様子見している象徴が描かれているカード(たち)です。見守る感じが強いのです。
もし、さらに「月」のカードが出た場合、引いた人の感情的・情緒的な動揺も感じられるので、逆に「月」のカードが、「落ち着け」と言っているとも考えられます。
要は、今は(年末のあわただしさがありますし)、騒がしくとも、内面をしっかり落ち着かせよう、客観的に見ていこうというメッセージなのです。
「吊るし」は、逆さま状態で正立という特殊なカードなので、ただ様子見しているだけではなく、逆転の発想や、今までとは違う観点で見てみるということが勧められるカードです。
無理矢理、(気持ちが落ち着かない、バタついている、動きたいという衝動などを)抑圧しようとしていると、それはガスのようにたまり、これまでの容器では閉じ込めておくことができなくなり(それゆえ、容器を拡大させるための変容を促す試練が始まることもあります)、爆発を起こしてしまいます。
具体的には、混乱がますます激しくなったり、人に悪い意味で踊らされて、たくさんのお金と時間(エネルギー)を無駄にしたり、本心ではない言葉とか態度で、誰かを傷つけてしまったり、反対に自分自身を傷つける行動に出たりします。
ですから、いくら静かに落ち着くほうがよいと言っても、適度な行動、情報の入手、遊びなどはやっておいたほうがいいですし、どうしても動きたい、やりたいと思ったことはやってみて、それがガス抜きになったり、実際に体験することで、現実に自分にとって無駄なのかそうでないのか、確認することもできますので、場合によりけりなのです。
ただ、心が不安定な時は、単独判断というのは危険を伴ったり、ブレていたりすることが多いので、できれば、ほかの人に相談したり、何かする時でも、友人や知人と一緒にやってみたりするというのがよいでしょう。
つまりは、思い込みやバイアスが、自分にかかり過ぎている嫌いがあるので、直感とかハートの感じとか言っても、クリアーではないものを拾っている(感度やセンサーが乱れているため)恐れもあるわけです。あせっている時につかまされるものは、たいていよくないものです。
まずは、静かに落ち着ける環境や状況に自分がなることが重要です。(場合によっては、成果や結果を出すことよりも、先に治療や浄化、癒しが必要)
また、思い込み過ぎるというのは、ひとつしか答えがないとか、これしか方法がないとなっている状態で、体と精神が固くなっていることでもあります。
カードの「吊るし」の人物は、ああ見えて、とてもリラックスしており、むしろ宙に浮くほど軽い状態なのです。見ようによっては、曲芸しているようにも思え、それだけの柔軟性を持っているわけです。
ということで、まじめにやろうとし過ぎず、時には遊んでしまうこと(心を柔らかくする、考えすぎる思考をはずしてしまう)、体が硬ければ、ほぐしてもらうようなことをしてみるなど、柔軟になるよう、体と心、両面で行うとよい場合があります。
人によっては、心を落ち着かせるのに、瞑想がふさわしい人もいますが、逆に、瞑想が向かない人とか、瞑想すると妄想が出過ぎて、余計ややこしくなる人もいますので、リラックスできて、なるべく普段の行き詰まった思考とは別の状態になる環境や作業をあえて選択する(行う)ことで、行動による瞑想の効果と似たような状態を作り出すことが可能になります。
自分がどういう状態で、どうすればよいかは、こういう時、タロットは役に立つものです。もし、タロット仲間がいれば、仲間がリーダーの立場になって、自分がカードを引くと、より客観性が出て、それこそ、「吊るし」として自分を観察することができやすくなります。
グループを作っていると(最近はSNSで簡単にネットを利用したグループが作成できます)、例えば、「こういうカードが出たけど、みんなはどう思う?」とすぐ聞くことができ、レスも早いものが期待できますので便利でしょう。タロットリーディングの勉強にもなりますよね。
最近は、私は受講生ともLINEを通して、そうした簡単な質問に、ちょっとした「吊るし」的見方を提供しようとしています。
タロットを一人でもんもんとやっていても、楽しくないですので、ブログを書いてみるのもよし、SNSをやってみるのもよし、仲間でお茶会するのもよしで、結局、人とのつながり、同じような志や気持ちを持つ者同士でつながっていくと、タロットをはじめ、今後の人生でも、楽しく、生きやすくなるのではないかと思います。
私はこれを趣縁ということで、かつて推奨していたことがありますが、これからの激動時代、ますます必要な気がしています。
「吊るし」は絵では一人で、まるで孤独のようですが、実は柱(その他)に秘密があり、それは彼とつながる人たちをも暗示することになっているのです。霊的には太陽の国とも表現されるところ(に向かう人たち)と関係していると言えましょう。
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