タロットとイメージ力
タロットは絵でできているカードなので、イメージと深く関係してきます。
タロットはこのブログでも書いてきているように、様々な使い方があり、その多くの中のひとつが、イメージ力をあげるためのトレーニングツールとして活用できることです。
しかも、ほとんど意識しなくても、タロットを使い自己や他人をリーディングしていくようになると、自然にイメージの力は上がっていく仕組みになっているように思います。
その理由は簡単です。
タロットを読むということは、実際の相談ごとの情景を思い浮かべて、それがタロットの絵として共通しているものがあるか、関係性があるかどうかを、イメージとタロットとの絵柄とで検索するようなことをしているからです。
つまりは、イメージを意識的に使うことが、一連のリーディング作業に課せられているのです。
もちろん、カードがなくても、人はいつもシーンや光景を思い浮かべることはしていると思いますが、タロットリーディング自体が、特にイメージを喚起するような流れになっているので、イメージする力が高まるわけです。
また、最初は何も思い浮かばないという人でも、カードの絵柄、特にマルセイユタロットは、あえて芸術性や刺激のあるような絵にしていないことで、むしろ人間誰しもが持っている意識の元型のような形を描ているので、不思議とイメージが段々としやすくなってくるのです。
ところが、このイメージの力というものは、実は創造の力とも結びついており、特定のカードで言えば、「女帝」や「力」、さらには「13」や「悪魔」などとも関係してきます。
言ってみれば、現実化する前の元のエネルギーのようなニュアンスがあります。
「引き寄せの法則」「思考は現実化する」などの本、あるいは説などで知られているように、人の想念・思い、つまりは想像力は、日本語として音が同じの「創造」につながり、いわば“想像した通りの創造”が行われると考えられています。(これには、条件や制約がついて回るとは言えますが)
ということは、必ずしも、いいことばかりが創造されるわけではなく、まさにイメージしたことが起こる(あるいは、起こる源泉になると考える)というのなら、ネガティブなことも生じるおそれもあるわけです。
タロットリーディングの際、例えば、さきほど挙げました「女帝」カードの問題性として、創造の過剰さというものがあります。
これは創造にための想像が、悪い意味で過剰(ネガティブイメージのし過ぎ)になっていると言う事態を示します。
女帝(の象徴性において)は本来、創造的な性質を持ち、まだ現実にないものをイメージの世界でクリエイトすることができます。
しかし、これがよいことの想像だったのならいいのてすが、いわゆる取り越し苦労のような、まだ起こってもないことを先々に心配してしまい、その不安で自分を悪くさせている場合があります。
しかも、ネガティブなイメージや思いは、もともと強い力を持つことが多い(この理由は後述します)うえに、タロットを使うような人になってきますと、最初にも述べたように、イメージ力が向上してきますから、人によってはネガティブイメージのクリエイト力が上がってしまい、現実にまでそれを引き起こすケースがあります。
簡単に言えば、ネガティブ想像の現実化です。
ですから、イメージ力が上がることは、いいことばかりではないのです。(何事もよい面と悪い面のセットにはなっています)
さきほど、「人によっては」と書いたように、イメージ力が上がっても、ネガティブの創造性が増す人と、ポジティブの創造性が強くなる人など、個人によって異なってきます。
一般的に、自立性が少ない人、他人の影響を被りやすい人は、イメージ力が向上しても、ネガティブさや、人の想念など、他人の影響によって自分のイメージが作られることが多いため、その力の影響力が、かえってマイナスに作用することがあります。
また、人類の集合的意識のようなものに、かなりのネガティブさが溜まっていると想像されるため、今の地球の人類は、どうしてもネガティブに流されたり、その力に飲まれたりして、本来ポジと等しいネガであるものが、幻想的(仮想現実的)に、ネガが上回るような世界になっているところがあり、そういうことからも、イメージ力の増強がネガティブ想像(創造)強化につながる場合があるわけです。
そして、霊的な向上など、スピリチュアルな成長・発展を遂げたいという思いの人が、イメージ力を上げていくと、イメージ空間とも呼べる、ある種の次元との接触が強くなってきて、自分の未浄化の部分(データ)を掘り起こすことが起き、次々と障壁・障害のようなものが実際に出てくることがあります。
長い目で見れば、それはよいことでもあると言えるのですが、障害が出る現実となると、苦労や大変さもあるのは事実です。
というようなことで、タロットとイメージの力は密接に結びついてはいるものの、その使い方には気をつけるところも必要で、結局、自分の体・心・魂を調和させていくことをしないと、せっかくのイメージの力も乱用させたり、自己を破滅させたりすることになりかねないわけです。
ですが、もちろんよいこともたくさんあり、イメージだからこそ、自由に世界を創造することが可能で、現実で押し込められた自分、必要のないルールで縛られた自分の世界を解放させることができます。
またつかみとごろのなかったものを、絵や像として、とらえることができるようになります。
これらは現実をコントロールすることと、大きく関係してきます。
「人はイメージできないことは実際にもできない」と言われますから、逆に言いますと、イメージの力が強まることは、生きるうえでのパワーやフォースを得ることと等しくなるのです。
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