タロットの使い方
一枚引きのある技法
タロットの活用法は、ここでもいろいろと述べています。
タロットの使い方は、自分に使うか、他人に使うかで、まず分けていくことができます。
それから、目的にもよります。占いで使うか、セラピーに使うか、問題解決に使うか、自己啓発、自己認識や成長に使うかなどです。(これもタロットの構成そのものによって、実は分けていくことができます)
そのような様々な使い分けがあるのですが、今日はその中でも、技法としてはもっともシンプルと言える、一枚引きによって自分を観察する方法について、書きます。
一枚引きというのは、タロットをシャッフルして、一枚だけカードを引くというやり方(展開法)です。なお、基本的に正逆はとらないほうがよく、一枚そのものを象徴として見ます。
その名の通り、一枚だけカードを引くので、一番少ない枚数の展開法になります。それだけに情報量が少ないので、これをもとにしたリーディング、特に問題解決的な読みをするには難しいものとなります。
反面、シンプルゆえに、自分に当てはめたり、心理的・環境的投影・反映として見たりするには適しています。
この一枚引きを、ある時間的スパンを決めて実行していきます。
具体的には、一日単位、週単位、月単位、年単位というのが(時間的スパン・間隔)として挙げられるでしょう。
一日単位の場合は、毎日引くことになりますし、それぞれ週一、月一、年一みたいな形で引くわけです。
この時、使うタロットのパートは、大アルカナだけのほうがよいでしょう。ここで述べている「タロット」とは、マルセイユタロットのことを指しますから、ほかの種類のタロットの場合は、小アルカナを入れたほうが効果的なこともあります。
マルセイユタロットでは、特に小アルカナの数カードの絵柄が記号的なものになっており、そこから何かを事柄をイメージしたり、当てはめたりするのは少し難しいこともあるので、絵が具体的になっている大アルカナを使うほうがこの場合はよいのです。
それで、引いたタロットをどう解釈するかです。
時間的スパンを年単位からすべて活用する場合は、大きな時間スパンのものを自分における大テーマとし、次第に時間スパンが細かくなるにつれ、そのテーマが細分化(具体化)されると考えます。
例えば、年が「星」、今月は「運命の輪」、今週は「女帝」、今日は「手品師」が出たとすると、月(何月とかのその該当月)については、「星」と「運命の輪」を併せて考え(「星」にするには「運命の輪」を動かす、あるいは動く)、週については、それに「女帝」(計画やアイデアを週ごとに決めて行く)が加わり、さらに今日となれば、「手品師」も追加していく(例えば仕事の面でそれを実行する)となり、ちょうど、大アルカナから小アルカナへと移行するような感じで、具体性を持っていくように読みます。
ただし、これでは一枚引きなのに、結局、四枚引き(笑)みたいになってしまいますので、シンプルさを追求したい場合は、それぞれのスパンを切り離して、別々に読んでもOKですし、他の時間スパンは引かず、ただ毎日引いていくというパターンのほうがよいかもしれません。
毎日引くやり方の場合は、統計的な手法も使い、そのひと月が終わる時に集計し、どんなカードが一番出たのかとか、逆に出なかったカードを確認する、女性のカードが多いとか、一人の人物のカードがよく出たとか、上の立場を示すような感じのものが目立つとか、傾向を読み解きます。
不思議なもので、同じカードがその月はよく出たり、ある一定の期間が過ぎると出なくなったりします。
こうして傾向を見れば、自分の心の動きと環境がシンクロして、カードに出ていることがわかり、いろいろと整理できます。
このようなやり方を取る一枚引きでは、カードの意味を読もうとしたり、なんとかカードを解釈しようとやっきになったりするのではなく、カードが自分に問いかけているというように、タロット側から自分へ向けてのベクトルで見つめることが重要になります。
自分からカードへのベクトル(方向性)が強すぎると、単なるリーディングや占いの練習になって、飽きてしまいます。また同じパターンしか読めないので、あまり技術的な進歩もありません。
それよりも、カードが何かを語り掛けていると見て、その問いに答えよう、応えようとしたほうが面白いですし、結局、自己分析にもつながりやすいです。
と言っても、この方法でも、飽きてきたり、同じような質問しか浮かばなかったりすることもあり得ますから、そういう時は、カードの絵柄を細かく見て、メインの人物だけではないところからの問いかけを想像するなどしていくと、同じカードからでも別の見方や質問が出てきます。
また、直感や感覚も大切にして、およそカードの普通の意味とは異なる内容が浮かんできたとしても、それを受け入れます。つまりは、自分の感じていることをカードに託して、もう一度、自分が捉えなおす(自覚する)ことが重要なのです。
