見えている自分と見えていない自分
タロット占いやタロットリーディングの原理について知りたいと思う人もいるでしょう。
私も理由なくして実践するのに違和感を持つタイプですので、自分がやっているタロットというもの、そしてそれでリーディングすることの仕組み、原理の理由を探ろうしてきました。
やってみるとわかりますが、こじつけや偶然レベルではない出方をタロットカードは見せるのです。まさに神秘と言いますか、絶妙な出方と言いますか、そういう感じを何度も経験するのです。
タロットをリーディングする際、タロット占いでもそうですが、たいてい、カードは裏向きのままにシャッフルして、表(絵柄のあるほう)かわからないまま、カードを任意にピックアップします。
当然ながら、シャッフルしている時は、どのカードなのかわからないままですし、選んだカードも表に返すまでは、それぞれの絵柄を見ることはできません。
しかし、ある時、もしかすると、カードが(自分は)見えているのではないかと思う時がありました。自分だけではなく、他人に対してもです。
この「見えている」というのは、透視能力とか直感でわかるというものではなくて、何か別の自分の存在というものがあり、その者はカードが表だろうが裏だろうが、何のカードかがわかっているという意味合いです。
実は、占星術やタロット研究でもおなじみの松村潔氏も、似たようなことを著書で書かれています。
松村氏によれば、エーテル体の自分がカードを選んでいるのだということのようです。いわば、わかったうえでカードを選んでいるわけです。
ちなみに神秘学とか、スピリチュアル分野では、人間は肉体だけの存在ではないとされ、いくつかの複層した見えないエネルギー体も含めて構成されていると言われます。
そのひとつがエーテル体と呼ばれるものです。(ただし、こういうエネルギー体の概念やとらえ方は諸説あって、同じ言葉でも違う意味になっていることも注意が必要です)
私がタロット講座の履修者用に発行しているメルマガにも、今回、この見えない体で選ばれたカードに対して、普通意識の自分がそのカードを見て解釈することの問題性と言いますか、解離性について、その松村氏の説を引用しながら書いたのですが、結局、カードが本当は自分が見えていて引いている説(笑)を取りますと、タロット占いやタロットリーディングが当たる原理というものの説明になる気がします。
まあ、これでも、遠隔でカードを引いている場合とか、自分ではなく他人がカードを引いた場合はどうなのか?という、いろいろな疑問もあるにはありますが、なぜ質問や状況に適切なカードとか、びったりと思えるカードが出るのかという問いの答えのひとつにはなるかもしれません。
しかし、これは松村氏も述べていることですが、必ずしも、(シャッフルされている時の裏向きの)カードが見えている自分が、見えていない自分の希望通りのカードを引くとは限らないということもあります。
希望通りというだけではなく、見えていない自分(通常意識、現実認識の自分)の論理では納得できないカードも選ばれる場合もあるのです。
これが当たらない理由であったり、出たタロットカードが、具体的には読みにくい(大アルカナの場合)ケースになっていたりする可能性があります。
タロットカードをどう読むのかというのは、つまるところ、タロットリーダーの主観によるところが大きいのですが、このように、そもそも選ばれた(引かれた)カード自体、自分の通常意識のうえでは矛盾したものになっていることもありますので、一人だけで読んでいると、大変解釈が難しいことがあるのです。自己リーディングの困難さと言い換えてもよいでしょう。
また他者リーディングにおいても、やはり、いろいろな解釈を現実とすり合わせながら、出たカードを両者で相談・協議しつつ解いていくのがよいかと思います。
自分だけ(自己リーディング)の場合は、無理してカードを現実的・具体的意味に解釈したり、当てはめたりしようとしないことも大事です。
なぜなら、カードの意味がすぐにわからないということは、別の自分(精神的・霊的な自分)と自我意識を持つ今の通常の自分との間に分離した状態を、ひとつの自己として統合するための作業にも、実は自己(セルフ)リーディングがなっているからなのです。
無理矢理、大人の自分が幼い子供を言い聞かせるようなことでは、統合しにくいのです。
タロットは現実意識を超え、矛盾した世界のように見える次元を受け入れるツールでもあります。
その意味では、現実的なレベルや自我(エゴ)的な意味での幸福とか利益を手に入れるためにタロットリーディングをしていると、結局、タロットを特定の(通常意識的)世界(のルール)に押し込め、吉凶判断の機械的な道具にしてしまうおそれが出てくると思います。
やがてタロットの反乱に遭い、タロットを引いたとしても、そのアドバイスが愚者的な大波乱(トランプでいうところのジョーカー的な演出)を巻き起こすことになるかもしれないので、気をつけましょう。(笑)
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