タロットによる願望実現法のタイプ

人には欲求や願望というものがありますので、それをかなえたいと思うのまた人情でしょう。

マルセイユタロットにおいても、考え方(解釈の違い)にはよりますが、欲求がパワーとなることが描かれています。例えば、「悪魔」のカードなどは典型的で、また意外に思うかもしれませんが、「運命の輪」なども関係します。(あくまで私の考えになりますが)

心理的によく言われるように、欲求や願望をひどく抑圧していると、いずれ何らかの形で問題となって現れる場合があります。身体症状とか人間関係での問題行動とか、情緒不安定とか出るわけですね。

人により、自分の内に向かうか、対人関係とか行動とかの外に出るかの違いはありますが。

ですから、欲求も出していったり、かなえていったりすることは、心身調整のうえでも悪くはないことだと言えます。

問題は、爆発的に一気にやってしまうなどの程度の問題と、まったく周囲の迷惑、あるいは自分のバランスを考えずに、かなえようとしてしまうことにあると言えます。

つまりは大きな影響がないように、小出しにとか、段階的にかなえて(出して)行けばいいわけです。

さて、今日言いたいことは、実はほかにあります。

欲求ということを述べてきましたが、今日は似たようなことで、テーマとしてはタロットによる願望実現ということになります。

以前も何度か取り扱っているテーマです。

タロットによる願望実現は可能か?ということは、タロットに関心のある人にとっては、比較的興味が高いものかもしれません。

個人的には、結論として言えば、それは可能であり、また必ずしもそうとは言えないというような、逃げみたいな回答(笑)にしておきます。

本日は、可能か不可能かについてを審議するのではなく、タロットによる願望実現のやり方がテーマです。

ところで、世の中には、様々な願望実現法が語られています。

私も以前、願望実現に関心があった時があり(今は、ある理由により、ほとんどないです(苦笑))、いろいろと調べたり、実践したりしていました。

そして、どうやら大きく分けて、ふたつの願望実現法のタイプがあることに気づきました。(タイプ分けには、そもそもの型としての要素・考え方がたくさんあるのて、必ずしもふたつに分けられるわけではありませんが)

ひとつは、願望を目標として設定し、そのための方法やプロセスを具体的・細分化してかなえていくというもの。

そしてもうひとつは、願望を目標として設定することは同じでも、あとは自然に任す感じで放置しておくタイプのものです。

あえてこのふたつをスピリチュアル的な言い方で分けるとすると、前者が現実的・地上的・人間的方法で、後者が理想的・天上的・複合的方法と例えられるでしょうか。

前者はよく言えば、人間の力が中心で、人間の行動性・実行性を力とし、現実的に外に向かって働きかけるという感じです。何よりも自分自身の力による改革、変化が基本となります。目標に向かっての強烈な意思とか、成功(達成)イメージも必要となる場合があります。

後者は、人間の力ももちろん当然として思いながらも、無理矢理・強引にかなえていくのではなく、むしろ、人間の意思の弱さや限界も認めたうえで、他者(人間以外も含む)や別の要因にも応援してもらいながらかなえていくとタイプになるでしょう。

まず、前者のやり方や特徴について説明します。

そもそも人間・現実の世界は、分離、つまり別々のモノや個別の世界とも言えますので、要素別に細分化したほうが、具体的で何をすればよいのか、逆に何をしなくてよいのかがわかりやすくなります。

何か夢や目標(願望)があっても、ただ漠然と「こうなればいいなあ」と思っていたところで、現実はほとんど変わりません。願望だけあっても、そのままでは、何をどうしていいのかわからず、取っ掛かりとしての行動もできません。

そこで、実現のための具体性・細分化を要素別にしていくわけです。

すると、願望実現に向けてやるべきことが明確になり、行動も起こしやすくなって、実現に近づくことになります。コーチングなどではこういった手法はよく取られます。

人間、怠惰なもので(笑)、夢を見たり、考えたりすることはよくしても、それを実際に行動に向けていく人は少ないものです。

それには、本気でかなえようという気がないこともありますが、やるべきことがわからない、だから面倒であるということが多く、逆に言えば、具体的でやるべきことがはっきりしていて、それが無理のないステップを踏み、しかも実現に向かって確実に進んでいることがわかれば、人は行動を継続していくことができます。

そのためには目標を立てるだけではなく、目標を現実(地上)に下ろすためのマップピングルートのようなものが必要なのです。

スピリチュアル的に言うと、次元降下させる道を明確に意識する(意識だけではなく実際に書いたり、作業したりする)ということです。

これは、マルセイユタロットで言いますと、大アルカナから小アルカナに次元をシフトさせることであるので、詳しくは言いませんが、大アルカナと小アルカナを併用していくことで可能になります。また、絵柄自体に具体性を持つ大アルカナだけでもできない技ではありません。

次に、もうひとつ(後者)の方法です。

こちらは、むしろ具体化の逆で、目標をロックオンしたら、あとは自動操縦に任せるみたいな方法となります。

やるべきことは、目標のロックオンくらいで、その後は、むしろ意識から願望や目標をはずすくらいにし、何となく、心のうちに目標はあっても、日々、意のままに(求める心のままに)目の前のことに集中して過ごして行く感じです。

あとは天に任すという表現が近いかもしれません。

そして、たとえ実現しなくても、それは自分にとって必要な実現であった(言い方は妙ですが)、つまりは不必要なものであったと取ります。また、想像していたものと違う形のもので実現したとか、そういう場合も、この方法では起こり得ます。

この方法で大事なのは、最初の目標設定にあると言えます。その願望や目標が、本当に自分にとってほしいものか、必要であるものか、また、たとえかなったとして、それ(達成したことによる状況)が逆に自分を束縛したり、維持するために今より自由を奪ったりすることにならないかということを考える必要があります。

どこか違和感やその願望を達成することに抵抗感があり、素直に目標としてロックオンできない場合は、いわば潜在意識のようなところに入り込まず(拒否され)、目標が設定されていないので、当然かなうことも難しいわけです。

強い願望である必要はないのですが、素直に心からそれがかなうと喜べる、祝福できるというものでないと厳しいかもしれません。

まあ、自己の内なる意識も本当に望んているもの、言い方は変ですが、望みが穏やかなものであるのなら、普段忘れていても、いつも心の奥底にはある願望みたいなものになりますから、自然に任せていても、なにがしかのことで、それに近いこと(望みに向かうこと)を自らの内、あるいはあなたをサポートする様々な存在たちが整えてくれるというわけです。

マルセイユタロットでこれを行う場合は、大アルカナ中心の普通のリーディングを行いつつ、その鍵となるカードをシンボルとして、自分の心のうちに置いておく感じになるでしょう。

普通にリーディングするというのは、願望に対するブロックや抵抗などを調整し、スムースに願望を違和感なく思える(ロックオン設定できる)ようにするためです。

簡単に言えば、「そう思っていいんだ」とか「そうなっていいんだ」と自らに許可が出せるよう、タロットリーディングでサポートするということです。

どちらのタイプの方法がよいのかは、まさに自分の志向(嗜好でもあります)、好ましいほうの選択になります。また、目標が願望の種類によっても変わって来ることがあります。

それと、万人に確実で絶対の成功法則とか、具体的な願望実現法はないと思っておいたほうがよいです。

それはこの現実世界が、皆違う個性をもって生きている世界だからです。誰かがうまく行った方法が、必ずしもあなたによいわけでもはなく、その逆も当然あります。

ということで、自分でいろいろと試してみて、自分や状況に応じた方法を選択(あるいは複合したり、創造したり)することをお勧めします。

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