リーディング技術・内容
「審判」(マルセイユ版)の解釈
タロットカードを学んでいくと、わかっているようで、実はあまりわかっていないカードというのが出てきます。
いわば最初から読みにくいカードと、あとになって、深く考えるようなって初めて、本当はわかりづらい(リーディングしにくい)カードだったというものがあるのです。
これにはやはり個別性があり、人によって(あとでわかりにくくなるカードは)異なると言っておいたほうがいいでしょう。
しかし普遍的なものも、なきにしもあらずです。
マルセイユタロットの場合、そういうカードに、私は「審判」があるのではないかと思っています。
「審判」には、ほかのカードど同様、定番となる読み方や、頻出する意味もないわけではないのですが、リーディングを続けていくようになりますと、どうもありきたりの読み方だけでは通じなくなる場面が多々出てきます。それが「審判」には顕著だということです。
「審判」については、「数」からアプローチしてみるという解釈もあります。
これは比較的よく松村潔氏が、そのタロット関連の著作で書かれているものです。数を扱いますので、時間的なことにも関係してきます。
私見では、松村氏の「審判」の解釈は、私が考えている「運命の輪」に通じるところもあるように思います。
それも当然で、時間を関係させていくこと、さらに数として見れば、「10」が運命の輪の持つ数であり、「審判」はその倍の「20」になっていることからも、その関連性は明白です。(※本来はローマ数字ですが、文字化けなどのおそれがあるため、算用数字で表記しています)
また、「審判」の絵柄そのものから探っていく方法もあります。
これについては、ラッパを吹く天使と、下の復活したとおぼしき人物、周囲の二人の人物との構造・配置などから想起していくことができるものです。
ほかにも、背景や色に注目することもよいでしょう。
こうした絵柄からの解釈に、一般的には「家族」という意味も出てくるのですが、これは単純に絵柄だけのことから示されるものではないことが、「審判」をよく考察するとわかってきます。それについては、今回はあえて省きます。
ともかく、「審判」にはわかりやすいようで、奥底には難しいところがあり、単に「情報」や「コミュニケーション」等と関係させたり、「再生される」ことなどを象徴的に見て取ったりするだけでは、実際のリーディングにおいては物足りなさを感じるでしょう。
特に現実的・具体的なアドバイスとして、「審判」からのメッセージを還元させるのには、困難さが伴いがちです。
そこで、大サービスではありませんが、あるヒントを私からひとつ提示したいと思います。
それは天使のラッパに注目し、福音を聞くことにひとつの解決や突破口があるということです。
そして、やはり「運命の輪」と関係し、ほかのカードたち(言っておきますが、いわゆるタロットマンダラ的発想とは違います)との関連を合わせて見ることで、かなりのセオリー的な解釈(しかし高次の解釈)ができてきます。
具体的には・・・とここまで筆を進めてきたところで、ある存在からストップがかかりました。(苦笑)
続きは私の次号のメルマガでお話いたします。(そこでもストップがかかりましたら、ご容赦を・・・)
カードの意味と、発想の発展について。
これはおそらくタロットの種類に限らず、どのタロットでも起こりうる現象だといえますが、あるカードの普遍的ともいえるノーマルな意味とは、まったく異なる示唆がカードを見ていると得られることがあります。
当然、私の扱うマルセイユタロットでもそれはあります。
人によって、カードの意味を覚えることはあまり意味がないという人もいますし、反対の立場の人もいらっしゃるでしょう。
私はとぢらとも言えないと考えていますが、人によりけりというのが一番自分の答えには近いかなとは思います。
ただカードリーディングの技術の基礎を固めるという観点では、やはり最初の段階として、カードの表す基本的な意味は覚えておいたほうがやりやすくなると感じます。
しかし、一方でその覚えた意味にとらわれ、自由な発想が(ただし、私自身はまったくのとらわれのない自由な発想というものは、本来、通常の人にはできないものと考えていますが)できなくなる一因ともなります。
最初は結構絵柄からいろいろ浮かんでいたのに、ある言葉を覚えてから、それしか出なくなってしまった・・・というようなケースです。
