タロットの使い方
過去とは何なのか。
今は過去を振り返るより、未来に向かって進むべき時と判断している方もいらっしゃるでしょう。
日本の状況を見ればまさにその通りのように思えてきます。
ただだからこそ逆に、過去を切り捨てるのではなく、よく検証し、よいところも悪いところもひっくるめて評価しておくことは大切かと考えられます。
カモワン版マルセイユタロットでも、その大アルカナと呼ばれる重要なカードには、時系列でいえば「過去」を示す(カードの人物が過去を見ている)ものが多いのも、そのことを思うとうなずけるものです。
よく新しいことを始めるにあたり、「過去を忘れなさい」「捨てなさい」と言われることがありますが、よくよく考えてみれば、人間、過去を完全に忘れ去るようなことはできないのではないでしょうか。
記憶としては必ずどこかにあるはずです。それを単に思い出せないようにしているか、思い出さないようにしているか、あるいは特段活用できないので取り出さないようにしているかということだけでしょう。
要は過去は過去として、その経験も知見もきちんと自分の中に存在しており、その良し悪し、価値を決めるのは今の自分の「考え」だということです。
あるデータを生かすも殺すも、まさに「今後の自分」次第となってきます。
けれども、今の自分を形成しているのも、その過去の蓄積と評価を繰り返して何層にも重なった自分があるからだといえます。いきなり無から有は生まれないのです。
起こったこと自体は事実でしょう。それが過去になっていくに連れ、今の瞬間の私たち自身の考え方によって過去の事実が評価され、ある意味をもって再構成されます。
となれば、過去の事実は変えられませんが、過去の意味自体は大いに変更可能であり、さらに言えば毎日変わっていっているとも想像できます。
その意味では、人は毎日違う人生(解釈の違う人生)を生きているのだと言えます。
物事は材料や素材が多いほど、いろいろな可能性を秘めています。
ということは過去の経験の蓄積が多ければ多いほど、多様な人生の解釈もでき、それだけ多くの選択肢の人生を生きることが可能になると考えられます。
このことは経験の量のことだけを言っているのではありません。
ひとつの事柄の質を深めることによって、いわば物理的ではない精神的な経験の蓄積も増える(重くなる)ことになります。よって必ずしも年齢とここでいう「経験」とでは比例しないのです。
大事なのは過去があるから今のあなたがあるのだと思い、悪いように思えた過去も決してあしざまに捨て去ったり、なかったことにしたりするのではなく、そこに愛情を持つという姿勢になるでしょう。
言い方を換えれば、過去はあなたの今後を輝かすための、多彩な人生の材料だということです。
ソウルカードで自己表現を見る。2
昨日からの続きになります。(実質、前々回からの三回連続シリーズになっています)
今後の自己表現、個性発揮をどのようにしていくかについて、ソウルカードで見ていくというお話をしておりました。
しかしながら、ソウルカードというものは、究極的に9つのタイプに分類する手法のため、物事の象徴化・抽象化(普遍性)が進むこととなり、個性・個別のテーマからは薄くなっていくという矛盾があるということも説明しました。
確かにソウルカードでは大まかな枠組になってしまうので、たとえば自分のソウルカードが「1」の手品師だとした場合、なかなか「手品師」だけから自分の魅力、個性というものを思い浮かべるのは難しいかもしれません。
ところが、あまり具体的に考えすぎても、余計にわからなくなってくることもあるのです。
特にこれまでの価値観、考え方にとらわれていた場合、「自分の魅力は○○であり、するべきことは●●だ!」と決めていたとしても、社会や世界の環境・状況・価値観が大きく変化すれば、たちまちのうちにそれもぐらついてしまうということもありえます。
例えて言えば、20年前に勢いがあり、自分もすごいと思っていた会社があっったとしても、現在では必ずしもそうではなくなっているというようなものです。
また自分は英語が得意で、海外の人とコミュニケートするのが好きなだから通訳を目指していたのに、完全な翻訳機が開発され、もはや通訳は不必要になってしまった時、自分の特性をどう活かすのかということでもあります。
