リーディング技術・内容
タロットリーダーのタイプとサービス。
私の講座、発展コースでもお話をしておりますが、タロットリーダーにはタイプ(得意とする傾向)があります。
占い的な伝え方が向いている人、カウンセリング的にセッションしていくタイプ、セラピストとしてタロットを活用するタイプ・・・など様々です。
もちろん、どれかに限定されるわけでもなく、たいていはこの複合体での形式となりますし、また自分はこのタイプだと最初に思っていても、やっいくうちに別のタイプが向いているということに気付く人もいらしゃいます。
重要なのは、まだあまり実践しておらず、頭で考えている自分というものと、人様に実際にリーディングを提供していく時に出る自分というものが、同じようでいて違うことも多いのだとということです。
つまりは、やってみないとわからないところもあるというわけです。
とはいえ、やはりもともとの傾向というものもあり、それはむしろタロット以外のものでわかることがあります。
たとえば占星術のホロスコープで性質を見たり、ほかの技法で分析したりというようなことです。
あるいは普段のコミュニケーションスタイルや、自分の大切だと思っている考え・信念(価値観)によってわかることもあります。
そして、私が講義をしてきて面白いな思ったのは、自分が向いていると思っているタイプと、人から見たその人が向いているタイプというものに違いがあることです。
これは、他人にサービスを提供するという前提(観点)では、自分の自分自身への見方が当てにならないことを示しています。
ほとんどの場合、サービス提供者という視点ではなく、自分中心の自己観察の視点での分析になっていて、視点がズレているのですね。
これは間違いというのではなく、単なる見方(見るべき方向性)の違いでしかなく、どの見方の自分でも正解といえば正解なのです。
ただ人様にリーディングを提供する(特にお金をいただくというプロの立場の場合)となると、自分(中心)本位の観点ではなく、文字通り、人様から見た自分の見方に変えていく必要があります。
これは実はなかなかわかりづらいものです。
リーディングで言えば、自分リーディング(と言うより、「自分占い」と表現したほうがこの場合はよいかもしれません)が、なかなか実際にはできにくいことと似ています。
対価を受け取るサービスという経験や学びも、ある程度必要です。何より自分ではなく他人の視点と思いが重要なポイントとなります。
簡単に言えば、自分で思っているタイプは、人からお金を払ってまで受けていただくタイプ(価値があるもの)なのかどうかということです。
自分で思っているタイプというものは、得てして「自分を変えたり、自分を守ったり」することでは価値があるものが多いです。
ただし、対価サービスとなりますと、お金をいただけるか(くらいの価値があるか)どうかという基準になってくるので、自分で思うものとは異なる場合もあるのです。もちろん一致していることもあります。
あと、当たり前ですが、タイプうんぬんより、総合技術的(総合というのは、単にタロットが読めるという意味だけではなく、対人援助サービスができるレベルにあるということを意味します)に、対価をいただくレベルに達していることが前提です。
私がこんなことを書いているのも、実は今後はきちんとしたタロットリーダーを養成していきたいと考えているからです。
マルセイユタロットは自分を知り、世界や宇宙を知るのには適したツールです。いわばこれは自分使いのタロットです。
これはこれで今まで通りと、さらなるものも付け加えて講座していきたいと考えています。
特に自分使いについては、これまであまり知れれておらず、なおかつ私が独自で探究していきたタロットの技術をお伝えする基礎講座の次のレベルのものを検討しています。(基礎講座の知識でも、自分使いに十分なものではあります)
それと同時に、マルセイユタロットを使い、きちんとしたリーディングレベルのもとで、人様に問題解決や生き方のヒント、サポートが提供できるような、占いとは別のタロットリーダーを養成していきたいと考えています。
お金さえ払えば誰でもOKというのではなく、その意志と熱意、基礎部分の習得度合い等を見た上で受講を検討させていいただき、全体で一定のレベルのプロ向け講座を提供しつつも、その人の個性に応じた指導ができるよう考えていきます。
一日とか二日とかで一律で促成栽培によってタロットリーダーになるような人を、私は出したくはないと思っています。