私はあの人に対して怒っていたんだとか、ああ、あの行為はあれに忖度していたなとか、意外にあれは楽しかったかも・・・みたいな、抑圧したり、取り繕ったりしていた気持ちが、カードを見ることで表出することがあるわけです。
人間、押し込めた心は、やがて溜まって爆発することがありますし、自分の気持ちに嘘をついたり、気が付かなかったりしていくと、結局、他人や世間の情報に流される人生とか、自己否定から不幸な状況を招き寄せる結果となりがちです。
いわば、心のクリーニングと言いますか、発散や自覚をして、そこからの自己尊重につなげていくのです。
マルセイユタロット、特に大アルカナは、人の心の元型(皆が思うパターン)を象徴すると言われます。
ですから、特に22枚の大アルカナのカードを引くことで、自分の意識や心の何かが現れたり、投影させたりすることができ、まさに、心の鏡として扱うことが可能です。
毎日、気持ちや心は変わっていきますし、毒のような、ネガティブなものもあれば、明るく楽しい気分のものもあります。その感情に気づくことで、ネガティブなものは浄化され、ポジティブなものは強化、あるいはバランス化されます。
一年、これを続ければ、相当あなたは自分の心の扱いの達人になっているのではないでしょうか。それはまるで、荒ぶるライオンをコントロールする「力」の女性のような存在です。
毎日できなくても、先述したように週単位とかでも、やってみる価値はあると思います。
話は戻りますが、年、月、週、日の、四つの柱ごとに一枚引きをすることで、毎日複数のカードの連繋を見ることになります。もちろん、同じカードが出る場合もありますので、その時は、さらにそのカード(におけるテーマ)が強調されていると見てよいかもしれません。
カードたちを関連させていく、ひとつのコツとして、カードの(絵柄)中にカードを入れていくような読み方があります。
さきほどの例でいえば、年テーマが「星」、月テーマが「運命の輪」、週テーマが「女帝」、日テーマが「手品師」なので、「星」の壺に「運命の輪」と「女帝」を入れて、流してできてくる泉のもとに「手品師」がいて、その「手品師」の机に水があふれている・・・というようなイメージを持てば、なんとなくでも、複数のカードのつながりを読むことができるでしょう。
もちろん、カードの細かな図形象徴の関連において、その知識がある人は、はっきりとした具体的テなーマを読むことも可能です。(これはきちんと学習しないとできません)
ともかくも、カードは、まさに、扱いによってはあなたの分身となるのです。
言ってみれば、万能ツールともいえるものですから、うまく活用しましょう。
自分の力とタロットの力の関係性
タロットカードと自分との関係は、一定ではありません。
これはちょうど、人間関係と同じようなもので、基本的な関係性(役割、立場等)は同じであっても、その質や深度(進度でもあります)が変わってくるのです。
そして、自分がレベルアップすれば、タロットの力も増すことになります。まるで鏡のようなものです。
つまり、使う側の能力、意識によって、タロットのパワー(フォースといったほうがいいかもしれません)も変化していくわけです。
このことは、タロットとの関係性が深まれば深まるほど、あるいは長くなればなるほど、実感してくることでしょう。
そのような、個人とタロットとの関係性による変化もあるのですが、実はまだタロットの力が変化する要因がほかにもあります。
それをいくつか挙げることができますが、その中のひとつとして、時代性というものを指摘しておきます。
不思議なもので、時代の特徴が、タロット(へ)の認識を変えると言いますか、タロットの力を引き出したり、弱めたりすることもあるのだと思っています。
例えば、通俗的な意味での「オカルト」(本当の「オカルト」の意味は別にあります)ブームのような時は、タロットにも神秘性が与えられて、特に昔は(今もですが)占い的な力があると目されていたことがあります。
そして、実際に、占いでタロットを使うと、未来を予見したり、相手のことがわかったりして、つまりは当たることがよくあるような感じになるのです。
それは、心理的に言えば、タロットに不思議な力があると多くの人が信じ込むことで、当たるという現象(錯覚や思い込みのこともあります)を引き起こしやすくなるからだと推測されます。
メルヘン的に言えば、タロットさんが「自分を信じてくれているなら、あなた(みんな)の望む方向に、力を発揮してやろう」としてくれたのだと言ってもよいかもしれません。(笑)
言わば、時代の雰囲気によって、タロットも変わるということです。
