タロットの使い方
タロットの学びのアウトプット
インプットとアウトプットというテーマは、どの世界でも言われることです。
タロットの学びについても同様で、中でもアウトプットはバランス的にも忘れられやすい傾向を持ちます。
学習して蓄積する(インプットする)ことはがりが先に立つのは仕方ありませんが、何らかの形で学んだことを出していく、表現していくほうが、実は本当の意味でタロットの学び、つまりインプットへの寄与にもなるのです。
例えば、私はタロットを教えるということをしていますが、最初にタロットを人に伝えようと思った時に、今までいかにタロットを理解していなかったかということを本当に痛感しました。
自分の中ではわかっているつもりになっていても、いざ客観的に人に説明するということになりますと、なかなかうまく言葉では表せにくいものです。
それはつまりは、まだ理解が自分の感覚段階でしかないことを物語ります。
ただし、だからといって、自分段階での理解が劣っているというわけではありません。
自分なりの感覚や知性で「腑に落ちた」ものがあれば、それは十分自分なりに個別に理解していると言ってもよいものです。
しかし、この世界は二元の分野があり、陰陽、感覚と実体、心とモノ、一と全、個と多など、ふたつの異なる性質で表現されるものでできています。
ですから、ひとつ側の表現ではできていても、別のものではまだなじんでいないだけなのです。理解の仕方の性質の違いと思えばよいでしょう。
それでも実は深くはこのふたつはひとつなので、本当の意味では自分の理解が真のものであるならば、他人への理解も促すことができるのですが、それは少し別の話となります。
ただこの理論からすれば、自分以外へのアプローチや他人へ理解してもらうことも、結局自分に還ってくるということになります。
いずれにしろ、タロット学習において、ただ知識や感覚を自分の中に溜めていくだけではなく、学びを促進し、確実なものとさせるには、外に向かって何らかの働きかけをする必要があります。
一番ポピュラーなものは、他人へのリーディングをするということでしょう。
ただ、ここで気をつけることは、プロリーダーとしてお金をいただくリーディングをしなくてはならないと思ったり、タロットを受けてくれる人にすごい示唆を与えるリーディングをしなくてはならないと、自分を追い込んだりしないことです。
ここでの目的は、単に学んだものを「アウトプットする」というものだからです。
ここを間違うと、いつまでもアウトプットすることに踏み切れない自分になってしまいます。
プロ的なリーディングでお客様を満足させ、自分も潤わなければならないということは当然ありません。それはプロリーダーがタロットリーディングを仕事とするための目標段階です。
ですからとにかく、タロットを人に使ってみるということを目的としてやればいいのです。
そのため(安心してアウトプットするため)には、相手に対してプロリーディングをすることではないという断りを入れておくことも大事かもしれません。
それができていれば、ネットなどで、「修行中なので無料でリーディングをします、協力してください」と呼びかけることもできます。
もちろんリーディングだけがアウトプットではありません。
単にブログや日記(人に見せなくてもよい)でタロットからの気づきを書くということでもよいでしょう。単純な感想や「学びの(過程)日記」だけでも大きな意味があります。
ほかにも自分なりのタロットノート(たとえばカード一枚一枚や、複数枚のコンビネーションでの意味や気づきを書く)を作成して、「文字で書く」「文章化する」という表現を取るのもありです。
タロットの話ができる人に、タロットからの経験を語るのもよいでしょう。
これは私の勉強会でもかつてやったこともありますが、カードをテーマにして、それに関する自分語りをするというのも面白いアウトプットですね。
創作が好きな人は、カードを引いて、それらを組み合わせてストーリーを創るというのも様々な効果があります。そもそもタロットは創作のネタとしては世界的にも有名なツールです。
人類の(思い方・心のあり方、表現方法の)元型が描かれているのですから、それは当然です。
すでにブログを書いている方は、あるテーマや人物像を決めてカード展開し、自分なりのメッセージをそこからくみ取り、書いてみるとよいでしょう。
例えば、「今苦しい状況にある人へ」「パートナーを見つけたい人へ」「転職を考えている人へ」・・などと決めて、その相手がいるかのように心を込めてカードを引き、リーディングした結果を載せます。
占いのようにオーソドックスに、誕生月や、占星術の体系を借りてサイン(星座)別に一枚引きなどして、メッセージを掲載するのもよいでしょうね。ソウルカードなどのテクニックを知っている人は、それをもとにしてもよいでしょう。
