恋人カードから見る迷いの解決

これは前にも書いたことがあると思うのですが、特に選択で迷っている時、あるいは悩んでいて、なかなか答えが見つからない時のアドバイスとして、「恋人」カードからのヒントが役立ちます。

ただし、あくまで、マルセイユタロットの「恋人」の絵柄からの話になります。

「恋人」カードは、その名の通り、恋愛模様を描いているように見えるカードですが、もっと奥深い意味があると考えられます。恋愛はあくまで、奥の部分を説明するための導入のように思えます。

それはともかくとして、単純に絵柄を見ますと、人間は三人いて、真ん中の男性が、両端のふたりの女性のどちらかを選ぼうとしているように見えます。女性側からしますと、真ん中の男性を取り合っているようにも感じられます。

とりあえず、男性、女性、どちらにしても選ぶ(選ばれる)ことに関わっているわけです。

ということで、選択の象徴性をこのカードから考えることができるわけですが、この三人を人物だけではなく、物事の選択肢として見ると、最初に述べた、迷っている時の示唆になってくるのです。

まず、どちらかを選ばなければならない迷いというものがあります。二者択一、AかBか、というケースです。

こういう場合は、結局、どちらかの優劣とか、違いを考えて、選ぶしかありません。

「恋人」カードの絵柄で言いますと、真ん中の男性が、どちらかの女性を選ぶことと同様です。その女性の選び方は、ふたりの違いを見て、その違いによる基準を思うわけです。

人間の場合は難しいかもしれませんが、これを物事だとしますと、、要するに、損得のお金とか、時間とかの現実的・効率的な基準と、好き嫌いとか、癒し・落ち着きとか、感情的・精神的な基準とに大別されると思います。

単純に言えば、心かモノかみたいな話です。このふたつの間で迷っていることもあれば、どちらか(モノか心)の領域内で、さらにふたつの間(あるいは複数以上)で迷っている場合があります。

ところで、この「恋人」の男性は、必ずしも、どちらかを選ばなければならないというわけではないのかもしれません。

もしどちらも選ぶことができるのなら、その道も意外にアリだと言えます。案外、選択で迷っている場合は、選択肢を全部選んでみるということで解決が図られる場合があります。

見落としがちですが、時期や時間をずらせば、どれも手に入れる、選択することは可能になるケースがあります。

しかしながら、やはりそれは無理だから悩むということがあるわけです。

もう一度、絵柄を見てみましょう。三人の人物たちは、同じフィールド(高さ・立ち位置)にいます。

つまり、同じ高さ・立ち位置からの目線では選択肢に違いは見えても、それは結局のところ、同レベルだということです。

まさに、「あちらが立てばこちらが立たず」というのも、同じ立ち位置だから(同じレベルの違いしか見ていないから)こそ、そうなってしまうのです。

同じレベルである限り、同レベル内での違いでの選択をするしか方法がないわけです。

そして、「恋人」カードの絵柄には、もうひとつ特徴があります。

それは上空に天使とも見える「キューピッド」がいることです。正確にはキューピッドと天使は異なる存在ですが、「天使」と書く方が楽なので、以降、「天使」と書きます。(笑)

この天使目線からすると、迷っている人間たちの選択はどれも同じに見えるのかもしれません。

天使はをつがえています。

天使から見て、どれも同じならば、矢が当たった方を選択してみよう!というゲーム性もあり得ます。天使からしたら、「どの道、おんなじなんだから、どれが(どの人に)当たってもよいでしょ♪」みたいな感じです。(笑)

このことを踏まえますと、以下のような方法が人間側では出てきます。

A.直感とかタイミングとかで、好きなように選ぶ

B.選ばれたほうを選ぶ、というより、従う

C.どちらも選ばないという選択もあり

D.迷いに迷って、究極まで悩み続ける

Aは、いい意味で観念する(諦観的)方法で、迷っても仕方ないので(天使目線からすればどれでも同じなので)、現実的条件等で選ぶことよりも、気持ちとかタイミングとかで、「これだ」「来たぞ、これ」「なんとなく今回はこっち」みたいな感覚で選べばよいというものです

もちろん、その結果、現実的な意味での失敗もあるかもしれませんが、それも見越してのことです。(天使目線からは成功も失敗もない)

Bは、Aと似ていますが、違うのは、自分で選ぶというより、自然に任す、放置したり、様子見していたりすることで、流れで決まっていくというものです。

いつの間にか、迷っていたもうひとつの選択肢は消えていた、条件的にも選べなくなっていた・・・みたいなことで、自然にひとつに決まってくる、答えが出るような感じになります。

そしてCは、実際的・現実の条件的な観点からしてもアリな方法ですが、意外に最初から抜け落ちている選択肢で、「選ばない」というのも立派な選択であるということです。迷うというのは、ひとつには、今は決めなくてよいから、決める必要がないからという理由もあるのです。

無理に決めよう、答えを出そうとするのを、あえて葛藤や膠着状態を生み出して、あせりに気づかせようとしている場合もあるわけです。

ですから、最初に立ち戻り、「なぜ今選ばないといけないのか? 」「なぜ答えを今出さねばならないのか?」と思い直してみれば、迷いのループから逃れることもあり得ます。

それでも、迷い悩むことはあります。

ならば、とことん悩むとよいのです。それがDの方法です。あれもこれも、ああでもない、こうでもない、いったいどうすれば・・・と悩み続けると、精神的にも体力的にも憔悴、疲弊するでしょう。それ(悩みごと)しか頭に思い浮かばなくなってしまうかもしれません。

そうする中で、いつか限界点・臨界点がやってきます。

そなると、「もー、どうでもいい」とか、「なるようになる」とか、はたまた、突如、まったく新しい境地とか視点が目覚めてくることがあります。

ショートしたあと、スパークして、どんでもない回路が開かれるようなものです。

こうなると、天使の目線、天使の立場に自分がシフトしたようなものです。

あなたは自分で矢を放つことができ、その当たる方向も、放つ前からわかっているようなもので、その選択の無意味さ(本質的にはどれも同じという意味)と同時に、直感ではなく直観に至って、選択できる喜びというものを実感するでしょう。

そう、悩める喜び、選べる楽しみというものが天使目線ではわかってくるのです。

そういうものがなかったとしても、疲れ切って(笑)、結局、シンプルに選んでしまうことになり、とにかくお悩みモードからは解放されることになります。

ということで、悩みを続けて行くことも、行きつく先にはよいこともあります。

ただし、やはり考え過ぎ、悩み過ぎは危険な場合もあるので、その場合は、「恋人」のカードの絵柄のもうひとつの示唆とも言える「他人に相談(三人は話し合っているようにも見えます)する」のがよいです。

先日書いた客観性の導入であり、そのほうが迷いのループからの現実的意味での脱出は早いと言えましょう。

ということで、今日は「恋人」カードの絵柄から、選択の迷いでの解決法についてお話しました。

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