タロットリーディングスタイルの多様化
タロットを学習して、他の人にタロットで貢献しようとなると、やはり第一には、タロットリーディングを提供するということがあげられるでしょう。
タロットに興味を持つと、タロットリーダーになる人も少なくありませんが、最初からタロットリーダーになりたいと思っている人と、そうでもなかったのに、いつの間にかやるようになったとか、タロットに親しんでいるうちに、リーディングを人にしたくなったというタイプの人があるようです。
タロットは一般的には占いのツールとして人々には思われているので、他人に占う、他人リーディングする、つまりは他者向けに使うツールだと認識されていることが多いようです。
しかし、個人的な意見になりますが、私自身は、タロットは本来、自分に使うものであると考えており、私のやっている講座も、基礎的なものは、自分向けにタロットを活用することが中心です。(他者向けのタロットリーディング講座もありますが)
まずは、自分向けにタロットと向き合ってみて、それからでもタロットリーダーになるかを決めるのでも遅くはないと思っています。
そして、他者向けにタロットリーディングを提供したいと決意された場合は、そのための知識と経験を重ね、トレーニングをしていく必要があるでしょう。
また、別に基礎的な段階でも、自分で研鑽と工夫を重ねて、タロットリーダーとしてデビュー、活躍していくことも可能だと思います。(ただ遠回りだったり、壁に当たった時にアドバイスしてくれたりする人がいないという問題も出てきますが)
さて、他者向けにしていくタロットリーディングですが、時代とともに、そのスタイルも変わりつつあります。
一般の皆さんがイメージするような古い昭和タイプと言いますか、昔の「タロット占い」というイメージ、例えば占いの館などのお店に所属したり、自分でお店を出したりして、何かヴェールのようなものをかぶり、アラビア風な衣装で水晶を前にしてカードを並べて占うみたいなものがあるかもしれません。(笑)
自己アピールとして目立たせるために、今でもわざとそういうことをしている人はいるかもしれませんが、普通は、もうこんな格好やスタイルではやっていないでしょう。
お店の側でも、おどろおどろしい感じとか、不思議チックな演出は、あまりされないようになっていると思います。怪しくなく、それでいて、秘密を語れるような、そんな場所を意図して作っているように感じます。
また、お店に出て占い師になるというタイプよりも、個人の自宅やセッションルームを持って、そこでカウンセリング・ヒーリング的にタロットを使うという人が、特に平成以降は増えてきたように思います。
ここに個人起業とかママ起業とか流行ったこともありますので、それに乗って、タロットだけではなく、ほかの技術・ツールを使い、対面相談セッション、ヒーリングなど開業する方も増加しました。
要するに、タロットを使っての相談スタイルも多様になったということです。
そして、令和になり、今度は面談の形も変わってきています。顕著なのはオンライン化です。
昔も、直接会わないリーディング・鑑定方法はありました。例えば、メール鑑定とか、さらに古くは手紙で書いて送るみたいなものもありました。占い界では、電話鑑定というのは今でも普通によくありますよね。
やがて少しずつ、ネットを使ったオンラインのリーディングも出現してきましたが、それでもチャット的な感じで行うとかで、あまりオンライン上での顔見せしてまでのものは少なかったように思います。
ところが、コロナ問題を契機に、いや実はそれ以前からすでに移行しはじめていたのですが、Zoomを中心とした使いやすいネットテレビ通信アプリが広く使われるようになったことで、飛躍的にオンライン面談の形は一般化しつつあります。
このことで、ますます、タロットリーディングスタイルの選択の幅が拡大しました。自分がタロットリーダー・タロット占い師としてやる方法が、昔よりかなり選択肢が増えたわけです。
しかも支払いの方法も、一昔前は直接現金のやり取りか振込くらいでしたが、今はキャッシュレスの時代が進んでおり、カード以外にもいろいろな方法が導入・選択できます。
おそらく、時代とともに、あらゆる面で、ますます多様な選択ができるようになっていくでしょう。
当然ながら、行う側だけではなく、受ける側も様々な方法を選べることになります。