これらは読む人にとっては当たる当たらないなどのことはあるかもしれませんが、書いている側からすれば「自分のアウトプットのため」だと思うと、そんな「当たる当たらない」とか、リーディングの評価は気にしなくてもよくなります。目的が違うのですから。しかし、参考にしてくれる人も世の中にはいらっしゃるでしょう。
それは皆、どこかで潜在意識的にはつながっているところがあるからです。あなたが書いたことは、誰かのメッセージであり、また自分のものでもあるのです。世の中は偶然のようでいて、創造された瞬間、それは偶然ではなくなるのが霊的な世界観だ考えられるからです。
あなたが発生させたものは、それだけ、この世界に、やはり貢献しているのです。
これは大げさな意味を考えるよりも、いろいろな人が様々なものを提供しいるこの世界中の内の、ささやかな一人のエンターテイナ-に自分がなっているのだと考えれば、アウトプットする楽しさと役割に気付いてくることでしょう。
そう、誰もがエンタティナーであり、観客でもあるのです。マルセイユタロットの「1」の数を持つカードが、「手品師」であることも興味深いことです。
あとタロットとは別の学びなどのインプットをすることで、実はタロットに対してアウトプットになるということがあります。これは詳しくはまたの機会に譲りますが、アウトプットはインプット的な行動でそうなることもあるのだと思っていただければよいでしょう。
タロットが呼ぶ展開力
前回の続きのようなお話となります。
タロットを展開すると、物事が実現したり、問題解決が早くなったり、事態の進行スピードが上がったりすることがあるということを書きました。
今回はその理由の推測です。
ひとつは、心理的要素が指摘できます。換言しますと、心の整理ができるためというほうがぴったりでしょうか。
私たちは何かの問題を抱えていたり、悩み事があったりするというのは、複数の心による迷いがある状態と言うこともできます。
「心」ってひとつじゃないの?
と思うかもしれませんが、実はよく分析してみると、私たちはいろいろな「心」を同時に持っていることに気がつきます。
心裏腹という表現があるように、普通は、ある人や物事に対して、二重三重にも思いがあり、そのどれかを局面・場面に応じて選択していると考えることもできます。
ちなみにタロットは、この心の(選択している)種類を象徴的に表現しています。
例えれば、ある問題における自分の取るべき方向性において、冒険者や財務官などが言い争っているような状態が葛藤であり、問題と感じている自分自身だということです。
タロットを展開した時、絵柄の象徴とカードが紡ぎ出すある種のストーリー性によって、その輻輳した心模様が整理され、いわば、自分の複数の心の会議状態に、ひとつの結論が見い出せたり、終止符が打たれたりするようになるのです。
もっとも、これはやはりカードの象徴性をよく知り、課題であることのストーリーをうまく納得できるものに導けるタロットリーダーと共同で見たほうが、会議の結論は出やすくなります。
ただ自分一人でも、カードの絵柄の象徴性を知れば、カードに自分の複雑で捕らえきれなかった心を投影する(鏡のように写す)ことができるので、非常にわかりやすい状態になるのです。
カードは絵であり物質(カードとしての)ですから、それだけ「形」として捕捉しやすくなります。心は逆に目に見えず、思考やエネルギーの世界であって、自分では捕らえがたい代物です。
ここにカードという物質を間にはさむことで、まさに実際のもの・形として自らの思考や感情を扱うことができるようになるのです。
さらにそれ(カード)を動かすことで、(内面)を変化させることも可能です。※その効果を高くするためには、カードと自分・事象との関係が十分についていることが重要となります。
自分の心が整理されると、どうすればよいのか、どう動けばよいのかも明らかになりますので、当然課題についての実現へのスピードも上がることになります。
これがまあ、常識的・心理的に見た、カード展開による実現スピード上昇の理由です。
常識的というからには、実は非常識的なもの(理由)もあります。(苦笑)
ただし、この非常識的というのは、かなり飛躍したと言いますか、より非科学的(現代の科学的視点においての非科学的)になってきますので、通常では理解しがたいことになって、話を受け入れられない人もあるかもしれません。
ということで、こんなこともあるかも?くらいで読んでいただければと思います。
マルセイユタロットには特別な幾何学的構造がもたらす効果があります。
これは比率がもとになっているのですが、占星術でも星の配置やアスペクトでの影響を見るように、「比率」と「象徴」は、天・地・人に各次元の異なるフィールドに同じ性質を響き合わせます。
何を言ってのかわかりづらいと思いますので、思い切っり省略しまして、要はタロットカード(マルセイユタロット)は、世界や世の中のミニチュア盤・ひな型であるということです。