それは何より、タロットリーダーになって、あなたのタロットリーディングを受けに来られる将来のクライアントのためでもあるのです。もちろんそれはあなた自身のためでもあります。
あなたが高いレベルのタロットリーダーになりたいと思った時に、未来のあなたの世界では、すでにクライアントが大勢いらっしゃっているのです。
その未来にあなたが追いつくだけです。無理だと思ったら、やはり未来のあなたは別のことをしているあなたに変わるでしょう。
ですから中途半端な技術と知識を身につけてやってしまったり、挫折したりすると、未来のあなたに救われる予定のクライアントたちは消えるか、あるいは困ってさまようことになります。
本格的なマルセイユタロットリーダーになりたい人は、基礎講座を受けられるのが入り口です。今回は4月20日より基礎講座ハイクラスを開講予定です。
これらとは別に、楽しくタロットを学び、使いたいという方にも、相応の講座は提供していきますので、ご安心をください。
タロットリーディングの隠された意味
私はマルセイユタロット伝える講師ですので、マルセイユタロットに関係する総合的な知識を講義しています。
時には、タロットとは直接関係ないようなこともお話しますが、私の真の目的はマルセイユタロットそのものを皆さんに学んでもらったり、記憶してもらったりするということではなく、別のところに存在するからでもあります。しかしそれを示唆するのには、マルセイユタロットをツールとして使うことが、私にとっては最適なのです。
そのことと今日は関係する内容です。
さて、マルセイユタロットをお伝えしている中で、やはりタロットリーディングの技術も教えています。
ただこれには、「タロットリーディングができるようになる」という表の目的とは別の、裏のことが隠されています。
それはタロットリーディングによって、自分を知る、自分を発展させていくというものです。
タロットリーディングと聞けば、人様にタロットを読んであげて、まさに人のためにタロットを活用していくという印象が強いですが、結局のところ、それは自分のためでもあるのです。
タロットリーディングを講座中に練習していく時に、いろいろなことが起こり、気づくことが出てきます。
その大きなものとしては、「コミュニケーション」が挙げられます。
自分リーディングの場合は、自分とのコミュニケーション、他人リーディングでは、まさしく人とのコミュニケーションがテーマとなって、隠されていた自分の特質が浮上してくるのです。
もし複数の人数で講座を行っている場合は、他人と他人のコミュニケーションを見ることにより、さらに自分の気づきが増えます。
「私はなぜうまく伝えられないのだろう」とか、「本当はこれを言いたいけれども、強く言ったら嫌われたり、トラブルになったりしそうだからやめておこう・・」などというケース、あるいは「こういうことを言わなきゃ、絶対ダメ!」と何かに強くこだわっている自分を見る場合もあるでしょう。
先程述べたように、他人と他人とのやり取り(リーディング)を見る内に、どちらか、あるいは両方の問題点か、逆によい点を発見することもあるかもしれません。
さらには、コミュニケーションばかりではなく、リーディング時の問い(質問)の内容によって、他人の体験や気づきから自分の経験の意味が深まったり、新たな覚醒が起こったりすることも少なくありません。
人の経験はまったく同じに自分も体験することはできませんが、タロットカードという象徴を通して、感情的・感覚的、もっというと心魂的に共有することができ、クライアント(相談者)のそれを、リーダー側が目に見えない領域で追体験しているということもあるのです。
もちろん実体験には劣りますが、少なくともタロットリーダーは真剣な相談を受ければ受けるほど、またリーダー側も真摯にそれに向き合うほど、追体験感覚の深度は高まります。
大げさにいえば、タロットリーダーになるだけで、人生経験が増えるということです。
占い師の方でもそうですが、実際に世間・巷に出て、多くの人の悩める相談を受けていると、とんでもないと自分が思えるような相談を受けることがあります。
私自身もそれを実感しました。まさに「ありえないことはありえない」というのが、人間と相談の世界です。
普通に暮らしていれば、まず話すら聞くこともできなかった内容・体験に出会うことになります。