そして、平成から令和になり、2020年という年を迎えている今日、おそらく、精神世界などに関心のある人には、時代が大きく変わってきているのを実感しているでしょう。
あくまで私の見解ではありますが、それは、統合に向けて、まず個の独立、確立が高まるということです。
SNSや、Youtube、TikTokなど動画も含めても、自己発信・自己表現が簡単にできる時代になっており、皆が手軽に自分の世界を出しています。
もはや、昭和の頃のような、旧メディア、テレビ・新聞などの画一的な、ある意味、洗脳的とも言える情報発信は古く、通用しなくなっており、個性(それぞれの自分)を無視したものは、信用さえ失ってきています。
統合と言えば、「ひとつになる」というようなイメージを持ちがちですが、誰もが金太郎アメ的な同じになる意味ではなく、まずは個を認めて、そのうえで、全体として統合していく(個を消すわけではありません)のが、霊的な流れではないかと考えられます。
ですから、今の時代の様相は、実は正しく進んでいるように思います。(間違ったところもあるかもしれませんが)
個を活かす、確立するということは、自分を認めるということにつながりますから、巨大な支配的な何かに自分をささげて生きるような時代は終わりを告げ、一人一人が自分を受け入れ、認め、発信していくようになるのは普通だと思います。
ただ、人に認めてもらえることのために、自己発信をしていくと、結局他人に力を明け渡すことになりますから(他人や外の世界の許可が必要だということになります)、自己の確立とは真逆の方向になります。
自分が好きなことをただ行う、自分がやりたいことをやって発信する、見てもらう、考えてもらう、楽しんでもらう・・・まずは、こういうスタイルでいいのだと思います。
さて、話をタロットに戻します。
このような、統合に向けての個の確立が進む時代になってきていますので、タロットも時代の影響によって変化するとすれば、そうした自己表現、自己の確立に向けた流れに寄与していく力が増すことになります。
すると、タロットリーディングしていても、これまでは全体や社会の力を借りないとできなかったこと、または、社会規範・常識・ルールみたいなものに則って自分を表現せざるを得なかった者が、自分ひとりでとか、少ない人数の同好グループとか、今までの常識に囚われないやり方で、自分を確立していく可能性が、これまで以上に、タロットから読むことができるようになると考えられます。
端的に言えば、不可能性が可能性に変化するということであり、タロットの読み方のレベルと言いますか、許可できる範囲が広くなる(普通では無理とか、不可能と思っていたことに、「できる」という許可を見出すことができる)のではないかと推察します。
タロットでは、大アルカナの場合は、22枚のカードがあり、マルセイユタロット的に見れば、「愚者」と「世界」を除けば、ある種、カードの受け持つ所定の範囲とかレベル、限界性みたいなものがあるわけです。
それぞれのカードの担当範囲とでもいうべきものは、時代によって変化し、これからの時代、かつてのカードのレベルを超えた力、読み方が登場し、それが日常性をもってくる(担当範囲として定着してくる)のではないかと想像されます。
しかし、最初にも述べたように、個人とタロットとの関係性もありますから、自分が成長し、もっと軽やかに、可動範囲を広くしていくことができてくればの話にもなります。
自分で自分を束縛していれば、その分、タロットも締め付けられ、自由に力を発揮することができなくなります。
一言で言えば、どれだけ自分を信じられるかによって、すべてが変わると言ってもよいかもしれません。それはタロットでさえもそうなのです。
もちろん、すぐに自分を信じる、つまり自信を持つことができない場合もあります。人間ですから、落ち込み、悩み、自分を卑下してしまうことも現実の人生では少なくありません。
しかし、そんな自分に悩みつつも、少しずつでも自分を認め、自信が持てるようになってくれば、取り戻したあなたの力が、タロットのみならず、あらゆる面で、力を昔より、出していけるようになるでしょう。
自分を認めるには、その前段階として、自分を癒す必要もあります。癒されていない部分を無理矢理、強くしようとしても苦しいばかりです。癒しながら、自分を回復し、そしてまた落ち込めば、さらに癒し・・・を繰り返してもいいと思いますし、それが普通でしょう。
強くなろうとするのではなく、自分に素直に向き合っていくと、自然に強さに導かれるようなものです。
タロットはあなたの鏡にもなりますから、タロットに力を感じられるようになれば、あなたにも力が蘇ってきている証拠になります。
タロットによる夢や願望の実現
皆さんは、タロットで夢がかなえられると思いますか?