つまり、カードの世界はそのままあなたが現実と思っている世界を凝縮・象徴化したものになっているのです。ここで重要なのは、「あなたが現実と思っている世界」ということです。
カードのひな型性質によって、あなたが展開し、理解したカード内の世界(それは、最終的には「あなたの思っている世界」でもあります)は、外の現実の世界に影響を及ぼし、小宇宙と大宇宙の連環・共鳴のように、実際に現象が変化していきます。
未来を前もってカートで予測・経験し、今カードの世界で対処・処置しておくことで、現実の未来も変わるという仕組みです。
これがカードを展開すると、現実化したり、物事の変容したり、変化のスピードが上がったりすることが起こりやすい理由のひとつだと考えられるのです。
ほかにも理由はあるのですが、それはあまりに理解しがたいことになりますから、ブログではこのあたりまでとしておきます。
女性カード、男性カード
まだまだ寒いですが、注意深く様子を見ますと、次第に春も近づいているのを感じる取ることができます。
4月になれば、春・秋に行っている定期のマルセイユタロット講座を開催します。
すでに日程が組み上がりましたので、まず、日にちのお知らせだけしておきたいと思います。
●マルセイユタロット基礎講座(ハイクラス)
全6日間、4/27(日),4/28(月),5/17(土),5/18(日),6/21(土),6/22(日)
場所は新大阪駅徒歩圏内の会場で行う予定です。
正式な告知は、あとしばらくお待ちください。参加ご希望の方は、上記日程をふまえて調整いただければと存じます。どうしても参加できない日がある方もご連絡ください。場合によっては補講可能となる場合もあります。
なお、リーズナブルに入門から始めたい方(それで終わってももちろんOKです)は、よみうりのカルチャーセンター神戸と、京都新聞文化センターで4月から開講するものがありますので、そちらにご参加ください。両方とも3月に体験会を実施します。
各講座の内容等については、このブログの「サービスメニュー」をご覧ください。
さて、今日は簡単ではありますが、少し面白いタロットの見方をお伝えします。
マルセイユタロットの大アルカナと呼ばれる22枚のカードには、人物が描かれているものと、人物とは形容しがたいものに見える絵柄とがあります。
しかし、多くは人物です。
そこで、人物をさらに女性と男性に分けて見ます。見た目だけで単純に分けていくと、両性はたぶんイコールの数にならないと思います。
そのため、どちら(男性・女性)にも見えるカードも適度にカウントしていくと、ほぼバランスが取れるように見えてきます。
また、一見男性に見えて女性かもしれないというもの、その逆に女性のようだけれども男性かもしれないというカードを振り分けても、面白いことがわかります。(それでバランスが取れる場合があります)
例えば「女帝」は明らかに女性ですが、よく見ると、のど仏があったり、何となくりりしい男性のようにも見えたりします。カードの詳しい内容を知ると、見た目の性別が逆転することもあります。
いずれにしても、カードはふたつの性にわけることができるのと同時に、どちらかではあっても、両性(の統合)を必ず描いているのです。
それでもまずは自分の性別で見ていくことをおすすめします。
女性の方は、女性と思えるカードで自分を観ていきます。その女性カード群のひとつひとつを、自分の分身や持っている性格、あるいは足りない部分というように観察してみるのです。
男性は男性のカードで行います。
すると、なるほどと思う部分や、自分の意外性、潜在能力に気がつくことがあります。
さらに、パートナーシップの場合、隣り合ったり、ペアになったりするカードで見ると、自分がある人に対してはどの「カード」になっているのかを知ることができます。
つまりそれは、相手によって自分が変わっていることの証左であり、逆にいうと、相手にとってのあなたはその表現であり、その必要性を見ているわけです。
なお、数でいえば「15」から「21」のカードは、特に性別や人間ということがわかりにくいカードになっています。(ほかの数のカードでもあります) もちろんそれには意味があります。
カードによって自己洞察する方法は様々にありますが、こういう使い方もやってみるとよいでしょう。
タロットリーディングをすること。主婦編。
ブログが新しくなったことで、私自身も切替の時期を迎えていると実感しています。
このブログも、以前予告していましたように、更新ペースをこれまでの隔日から、徐々にランダムへと移行させて行きます。当面は隔日で記事は書くと思いますが、そのうち書きたい時、伝えたいことがある時に更新するという形になるでしょう。
その代わり、メルマガを創設しまして、希望者に配信させていただくことも考えております。今まで、受講者・修了者用には特別なメルマガを送っていたのですが、これとは別に、誰でも登録OKのマルセイユタロット活用術や、私・宮岡の気づき、伝えたいことなどをメルマガとして皆様にお届けしたいと思っております。