こうした時、もう一度抽象化・一般化を図ることで、新しい個性や自分の活かし方を見つけられる場合があるのです。
先の例の、通訳を目指していた人の場合、もともと、どんな人でも会話できることがこの人にとって大事なことであり、結局この方はコミュニケーション・意思疎通を図ることに特質があると言えます。
もっというと「協調」や「和合」ということになり、これは「6」の数の象徴につながり、「恋人」カードのことになってきます。
こうして具体的なものを抽象化することで上の視点(タロットでいうと「鷲」)になり、現在から近い将来に応じた具体性を発見することが可能になるわけです。
一度飛び立ち、さらにもう一度地上に降りるというプロセスです。
ソウルカードで自分を観るという行為・考察は、この、「上に飛び立つ」ということを意味します。
抽象化された大きな意味というのは、ソウルカードにおいては基本は「数の原理」的な意味合いを見ればわかってきます。いわば数秘術などで言われている数の意味と同様なものです。
数の意味はだいたいどの分野でも同じようなとらえ方をするので、ちょっとインターネットや書籍などで調べればわかります。
さらに加えてタロットを使う意義は、タロットの絵柄にも象徴が入っているからです。
ただしタロットの場合は22枚がそろって完全といえますので(78枚という考え方ももちろんあります)、昨日お伝えしましたように、ソウルカードだけではなく、ほかのカードも参考に見ていくとよいでしょう。
たとえば、「手品師」のカードがソウルカードならば、単数化すると同じ「1」になる「10」の「運命の輪」や「19」の「太陽」なども見ていくということです。
ほかにも同じ数を持つタロットを参考にするのもありです。(「法皇」と「悪魔」、「5」と「15」というように)
自己表現、個性発揮の導き出し方としては、こういった数やタロットの絵柄を参照にしながら、たとえばソウルカードから「作る」「造る」ということを大きな意味で感じたのなら、今後の日本や世界であなたが゜「作る」「造る」ということは何かということになってきます。
「バランスを取る」ということが本質であると感じたのなら、バランスを取るということは具体的にこれからはどういう分野でどのような意味なのか、そして自分にできることは何なのかと考え行くことになってくるでしょう。
是非、皆様も自分のしたいこと、自己を表現したいことを見つめ直し、行動に移していきましょう。それが集まって、大きく世の中を変えていくことになるかもしれないのです。
ソウルカードで自己表現を見る。
昨日は 自分のしたいことを実行していくこと、自己表現活動をするべき時に来ていることにふれ、そしてそれが、これまでとは違った方法や考え方でのものになっていく可能性があることをお話しました。
そこで、自分らしさ、自己というものを見つめる(発見する)作業も改めて必要となってくるのわけですが、タロットではシンプルにそれができる技法があります。
それは自分のソウルカードを見るという方法です。
「ソウルカード」というのは、エニアグラムや九星のように、事象や人を9つの原理で見ていくというタロットカードの技法です。
簡単にいえば、物事・人を9タイプに分けて、それをタロットカードの数と符合させていくというものです。
計算式は西暦での生年月日をすべてを合計して、さらにそれを単数(1から9)になるまでまたバラして足していきます。
計算方法は大きく分けて二通りあるのですが、どちらでも同じ結果となります。
ひとつの方法を記しますと、たとえば1975.12.22生まれの人だったら、1975+12+22=2009 2+0+0+9=11 1+1=2 ということで、この人のソウルカードは「2」(斎王、女教皇)ということになります。
ソウルカードはソウルが「魂」と訳せるように、その人の本質的なものを表すとされています。ですから、自分で本質部分に気がついている人もいれば、なかなかそれがわからないという人もいます。
どちらかというと、「こうしなければならない」というルールや規則・社会の枠組からはずれた自分というものに近い感覚かもしれません。
ということは、自己表現という観点では、これからはこのソウルカードを意識することが重要になってくるように感じられるのです。