けれども逆に、もともとイメージがあまり出てこない、どのようにリーディング始めればよいのか、皆目見当がつかないという人も、初めの方の段階ではいます。
そんな時に、呼び水となる言葉があったほうが便利なのです。
さて、話は最初に戻りますが、普通に考えられているカードの意味とは別のメッセージというものは、特に個別的に大切です。
カードは普遍性と個別性を同時に持つのですが、この自分だけに感じられるものというのは、文字通り、個別的な自分へのメッセージということが多いのです。
ところが、さらにカードに深く接していくと、その個別的なメッセージが普遍的なメッセージへと変わることがあります。いわば格言や教訓めいた智慧とになって現れるような感じです。
そこで、今日得られたことも簡単にご紹介します。
それは「答えをすぐに求めず、問い続けなさい」というものでした。
私たちはこのあふれる情報社会の中で、すぐに回答求めようとします。
しかしながら、実は答えをいきなり求めない問いかけがあってもよいという考えをしてみると、意外に楽になることがあるのです。
だいたいその問いというのは、大きなものの場合です。大きな問いであるからこそ、すぐには答えが出ないからです。
たとえば天命とか使命とか、自分の生きる意味とかですね。
またこれほど大きくなくても、自分に合う仕事とか、自分の本当に好きなこととか、自分の個性とかいうようなものでも、しばらく問いだけにして、答えを出すのをあせらないほうがよいです。
そして、答えを性急に求めず、問い続けていくと、やがて一条の光のような糸口が見えたり、突然、衝撃のように自分の中で腑に落ちる回答を得ることがあります。
それはおそらく問い続けたことによる自分の中の神性(完全性)との接触が起こったのであり、神(自分の中の神性)からのプレゼントだといえるでしょう。
こう書いているうちにも、いろいろなカードが私の中でイメージとともに現れます。
最初のカードからの発想は、そのカードの普遍的な意味とは少し違う感覚のものでしたが、そこから得られた示唆は次々と別のカード群を出現させ、ひとつの覚醒ストーリーを描きます。
カードは単独でも大きな意味を持ちますが、このように、ほかのカードとの関連が必然的に発生するように設計されていると考えられます。ヒントはすべてマルセイユタロットのカードの中に隠されています。
このようにカードを通して、自分の内に眠る神性を目覚めさせるのです。
対人リーディングの本質改善に向けて
タロットリーディングは、実は意外に環境や設定に左右されるところがあります。
逆にいえば、どんな状況でも同じようにリーディングすることのできる技術があれば、それは普遍的で誰にでも使える技法ということになりますが、実際にはなかなか難しいところがあります。
そのため、多くのタロット教室などではカードの意味を暗記するようなことがあるのです。(その良し悪しはここでは述べません)
つまり暗記させられている言葉が普遍的な意味を持つので、それを適用すればすなわち誰でもある一定のカードからのリーディングが可能だということです。
しかし、実際はタロットカードというものは(カードに描かれている)絵による象徴ですので、カードの絵柄の違い(それはタロット種の違いにもなります)よって、感じ方も異なることがあり、従って導き出す言葉にも違いが出てくるのも、ある意味当然かと考えられます。
これとは異なり、たとえ創作系タロットでも伝統的なタロットをベースに作られている場合は、元が同じなので、絵柄の違いはあってもカードの表す根源的なものは同じであることがほとんとです。
要するに、おおざっぱな意味では同じでも、個性的には異なってくるということです。
そして、こうした絵柄の違いだけではなく、最初に述べたましたように、カードの展開法や人間の状態、場所の雰囲気など、条件によっても読み方は変わってくることがあります。
それはセッション(他人を相手するカードリーディング相談)にもなりますと、カードだけを相手にしているのではなく、まさに人を相手にし、人間が中心となってくるからなのです。
人間は感情の生き物と言われるように、たとえ正論であっても感情が納得しないと受け入れられないという側面を持ちます。
ここに純粋にカードの意味をリーディングすることと、人間を相手にしたカードリーディングを行うこととの違いがあるのです。