私からの答えは、イエスとも言えますし、ノーだとも言えます。(笑)
ただ、世の中にいろいろな願望実現法、夢をかなえる方法が披露されていますが、やはりタロットを使った方法もあると述べてもいいでしょう。
少なくとも、何もしないよりかは、確実に実現に向かって進展します。これは自分の例からしても、断言できます。
まず、タロットは、絵のカードであり、視覚効果が非常に高いです。
しかも、その絵柄は、特にマルセイユタロットの場合、ある特別な幾何学的計算と配置によって描かれており、特殊な力が働くと見てよいものです。
なおかつ、絵の細部まで意味が込められており、一枚一枚の絵柄は無目的に描写されているのではなく、見る者、解釈する者に何らかの力が宿るように配慮されています。
よって、タロットの絵(つまりはカードそのもの)と自分の夢をリンクさせていくと、自然に視覚を通して夢が自分の中に入ってくるようになり(夢の再認識であり、無意識に入ることでもあります)、日々雑然として、忘却してしまいがちな願望・夢に向かって、ほとんど意識せずに進むことができます。
それには、カードの象徴性や意味を、知識で理解するだけではなく、感情や体験として味わっておくことも必要です。
なぜなら、臨場感がカードを見るだけで違ってくるからで、その感覚こそが、夢の実現にも関係するためです。
あと、これは西洋魔法的な技術になりまずか、タロットの瞑想をすることで、ある別の次元とつながり、自分の理想的な選択を見せてくれたり、時間を超越して可能な未来を引き寄せたりします。
これは、心理的には、自分の中の願望を画像のように心に投影させて焼き付け、さきほど述べた臨場感、あるいは現実感を増して、実現を阻むブロックをはずしたり、未来を明るくイメージさせたりしているものと考えられますが、サイキック的にはまた別の意味があると想像されます。
言ってみれば、あえて、メルヘン的な言い方をしますいが、タロットの精霊が願望実現の手助けをしてくれるようなものです。
自分には無理だと思っていても、タロットの精霊は、時空や次元の間を行き来きする力を持ち、実は潜在的に可能で、輝かしい未来像、今の限界を突破したあなたというものを見せてくれるわけです。
人間は想像ができないと、「創造」ができません。つまりはイメージしたこと、思ったことが実現の元になるわけです。このことは、「女帝」と「皇帝」のセットでも示唆されます。
逆に言うと、思えないこと、想像できないことは、叶うことはほとんどありません。(例外はあります)
タロットの精霊は、あなたが思いもしなかった、想像であり、創造の世界を見せてくることがあるのです。それによって、新たな世界の、実現への扉が開かれることもあります。
しかしながら、現実時空に生きる私たちは、ただ思うだけでは、実現が難しいのも事実です。
ふわっとした夢想的なもの、なんとなくいいなあという淡い思い・・・などは、イメージしても泡のように消えてしまうわけです。
もしかすると、そうしたものも、別の次元では実現しているのかもしれません。いや、すでに、イメージの世界においては現れたので、実現はしているのです。
ところが、この現実空間に現れるのには、それだけでは足りないことになります。現実にするためには、次元を下降(移動)させ、物質化していく必要があります。
そういうと、かえってわからなくなりますが、要するに、願望や夢にリアリティを得るため段階が必要です。リアリティは現実感です。厳密な客観的な「現実」とはまた別ですが、現実感(リアリティ)は感覚なので、本人の思い・感じ方が重要となります。
ですから、リアリティを得るためには、個人差があるわけですが、そうは言っても、あまりに一般的に現実離れしていては、リアリティを持つことは困難です。
結局、「現実」と言う言葉があるように、夢や願望が現実化できる具体策とか、実際の方法、過程などが、やはり普通の人では大切になってくるのです。
これは「法皇」の説く、ステップのようなものです。
自分が夢に上がっていくというより、夢を自分の現実フィールドに降ろしていくと言い換えてもよいでしょう。
そのためにも、まずは最初に、イメージと創造がなくてはならず、それが単なる妄想、たわいもない夢想に終わらないよう、タロットの絵や精霊による自分への同化のような作業がいります。(タロットを使う場合)
そのあとは、実はタロットにも、現実に降ろす段階が描かれていますが、かと言って、タロット任せにしていても、実現するわけではありません。(自然に任せていて実現する人もいます、これはタイプにもよります)