用意が整いましたら、登録について告知いたしますので、その節はよろしくお願いいたします。
さて、マルセイユタロットを学習する良さについて、このブログについて語っているところですが、タロットを活かすには、自分のためのツールとすることと、他人にリーディングするということで可能になってきます。
自己活用については、またブログやメルマガなどでご紹介していきますが、今回は(他人への)リーディングについてお話します。それも、プロタロットリーダーや占い師でバリバリやっていくということとは別の観点で述べますね。
マルセイユタロットを習うきっかけというのは人によって様々です。とはいえ、何かしら自分を変えたい、新しい知識や技術を身につけたいということでのことが多いと思います。
タロットの知識とリーディング技術を身につければ、人に対してやってみたくなるのは自然です。
タロットを習われる方には、主婦やパート的なお仕事をされている女性が多いです。もちろん自営であったり、すでにセラピストやカウンセラー、占い師として独立されていたりする方も少なくありませんが、今回は前者の普通の主婦的な方をテーマとします。
このような方の中には、かつては自分が社会貢献できていたり、自分が外に向かって活動的であったりしたものの、家庭に入って子育てをしているうちに、創造性を失ったり、自己評価を低めてしまったりしている方がいらっしゃいます。
あるいは一生懸命家庭を守り、それなりの充実した人生は生きてきたものの、子供さんが手を離れたり、第二の人生の年齢になったりして、もっと違う形で人や社会に貢献できないかと思われる方も存在します。
そしてタロットに出会い、自分を見つめ、タロットを利用した自己活用を考えていくことが起こります。
この時、私は人様にタロットリーディングすることをおすすめする場合があります。
それは、タロットリーディングという行為が、再び内から外へと意識を向かわせるものになるからです。(反対に、自己活用する時は、外のものを内に象徴変換することになります)
ここ(リーディング)でお金をいただくかどうかは問題ではありません。タロットリーディングを人にしてみるということが大事なのです。
「創造性」と聞くと「内なるもの」という気がしますが、確かにそれはその通りでもあるのですが、「表現する」ということでは外向きに方向性が変わります。マルセイユタロットの「女帝」が、その視線方向とともに、それをよく示しています。
女性は当然女性性を持ちますが、その表現はマルセイユタロットの「斎王」的ともいえる内への受容性と、「女帝」的創造性の外への発露が相まってバランスが取れると言ってもよいものです。(男性も、その逆ではあっても、やはり両方必要です)
人へのタロットリーディングは、その外への表現と自分の創造性を実感させるのです。自分の中にくすぶっていたあるものが(「蛇」で象徴されることもあります)、エネルギーとして人へ社会へ貢献できるものへと変換されます。
私の伝えるマルセイユタロットリーディングはアテモノの占いではなく、カードの象徴性によって、自分に起こっていることを何重にもカードに投影して整理・統合し、自分の出す回答に納得したり、新しいストーリーを紡ぎ上げていったりするものです。
それは他人のリーディングであっても、自分(タロットリーダー)自身においても、象徴的に様々なことを同時に心象世界で経験するようなものです。これは見えない世界観の拡大につながり、現実の世界に反映されるようになります。
このことは、マルセイユタロットが高度な象徴システムでできているため、可能なのです。
マルセイユタロットリーディングは、人のためのようでいて、実は自分のためでもあるのが重要なポイントです。
さらに、もしタロットリーディングで、たとえ少額でもお金をいただくということを決断するのなら、自己価値がお金というエネルギーの交換によってリアリティをもって高まります。
お金という物質的象徴の最たるものが、リーディングという行為で変換されて自分の手に渡るわけですから、現実感をもって自分の価値を認められるということになるのです。
平たく言えば、「こんな私でもお金を雇われずに稼ぐことができるのだ」という感覚を得ることができるからです。額の問題ではなく、自分が人の役に立つ存在であることを、再び「実感」として経験できることが大きいのです。
経済的なことで言えば、主婦業をしていても、お小遣い程度のことはタロットリーディングでいただけるようになるかもしれません。そのお金が自分のために使える余裕の象徴ともなります。
リーディングで人から感謝されることもありますが、自分(タロットリーダー)のほうこそ、リーディングを受けていただいた感謝、お金までいただく感謝として有り難く思えます。
本当に人は持ちつ持たれつであり、立場や状況が異なれば、救済側と救済される側両方の立場は入れ替わることは普通です。