となりますと、考えられるのは、自分好みのスタイルが取りやすくなること、タロットリーダー側で言えば、例えば直接の対面でしか、かつては提供できなかったものが、オンラインなど、別の方法でも可能になったわけですから、自分の鑑定ルームがない、セッション部屋がない、借りないといけない・・・と悩んでいた人も、一気にその問題は解決するどころか、必要経費も減ることになります。
たぶん、リーダーとしてデビューすることでは、お店に出ないといけないとか、ルームを借りないといけないとか、自宅をそれように準備しないといけないとかの物理的な意味(理由)に付随して、気持ち的なもの、心理的な面倒さ、抵抗感が大きかった人がいると思います。
それが、今ならネットさえできれば、いきなり自分の部屋からでもサービスを提供することが可能になったわけです。部屋が狭いとか、あまりルームを他人にお見せできないと思っていても、Zoomだとバーチャル背景が使えますし、画面共有も可能ですから、そういった問題もほとんど解決します。
ということで、物理的環境の変化で、実は心理的抵抗感が減り、今後は(今もですが)他者向けのタロットリーディングとか、タロット占いは、とてもやりやすい環境・時代になってきているのです。タロットさえ読めれば、今日でも明日にでも、デビューは可能です。(笑)
他人に対してタロットリーディングを行いたい人は、このチャンスを活かすとよいと思います。
スタイルが前より自由に選べることにより、たとえ話下手、人と対するのが苦手であっても、機器やツールを使えば何とかなりますし、自分の得意な提供の仕方がわかると思います。
自分にとって苦痛なやり方は、タロットリーディングの質さえも落とす場合があります。(タロットを読む技術と、その他の環境的要因による影響はまた別なところがあるからです)
もちろん、昔ながらの、直接対面式のほうが自分は得意で、力が発揮できるといタイプの人もいらっしゃるでしょう。やがてコロナも収まる時が来るでしょうから、その時は、リアル対面の要望が一段と高まることがあるかもしれません。
オンラインが普通になれば、じっくりと対面して話を聞いてくれる、人の温かみのある直接対面式は、それはそれで、かえって貴重になる可能性を持つからです。
私は生徒さんに対して、今はオンラインで勉強会を開いていますが、数カ月前にこの勉強会で、オンラインリーディングの方法を解説し、学んでもらったことがありました。
これにより、オンラインリーディングに目覚め、実践されることで、直接の対面式よりも前向きにリーディング活動ができるようになった人もいます。
また、従来からの対面式にプラスして、オンライン形式を導入された方もおり、それでリーディングスタイルのメニューを増やせたわけです。
これからは、いろいろな方法・スタイルにチャレンジして、受ける側に選択の幅と自由性を感じてもらうのもよいことかと思います。
反面、提供する側も、メニューを増やすというやり方だけではなく、自分がやりやすく、得意な方法、リーディングをやっていて楽しくなる方法にこだわって行うのもありでしょう。
つまり、お客様だけではなく、提供する側にも選択する権利があると言いますか、自由がある時代になっていくと思われるのです。
タロットリーディングを行うことが、副業的にも、趣味的にも、ますます融通が利くようになるでしょう。
もちろん、タロットがある程度読めないと(特に営業・仕事としては)話にはなりませんが、こと、提供スタイルに関しては、これからは、「こうでなければならない」という定番のものはなくなり、自分の個性・工夫によって、スタイル・やり方を自由に選択できるようになり、結局、自分がやりやすい方法で行っていけばよいことになると思います。(お客様のニーズとか時代性も考慮する必要性はありますが)
マルセイユタロットで言えば、「節制」(節約という意味ではなく、融通無碍の意味のほう)と「手品師」(仕事や、やり方の多様性)みたいな印象です。
あと、マルセイユタロットは直感だけではなく、むしろ論理的に読むことがてきるカードですので、だからこそ普遍的に、どのスタイルになってもリーディングを提供しやすいというところがあります。読みのルールのようなものがありますから、環境に左右されにくいということです。
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