やはり、その段階を、実際に現実の中で行動していくことが重要です。それは、自分の中で、夢が次第にステップを刻みながら、あるいは、情報を拡大しながら、リアリティを持ってくることだと言えます。
本来はこうした努力が必要ではありますが、とにかく、簡単な方法で効果があるとすれば、やはり、自分の夢や願望を、一枚のタロットカードで象徴させ、その絵を毎日見て、叶ったこと(叶いつつあること)をイメージしていくことですね。
私は、昔、「愚者」の絵を見て、「愚者」の袋にタロット道具を入れて、自分が移動しながら(出向いて)タロットを人に教えていくイメージをしていましたが、それは叶っています。
いいですか。タロットを単なる絵と見てはいけません。そこに命が宿っているかのように見ることです。つまり、自分の姿を、生き生きと、タロットに見ることなのです。
時には、タロットからのインスピレーションも出てくるかもしれませんし、何か願望を阻むような思いも浮上してくるかもしれません。人によって、感じ方は様々です。
前向きにポジティブに思うことが願望実現では推奨されますが、マルセイユタロットを使った場合、浄化や成長の意味で、ネガティブな思いも出ることがあります。それを無視したり、無理矢理、抑圧したりしないことです。
また、思っていたのとは違う実現の仕方もあります。それでも、あなたにとっては、霊的な意味では、進化や成長であることがほとんどです。(「神の家」に象徴されます)
そうして、少しずつでも、あなたは、夢(顕在意識とは別の自分の夢の場合もあります)に向かって進むことになるでしょう。
2020年のはじめに。タロット展開あり
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2012年頃より、スピリチュアル的には何かと「変化(する)」と言われることが多いですが、2020年は一般的にも「変化」を実感する年となるのは、間違いないような気がします。
そして、お正月に、日本人か習慣的に言っている言葉、私もさきほど書きましたが、「明けましておめでとうございます」というのは、よく考えますと、アセンション(次元上昇)的な言葉でもありますよね。
「明ける」とは、葛藤や闇が明けるという象徴としてとらえることができ、一人一人が覚醒し、全体としても目覚めて、結果、おめでたいことになるという、ある意味、予祝(あらかじめ祝って実現性を高める)的な言葉とも言えます。
ということは、今、その言葉を普通に言える時期でもあるので、文字にしたり、自分で言葉にして言っておいたりするのも、先々、よいことではないかと思います。
さて、一年のはじめには、タロットをする者にとって、やはり、タロットを引かないわけには行かないでしょう。
私自身は、すでに、冬至のポイントで、新たな年を意識したカードを引いておりますが、一般的には、暦のうえでの年明けに引いてみる人が多いと思います。
そして、タロットを引いたあと、そのカードをどう扱う(読む)のかが大切です。
まあ、お正月ですし、今年を占いたいという気持ちは皆さんあるでしょうから、「占い」として、引いたカードを解釈するのもよいでしょう。
占いで見るというのは、「今年はどんな年になるのか?」とか、もう少しテーマを絞り、「今年の恋愛運、金運、仕事運、健康運」など、いわゆる占いの人気テーマ(ということは、多くの人にとっては、実生活上気になるテーマだということです)で問うような形です。
もちろん、これにもタロットは応えてくれるやり方があります。
しかしながら、私からお勧めするのは、占い的な質問よりも、能動的、言い方を換えれば創造的な読み方や解釈をする方法です。
それも、結局のところ、質問によって変わります。
例えば、「私は今年、何を達成すればよいのか?」何を癒せばよいのか?」「成長するためには、何が必要か?」「どのような人間になるべきか?」「私が力を入れて取り組む分野は何か?「何から始め、どういう形で終わればよいか?」・・・などの問い方です。
あと、自分がタロットに問うのではなく、タロットのほうから自分に問いかけているとする見方もやってみるとよいかもしれません。
これは、タロットの象徴する意味や内容が、自分のテーマとして問いかけられているとする方法です。
仮に「恋人」カードが出て、恋愛がテーマだと見た場合、占いならば、恋人ができる・できないとか、相手との関係性などをカードから読むかもしれませんが、カード側からの問いかけとして考えると、「あなたは恋してますか?」「キューピットをただ待っていませんか?」「恋人にあらぬ疑いをかけていませんか?」「あなたの選び方を、もう一度ふりかえってみましょう」など、カードから質問がいろいろと出てきます。