「ありえない」と思っていたことが実際にありえたわけですから、それだけあなたの思考と心の概念・枠組は破られることになります。
これがまた自己の拡大・多様なモノの見方につながるのです。
話は戻りますが、リーディング時における自他とのコミュニケーションの問題も、まず問題・課題があることを認識し、それに気づき、改善したり、よいところをさらに伸ばそうとしたりすることで、当然ながら「自分」及び「人」と向き合うことになります。
こうして、新たな自分がまた形成されていくのです。つまるところ、これも自己成長の一環です。
このように、タロットリーディングというのものは、もちろんリーディングがすらすらできるようになるのに越したことはありませんが、実は別の目的(自己の成長)もあり、それが達成されていくほうが、本当の意味ではよいといえるのです。
タロットの吉読み、ポジティブリーディング。
タロットリーディングにはいろいろな方法があります。
メソッドや展開法(スプレッド)にも多様なものが存在しますが、どんなやり方・方法であれ、結局は個性が出るものと私は考えています。
極端な話になりますが、例えばカードの意味を丸暗記して、そのまま読む人もいれば、カードではなく自分がチャネリングして、そのチャネリングしたものをカードに当てはめて伝えているという人もいます。
また、ほかの技法・ツールと組み合わせて総合的な判断のための指針、もしくは補助としてタロットリーディングを行っている人もいます。(実際、この使い方の人は多いです)
これらのタロットの個性的な使い方についての解説は、私の中級講座である発展コースにてお話しており、自分のふさわしい方法を見つけてもらうよう指導しています。
それはさておき、今日のメインは、このように様々なリーディング方法の中でも、今皆さんに必要と思われる、ある特種な読み方をお伝えしたいということです。
それは、出たタロットカードに問題や凶の意味はないという読み方です。逆にいえば、吉解釈、ポジティブに読むことしかしません。
すべて自分にとって吉とか可能性(が隠されている)と、ポジティブな意味でリーディングします。
これはどんな展開法・スプレッドでも使えます。タロットの種類も関係ありません。マルセイユタロットでもウェイト版(ライダー版)でも創作タロットでもOKです。
ただ前提として、自分が覚えているタロットの悪い意味(という覚え方をしている場合ですが)をいったん、その時は捨て去る必要があります。
あるいは、たとえ悪い意味のタロットカード(もしくは出方)があったとしても、ある程度タロットを学習したり、実践したりしている人には、悪い意味のカード(の出方)でも、逆によい意味も含まれていることを知っているはずですから、それを思います。
たとえば、一般名称「塔」、マルセイユタロットでは「神の家」のカードを、「崩壊」という意味で覚えていたら、一見それはネガティブな意味にしかとらえられないかもしれませんが、嫌な人との関係が「崩壊」すればいい意味かもしれませんし、ブラックな企業が「崩壊」したことで悪事が明るみに出たという、よいこともあるかもしれないのです。※(私の伝えているタロットの考えには、吉凶としてカードを見ませんので、「神の家」に特別に悪い意味を与えることはありません)
従って、どんなカードが出ようが、どんなカードの出方をしようが、それらはもともと持っているそのカードのポジティブな面をとらえて、意味・可能性として解釈することができるのです。リバースだろうが、変な位置に出ようがお構いなしです。(笑)
ところで、たいていのタロットの展開法(スプレッド)は、78枚(カードによって枚数は違いますが、通常は78枚がひと組です)全部絶対に出すというものではないでしょう。そんな展開法はむしろまれだと思います。
ということは、カードは全体の中から一部が選択されるということです。
わざわざ選ばれる、もしくは選ぶのです。
これは、全体の中で、その選ばれたカードが、今のあなた(クライアント・質問者)に関係しており、わざわざあなたのために出てくれていると考えることができます。
つまり、だからこそ、それらのカード(のよい意味)が、あなたの可能性を示してくれていると見ることができるのです。
もし悪い意味のカードが出ても、あえてその裏返し、相反の要素として必ずよい意味が隠されていると見て、悪い意味をくみ取るのではなく、よい意味を発見して、そちらだけ見るようにします。