ちなみにタロットで重要な22枚の大アルカナというカードがありますが、ソウルカードは具体的にはこの大アルカナの9枚、「手品師」(ほかのカードでは魔術師、奇術師)から「隠者」ということになります。
ただ、結局誕生日をひと桁にしているということですので、数の単数化、象徴化作業という見方からすれば、たとえば「運命の輪」は「10」なので、1+0=1となり、「1」の数と象徴的つながりがあるととらえられますので、「1」の手品師のソウルカードの人は、「運命の輪」も背後に考慮してみると面白いでしょう。
そう考えると、「手品師」から「皇帝」のソウルカードの人は、裏に二枚のカードを持ち、「法皇」(法王、教皇)から「隠者」は一枚の裏カードがあると考えられます。
ただし、これは22を「愚者」と設定した場合の話で、「愚者」そのものは数を持ちませんので、「愚者」をはずすと、「皇帝」は裏に「13」を持つだけとなります。
あとカモワン版マルセイユタロットの場合は、大アルカナのローマ数字が「Ⅹ(10)」を除いて、すべて単数の組み合わせによって構成されていますので、それを参考にしてみるのも面白いです。
ソウルカードは9つしかないわけですが、物事の数が少なくなればなるほど抽象化や象徴化がなされて、大きなものに向かいます。つまり、個別化具体化には向かないということです。
それならば、個性表現、自己表現のテーマではソウルカードは使えないのではないかと思うかもしれません。ところが逆説のようなことがここで起きるのです。
長くなりましたので、続きは次回に書かせていただきます。
心が疲れている人に。タロットを使った癒し。
このような時ですので、非被災地の方や、問題が特になかった所にいる人でも、心が疲れてしまっている方は多いと思います。
そんな方のために、タロットを持っている方が対象とはなりますが、自分の心を癒す方法をお伝えしたいと思います。
(私がマルセイユ版を使っていますので、どうしてもそのタロットでの説明になることはご容赦ください)
環境はなるべく静かな場所で行ってください。危険のないようにして(倒れても大丈夫なようにして)、ろうそくを立ててもやってもよいでしょう。
まず、タロットを並べて、自分が見ていてもっとも心穏やかになるカードを選びます。
マルセイユ版だと、個人的には「星」のカードが一番癒される気がしますが、ほかにも「節制」「太陽」「審判」「世界」など、とにかく自分が今の気持ちで見て落ち着き、いい感じになれると思うものを選んでください。
そしてそのカードを何かを支えにして、縦に立てかけるようにして自分の目の前に置きましょう。
次に深呼吸してゆったりとそのカードを眺めます。カードを次第にイメージとともに、できる限り大きくしていきます。
カード全体が自分より大きくなりましたら、その感覚を味わい、カードに抱かれるように一体化します。
しばらくその状態で留まり、十分一体感を体験したあと、今度は逆にカードをもとの大きさにイメージで戻していきます。
カードの絵柄のイメージが止まったことろで終了し、カードを片付けます。
終わったら、現実感覚の世界に戻るよう、何か食べたり、運動したり、体を叩いてみるなどして「物体・肉体」を意識するようにしてください。
カードを見ている時は、涙が出たり、悲しくなったりすることもあるかもしれませんが、抵抗せずに身を任せてみましょう。それは浄化の過程のひとつです。
このようなこともタロット活用法にはあります。お試しください。
「女帝」と「世界」で問題解決を考えてみる。
さて、昨日は 世界のカードを見て、いろいろな考え方・見方があるのが「世界」だというお話をしました。
そして今起こっている買い占めもまたひとつの見方にとらえられた「世界」の一部だということも説明いたしました。
それではタロットを使いながら、今度は買い占めの個別の具体策を見ていきましょう。
まず「世界」のカードを置きます。(ここからはマルセイユタロットでの話となります)
「世界」は、すべてがありながら、それを見る人・考える人によって「世界」の中の色が違ってくるということを昨日の記事でふれましたが、その見る人という者を今回はあえてあるカードで象徴することにします。
それは「女帝」のカードです。そして「女帝」を逆さま(逆位置・リバース)にして「世界」のカード(正立)の右に置いてみます。