まさに、カードと対話するかのようなものです。
このような手法は、なかなかすごい力を持っていまして、心理的には自分との会話にも相当し、霊的には別の次元の自分とのコミュニケーションや調整、覚醒にも関わってくるものなのです。
タロットで自己占いをされる人もいるとは思いますが、やってみるとわかりますが、これは難しいのですね。
だいたい、極端なネガティブか、ポジティブな読み方になってしまって、中立的な解釈ができなくなるのです。
だから、逆に考えまして、そもそもタロットで自己占いはできないと考えたほうがよいのです。
ならば、占いではない自己活用を、ということになり、その数ある方法の中の一つで、強力なのが、タロットとの対話と言えます。
むしろ、タロットはそのように(占いではない自己に)使うのが本筋かなという気がしています。
タロットは、目的達成や自己成長のための、一種の質問箱であり、とても整備されたアシスタントのようなものなのです。ただし、その活用の方法を知らないと、宝を宝として発動させることは難しいです。一言で言えば、(タロットの)象徴への理解です。
・・・まあ、なんだかんだ言いましても、やっぱり、「今年のタロット展開」は、人が引いたものでも見たいですよね。(笑)
では、年末にやったように、三枚引かせてもらいます。
今回はスリーカード(三枚引き)の方法でも、ちょっと違ったやり方です。まず、一枚を引きまして、それを中心として、左右のカードを一枚ずつ引きます。その左右のカードは、ともに入れ替えが可能なカードと設定し、人によって、左右が違うという形にします。
要するに、三枚セットのふたつのパターンがあるということです。
どちらがあてはまるかは、各人の判断です。ただマルセイユタロットを知らない人にヒント(三枚をセットにして見た、簡単な象徴的解釈の一文)だけ書いておきます。でも、結構見たまま(カードからのインススピーション)が重要ですよ。
※タロットの大アルカナの数と名前を表記します。
●2020年 パータン1
「15」「14」「6」
悪魔、節制、恋人
悪魔のような束縛から救済され、自分の居場所や、よき人々の中に回帰し、新たなつながり・愛の関係性を得る。
●2020年 パターン2
「6」「14」「15」
恋人、節制、悪魔
人に依存したり、承認を求めていたりしていた意識に愛が注ぎ込まれ、悪魔のような強い自分への自信を回復させる。
なお、とぢらのパターンも、自分がそうした救済の役割をする側に回ることもあります。
皆さまにとって、本年がすばらしい年になりますよう、お祈り申し上げます。
タロットによる一年の整理
いよいよ、今年も残りわずかですね。本年最後の記事になります。
皆さまにとって、今年一年はどんな年だったでしょうか?
たいていの人は、年初に何か目標を立てたり、今年はこうなってほしいとか、こうするぞ、みたいな決意で臨んだりしても、数か月もするとそれは忘れ、日々に忙殺され、気が付くとあっという間に一年が過ぎてしまいます。
特に、最近は時間の進み方が速くなっていると言われ、年齢が上がれば誰でも速くなるらしいのですが、若い人でも、このところは時間の進みの速さを感じているようです。
ですから、ほんと、ここ数年の一年というのは、あっという間感がすごいのではないでしょうか。
ということで、そうならないように、よく言われるのは、目標を紙に書いたり、意志や意図を明確にしたりして、無為に一年を過ごさないよう計画的に過ごすことが重要だとされます。
まあ、それはもっともなところもあると思いますが、この世と言いますか、現実世界の特徴としては、個性・個別の世界(個人の価値観の世界と言ってもよいです)であり、いわば、それは人の数だけあるわけですから、それ(この世の仕組みの意図)を汲みしますと、どんな生き方をしてもいいのではないかと思います。
もちろん、皆で社会生活を営んでいるわけですから、ルールや法律を守ること、人に過度に迷惑がかかるようなことはしないのは前提として、です。
この世は、制約・束縛は多いものの、だからこそ逆に、個人の自由意志・自由選択が試されてもいるわけです。
ですから、「私は、俺は、一年、生きたいように生きる」とか、「行き当たりばったりでもいい」「無計画でも、その時その時楽しめばOK」と言うのも、人によってありだと思います。