マルセイユタロットでいえば、天使と人間との間を行ったり来たりという形です。ですが、タロットリーディングをする時は、天使側に回り、つまりは通常より違う次元・意識を体験することになるのです。
従って、マルセイユタロットを学習することは、まさに自分を変革したり、眠っていた自分を取り戻したり、覚醒させたりすることにつながるのです。
ドラマティックを幸せに。
私のタロット講座で、プロタロットリーダーになるための講座、発展コースというものがあります。
その講座では、自分史を振り返ってもらう単元があるのですが、先日もこのコースに参加された方からの自分史発表がありました。
いつも思いますが、皆さん、すごい人生を歩まれているのです。
一見平凡なように見えても、どんな人でもドラマがあります。全員ドラマティックライフであるとも言えます。それは一人一人の人生においては、その人自身が主人公だからです。
また自分ではわからなくても、他人が聞くと、それは意外にドラマティックで感動的な人生であることが客観的に見えてきます。つまり、他人を感動させられる人生を誰もが歩んで来ているのです。
そんなドラマティックライフではあるのですが、残念ながらこういうケースになってしまっている人がいます。
それは苦労や辛抱の連続の中で、いつしか「自分は幸せになってはいけない」「幸せは努力の先の、遠くにあるもの」という思い込みやリアリティ(現実感を伴う感覚)、信念体系になっているパターンです。
苦労の連続なので、それはドラマティックではあるのですが、起こった現象によって自分の価値観や信念までもが操作され、「人生とはそういうもの」と思うようになり、さらには「私は幸せになってはいけない人間」だとさえ、信じてしまうこともあります。
あるいはそこまて行かなくても、「またあのことが起こるのではないか」と不安に思ったり、「これも一時的な幸せに過ぎない」とか、「よいことがあると必ず悪いことも起こるはず」だと決めてしまっているパターンなどがあります。
さらには、すべては自分が悪いのだと、現実的またはスピリチュアル的に自分を罪悪視してまうこともあります。
これは、実は人の学習機能のなせるわざであり、身を守る意味では有効なもので、「こうだったから次もこうなる」「自分がダメだった(万全ではなかった)から、問題が起こったんだ」と、自然に防御する姿勢を取るようにするためのものです。
しかし、今は大昔の原始人の時代ではありませんので、経験則だけで身を守ったり、次のことを予想したりするのはむしろ問題のことすらあります。
また自分がその時点で万全であることなどほとんどなく、自分のせいだけではなく、明らかに他人や環境が問題であったということもあるのです。
経験則で問題を回避する方法・技術とは別に、まったく新しい価値観にチェンジする方法、別のことで安全になる方策など、いくらでもあるのが今の世の中です。そういう時代になったのです。
ほんの一年前までの経験則でさえ、無効になることもあります。でもだからこそ不安なんだよ(変化が多く先行きが見えにくいため)、と言われる方もあるかもしれませんが、逆に言えば、過去のネガティブな経験から作られた自己防衛のパターンなど、現代ではかなり無意味に近くなってきているとも言えるのです。
ですから、「これまで幸せになれない人生だったから、これからもそうだ」と決めつけることはないのです。幸せになってもいいのですし、その方法は今の時代は求めればたくさんあるのだということです。これは経済的な面でも同様です。
ここで重要なのは、「求めれば」という点です。情報は入手する姿勢を示さないとなかなか入ってきません。つまり情報の世界も「縁」と「意識」、そして「行動」が大切だということです。
その前提として、「求めたい」と思えるようになる意識の獲得が重要です。
これに対して有効なのは、自己経験が無意味ではなかったという認識変換、過去の浄化です。
しかし何より大切なのは、「これからは自分に幸せをもたらしてもよいと許可する」最初の決断だと思います。
開き直って、幸せになって何が悪い!と言い放つくらいがいいです。(笑) この言葉は実は結構重要です。
つまり、「悪い」という言葉があるので、誰に、または何に「悪い」と自分は思っているのかがわかるからです。
自分が幸せになると「誰に」対して悪いのか? 「何に」対して問題あるのか? ここが単純なブロックになっていることがあるのです。
そして意外にもそれは、過去の自分自身のことだったり、場合によっては未来の自分だったりするのです。もちろん親とかパートナーとか、いろいろとあります。
ただ、いずれにしても、「今」のあなたが少しでも幸せ(を感じられるよう)になることが、実は外の世界においても、ひいては世界中においてさえも、最重要であるのです。
言わば、自己の統合過程です。
マルセイユタロットはそれを知らしめ、統合ツールとして機能するのです。