このやり方では、確かに状況判断(なになには、どうなるのか?)という質問には答えにくいでしょう。
しかし、普段私たちは、ネガティブに考える癖を結構持っているものです。
問題は問題と認識することで、コントロールが可能になりますが、逆にあまりに問題意識を過剰にすると(対象に焦点が行きすぎると)、エネルギーが凝集し、実体化(現実化)してきます。
ですから悪い意味を見過ぎるより、よい意味を見たほうが、今の多くの私たちには望ましいこともあるのです。
どんな展開法・スプレッドであれ、出たカード一枚一枚に、またはそれらを複合させても、よい意味(可能性含む)だけリーディングしていくと、聞いているほうはすごく明るい気分になってくるでしょう。
さらには言霊思想により、日本人には発した言葉が大きな意味をもってくることもあります。
タロットの吉読み・ポジティブ読み、極端ではありますが、そんなことも時には試してみてください。
タロットリーディングの構造
タロットカードは、一枚一枚もそうですが、それらが組み合わされると、多様に読むことができます。
それは実に楽しいことなのですが、逆にリーディングが難しく感じる要因にもなります。
「いかようにでも読める」となりますと、一体全体、解答というものはどれなのかと、選択と判断に困るからです。
さらには、「そういう読み方もあるのか!気がつかなかった・・・」とか、「まだ読めてないなパターンがあるのでは。。。」と自分を追い込んでしまうことにもなりかねません。
そこでますます混迷を極めていくわけです。
これには、私たちの慣れている教育制度も関係しています。
すなわち、ひとつの質問にはひとつの絶対的な解答があると、数学的・公式的な学び方と教えられ方を多くの場合でされてきているからです。
今まで私たちの受けてきた試験問題とその解答を見ればわかることです。
そのため、「解」はひとつでなければならない、ひとつが解答である、それ以外は間違いという思考になりがちなのです。
タロットリーディングはそれとはまったく反対の思考です。
(※ここで言うタロットリーディングとは、私の指導しているマルセイユタロットのリーディングということの意味が大きいです。従って、「反対の思考」とは言えない考え方・読み方もあります)
いわば、どれもが正解であり、その時その時の最適解を求め、判断するのがタロットリーディングであると考えられるのです。
ですから解答を出すのではなく、たくさんの方法・やり方・考え方・対応策の中から、どれがその時・その人にとってもっともふさわしいかという「選択」自体が解答なのです。
つまり、結論や答えを出すのではなく、判断をすることがメインと言えます。
これは実は日常生活で、私たちが常にさせられていることなのです。
社会に出て仕事をするようになれば、確かにひとつの答えもというものもありますが、それだけではないことも経験されているはずです。
まだ見つかっていない答えを探したり、多くの選択肢からどれをこの場合は選ぶのかというシーンに出会ってきたことが、たくさん皆さんにもあると思います。
仕事だけではなく、車の運転、毎日の料理、健康、趣味や娯楽に至るまで、そのほとんどはいつも個人の状況判断が求められます。
信号など規則・法律で決まっていること以外では、万人に共通するひとつの答えというものがありません。
まさに移り変わる状況の中で、最適な解を選択したり、導き出したりする毎日なのです。
タロットリーディングはその訓練にもなっているわけです。
ただし、何事もまったくの自由ということはありません。何かの基礎や基盤、軸、ルールというものがあって現実世界では顕現します。
タロットリーディングも紙(に描かれた絵)とイメージの精神的な世界ではありますが、リーディングするということになりますと、言葉に変換されてきます。
言葉はたとえ頭の中であっても音声的なものとして響きますし、外に出せばなおさらであり、そこに問いと結びつく実体があるようになります。(カードという実体が最初にすでにありますが、「問い」とまだ結びついていません)
言ってみればイメージの世界から現実の世界に降りてくるようなものです。
またリーディングは自分用に行う場合もありますが、たいていは人に対して行いますので、そこに実際の人(小さいながらも社会)が存在することになります。
ここに現実性が出てくるわけです。従って、やはりなにがしかのルールに基づく必要はあるのです。