ところが、この世は、自由で個性的であるがために、人をコントロールしたいとか、自分の都合のよいように他人を支配したいみたいな人たちもいるわけです。
人間、自分の価値観や幸せ観に基づき、この世を生きようとします。
ある意味、個性における自己実現を全員が目指す場と言ってもいいかもしれません。善人から見た悪人の価値観や幸せ観というのは、真反対かもしれず(おそらくそうでしょう)、その人たちの自己実現は、まったく普通の人や、善なる人から見れば違うのだと思います。
そして話が戻りますが、何も考えずに日々を生きようとすると、そのような、人の支配とコントロールが生き甲斐(笑)みたいな者、グループ(類は友を呼びます)の鴨にされる場合があります。
ただ、自我(エゴ・個性)を強烈に持ち、誰にも負けない「自分」という自信を持っている人は、すでにかなりの自由性を獲得していると言え、おそらく、他人の支配は受けにくいはずです。
結局、「支配」の場合、自分より影響力が強いか弱いかによることがあり、それは見えない部分での精神エネルギーのようなものも含みますので、個としてのトータルなものが、縄張り争いしているようなものなのかもしれません。
しかし、個だけではなく、グループや組織を組まれると、また影響の力は変わってくるでしょう。(個が弱い者でも、組織の力を借りれば強くなる)
それとはともかく、皮肉な話ですが、エゴが強ければ、人は意外に自由になれるものなのです。(人や外からの影響を受けにくいため)
このことは、マルセイユタロットの「悪魔」で象徴させることができます。
「悪魔」とか、一般的には「死神」と言われる「13」、「塔」と呼ばれる「神の家」を、中立に見たり、ポジティブに読んだりすることは難しいと思いますが、マルセイユタロットの場合、絵柄とその象徴性によって、それが可能です。
ということで、「悪魔」のカードには「悪魔」なりの良さがあるのです。
自分の中の“悪魔”が確立してくると、次に「神の家」という、本当の自分の塔が建つ(マルセイユタロット的には崩壊ではないのです)ことになるのですが、これも、マルセイユタロットの15番「悪魔」、16番「神の家」と、並び的にも見事に象徴されていると思います。
一方、これもマルセイユタロットの順に示されていますが、やはり、一年を有意義に過ごすには、普通は計画性をもったほうがいいと考えられます。
そして、年始の計画や目標が忘れられてしまうのは、ステップや分析がないからというのが、ひとつの理由と考えられます。
例えば、月ごとに見直し、計画の達成度合いを計ったり、変更などしたりして、修正していくのも、ごく当たり前のことではありますが、仕事ではやっていても、プライベートな自己実現のフィールドでは、忙しさで無視されることも多いです。
それで、こうしたものにタロットカードが活用できるわけです。
タロットには、小アルカナもありますので、数を象徴させたり、人間をタイプ別に表すことも可能です。ですから、月ごとにカードで区分けし、大きな目標の象徴性と、細かな象徴性(目標達成のための要素のようなもの)をそれぞれカードで示すことができます。
カードを引くこと自体が、結構占い的で楽しい(エンターテイメント性がある)のと、タロットは絵なので、印象が強いのです。従って、楽しみながら、そして忘れにくく、一年を小刻みに振り返りながら、目標達成に向けて、次に進んで行く(一年という全体を見る)ことができます。
逆に、このような年末に、月ごとにカードを引くことで、今年を振り返ることにも使えます。
もちろん、今年一年の全体の象徴性として、大アルカナで三枚なり、四枚なりを引いて、振り返ることも可能です。究極的には一枚で示すこともできます。
タロットを持っている方は、自分で引いてみるのが一番ですが、他人に引いてもらうのも、違った観点が持て、それはそれで象徴性を持ちます。要は、カードを引く時の意志(意図)がはっきりしていることが大事なのです。
「私の、あなたの、これこれについて引きますよ」という宣言です。
これは、あらかじめ、カードの世界と自分(対象者)の世界とを意識の上でリンクさせておくということです。
では、カードを持っていない人のために、私が代わりに、三枚引きで、今年2019年の象徴として、マルセイユタロットで引いておきます。
※結果 大アルカナ 「13」「皇帝」「力」
なかなか面白い展開と言いますか、カードたちが出ていますね。
今年の締めくくり、自分を振り返る意味で、何かの参考になれば幸いです。
どうぞ、よいお年をお迎えください。