つまり左が世界の正立、右が女帝の逆として平行に並んだ状態です。
この時、「女帝」の視線は「世界」の獅子やその先の「牡牛」を見ているようになります。そして「女帝」はもともと手に鷲の紋章のある盾を手に抱えています。
「獅子」は行動や情熱のようなもの、「牡牛」は物質・お金、安定性などを象徴します。一方、「世界」の周囲のほかの生き物である「鷲」は知性や大局的な視点を、「天使」は感情や心、交流を象徴します。
これをふまえて、逆になった「女帝」は買い占めをしている人の状態だと考えてみるとよいでしょう。
つまり、モノ(牡牛)に関心が行き、それを集めるための行動(獅子)が第一であり、手には本来のその人自身を理知的にするもの(鷲)が逆さまになっており、地上に向かって落下し、それは荷物となって抱えられている(盾)状態です。
言ってみれば関心は自己世界の安心・安全にあり、その思考のもとに行動が突き動かされ、足下(自分のいる所)を強く意識して見ていることになります。
この人(女帝の逆)には「世界」はそうしなければならないように見えて(思って)いるのです。
そして今度は、この「女帝」の位置を変えて、「世界」の右に持ってくると同時に正立化させます。すると、「女帝」の視線は世界の「天使」に注がれ、さらにその先には「鷲」が見えるようになります。
カモワン流の場合は象徴の連繋を重視しますから、女帝の盾の「鷲」と、世界の「鷲」が連繋していることにも注目が行くことでしょう。
正立化するというのは問題がなくなった状態とカード的には考えられますから、買い占めという事柄をこの二枚カードに当てはめると、買い占めを回避するには、まず本人意識の中に天使(交流・天使的救済)や鷲(知性・冷静な判断力)が求められると考えられるでしょう。
特に「鷲」は象徴として連繋しているので重要だということであり、「天使」と「鷲」に象徴される具体策(4大元素を象徴しているため)も強調されることになります。
「女帝」はそもそもアイデアを思いつき、それを提供することのできる人間です。「鷲」がアイデアを得るために飛び立つことも示唆しています。
アイデアとは何か。それは世界の様々な要素(天使・鷲・獅子・牡牛による象徴群、バラエティさ)のことであると、ほかならぬ「世界」のカード自身が示すのです。
具体的には細分化・区分け・代替化することです。その理由は、「鷲」が「剣」をタロット的には象徴するからです。「剣」は細かく切るということをイメージさせます。
さらに具体化して行きましょう。
買い占められているものはいわゆる米などの基本的なもの、保存されるものなどです。
たとえば、米だった場合、確かに主食がなくなって不安に思うかもしれませんが、生きていくという大きな観点(天使・鷲の視点)では、小麦粉からできるうどんでもそばでも・パン・パスタでも何でもいいわけです。何かの食用粉があれば、それを練ってちぎり、ゆでれば、主食的なものにすることもできます。
それさえない場合はそもそも主食という概念をはずして、副食を多くして当面の食事をカバーしていくことも考えられます。(これも細分化のひとつでしょう) ティッシュペーパーなども、重ねられている分をはずして、一枚ずつ使っていくと長く持たせられるということもできます。
電池などはさすがに代替は難しいかもしれませんが、今そろえるべきかどうか、人に送る分まで買い占めるべきかどうか冷静に考えてみることでしょう。
実際には供給がこれから長期間にできないということではなく、買い占めやほかの不安要因で循環がうまく働いていないだけであり、回復は一人一人の意識転換と時間的問題だということです。
ですから、しばらくアイデアと工夫で乗り切ればいいのです。(このあたりは、「女帝」「運命の輪」「星」をカードで見てみるとよいでしょう)
買い占めによって悪いことばかりではありません。このようにして工夫を凝らせば、自分が作ることのできるメニューを増やすチャンスかもしれませんし、新たな趣味や食事作りの楽しみも、このことで見つかるかもしれません。
ダイエットを日頃考えていて実行に移せなかった人も、主食があまりないのなら、炭水化物ダイエットに挑戦するよい機会かもです。
あなたにも眠っているアイデアと創造性を、今はいろいろな場面において発揮する時と言えるでしょう。