さらには実は精神世界においても一種のルールがあり、タロットカードのそれは絵柄の象徴として適用されます。
つまり、絵柄があるからこそ、ある程度の制約も存在するということです。いかようにでも読めているようで、それは絵柄の象徴からは、はずれることはないと言えます。
難しい言い方になりますが、タロットリーディングは自由ではあるが制約の下にあり、さらに解はひとつではなく、その時に必要な最適解を選択する作業である例えることができます。
このどれもが今までの通常の思考方法とは異なるので、タロットリーディングを難しく考えてしまう傾向に、そのコツをつかむまではあるのです。
「隠者」による本や知識の検索
もしマルセイユタロットで、「隠者」が登場した場合、あなたの書棚を検索してみてください。
もちろん「隠者」には様々な意味があり、一概には言えないところですが、そういうことも考えてみてくださいね、という意味で書いています。
「隠者」はその全体性の意味や、描かれているある部分の象徴から言っても、本と深く関係するカードです。
そして「隠者」は蓄積された智慧・知識を持ちます。またランプをもって、何かを探している風でもあります。
詳しくは言えませんが、「隠者」の視線の方向、持ち物、隠された象徴物から総合して、ある場面で「隠者」のカードが出る時、それは「あなたがこれまで学んだ(仕入れた)知識に有用な情報がある(隠されている)」という意味を示していることがあります。
ですから、具体的にあなたが行うことは、次のようなものです。
●書棚をもう一度詳しく調べてみて、興味のある本を手に取る。
この場合、タイトルが気になったり、何かどうしても手に取りたくなったりした本を探すとよいでしょう。
●過去に学んだ技術や知識を見直してみる。
その時のノートや資料を見たり、写真を見たり、ツールがあるのなら、それを実際にもう一度使ってみるなどします。
●これまでに知識的に影響を受けた人物に連絡を取ってみる、またはその人の現況を調べる。
もしかすると、さらにその人がバージョンアップしていて、今、あなたにとって有益な知識や情報を与えてくれる可能性があるかしもれません。
私にも経験が何度かありますが、一読しただけであまり印象に残らず、そのまま本棚にしまっておいた本や、読みかけで途中のまま放置していた本などが、数年経ってふと読み返してみると、今の自分に必要でびったりなことが書かれてあったたということがあります。
言ってみれば、その時の自分の波動や質には合っていなかったのですが、実は未来の自分のために投資していたということもあるのです。
ある意味、アカシックレコード(宇宙のあらゆることが書かれているという記録庫)にあなたはその時アクセスし、未来の自分に必要な本として、購入したのかもしれないのです。
このようにスピリチュアル的に考えなくても、人は時間とともに成長したり、変化したりするものです。
その時は今ひとつだと思っていた本、あるいは人の教えであっても、時間が経てばあなたにふさわしいものになっていることがあります。
本の場合は文字ですから、内容が変わることはありえませんが、あとであなたが読み返して心に響くような経験をしたのならば、あなた自身が昔より変わったという証拠でもあります。
これだけでも「人は変わるものだ」ということを実感できます。逆に言えば、文字情報ですら、自分の気持ちや心の変化、成長具合によって読解と解釈が変わるということでもあります。
ならば、文字以外で私たちが日常体験している実際のもろもろにおいても、同様であることがわかります。
それからこれは信じられないかもしれませんが、自分の変化・変容によって、現実に本の文字が変わる事もあり得ます。
いえ、物理的にはなかなかお目にかかれませんが、くっついていたところ(ページ)がはがされて知らなかった部分が現れたり、何かをこぼしたり、ページを汚してしまったりして、一部が隠されて逆にある部分が強調されたり、ある別の文章が表現されてきたりすることもあります。
高度な書物になりますと、著者側で意図的に何重もの意味を仕組んでいることがあり、読者のレベルによって、その意味が段階的に開示されていくというシステムになっている場合もあります。
これは古い書物などにはよくあることです。いわゆるコード・暗号として書かれているわけですね。
「隠者」やタロットとは関係なくても、一度皆さんも自分の書棚を振り返ってみて、ある本を読み直してみるとよいでしょう。