人間はまさにいろいろと感じる生き物です。それにはその人の経験したこと、学んできた知識なども含めて、モノの見方・観念・信念・思い込みとしても作用します。
また周囲が騒がしければ相談に集中できないとか、この場所は昔嫌な思い出があるので気分が落ち着かないとか、昨日仕事で上司に怒られたとか、前にタロット占いでひどいこと言われたとか・・・本当に様々なことで感じ方が変わってくるのも「人」なのです。
さらには、選択の吉凶判断が求められるもの、売り上げや経済的なことでプレッシャーのある中でのリーディングなどの設定でも、またやり方と気持ちが変わってきます。
ということで、人を相手にしたタロットリーディングというものは、人(の感じ方、思い)というものをよくとらえ、知っておくことが求められます。それはつまりは自分(自分も人です)を知る(知る必要がある)という意味にもなってきます。
自分に抵抗がある部分はリーディングにもやはりその傾向が出るのです。さらにいえば、それと向き合わされる同じような(全く同じというのではなく、象徴的に同じという意味の)クライアントや相談内容も引き寄せます。
そして対人リーディングの出発点でもあり、最終的な到着点とも言えるのが、人への信頼、人への愛というものです。
「人」と言っても低次の人の部分と、高次の人の部分、さらに詳しくわければ中位の部分も存在します。それらをひっくるめて、神性なる人として融合した受容ができるかということでもあります。
これは一見他人への方向性で言っているように聞こえるかもしれませんが、結局は自分(自分への方向)という意味です。
よく「答えは自分の中にある」という表現をしますが、本当にこの意味を理解するためには人(総合的・統合的部分)への絶対的な信頼が必要です。
思えば、私のリーディング指導も、その視点はあっても具体的な実践が少し欠けていたように思います。
今後これからタロットリーディングを学ぶ人はもちろん、これまでの修了者に対しても、もっと「人」を意識した、人に対しての信頼性をもった協同的かつ創造的なものを伝えていきたいと思っています。
修了者の方にはいずれメルマガ等で、そうした方法のリーディング勉強会や講座的なものをお伝えしますので、しばらくお待ちください。なお、このやり方はまったく占い(リーダーのリーディング能力に頼る当てるカード占い)向きではありませんので、その点はご了承願います。
過去パートのリーディング一考
タロットのスプレッドでは時系列的にタロットを展開するというものがあります。
私の使うマルセイユタロットの展開法でも、過去のパートのカードを出すことがポピュラーです。
しかし、タロットを占い的に使用する場合には、「どうして過去を見る必要があるのか?」と疑問に思われる人も中にはいらっしゃいます。
占いのケースでは、その関心と焦点が今と未来にあることがほとんどなので、過去は見る必要がないと思うのもある意味当然かもしれません。
けれども、マルセイユタロットによって自己認識や自己実現を図ろうとする場合は、むしろ過去のパートはよく観察し、リーディングしておく必要があります。
その大きな意味については、講座で詳しくお伝えはしていますが、今日は講座でお伝えしている内容とは別の(結局は関連することです)観点から説明してみたいと思います。
これはちょっとスピリチュアルと言いますか、普通の考え方とは違いますので、なじまない人は無視していただいても結構です。
それは多重世界(宇宙)論を採用したものです。
簡単にいえば、過去のあなたも、今や未来のあなたもすべて別人だという考えです。いえ、同じあなたではあるのですが、あなたの内にいる別のあなたとしての表現だと言い換えてもよいです。
心理学的にはインナーチャイルド(内なる子供・記憶、エネルギー)とか、そいう発想でもよいですが、少し異なるのは実際に内なる子供も、別の時空に存在しているという発想を採り入れることにあります。
つまりは、私たちの経験は実はすべてその瞬間に別の時空に飛び、それこそ数限りないあなたの経験と記憶の宇宙(世界)に、あなた自身が無数に存在・保存されるというイメージの世界観です。
わかりやすく言えば、1歳のあなたの宇宙があり、また10歳の時のそのままの時代がエネルギーとして別時空にあるというものです。
そして精神的には、この時空を私たちはいつでもその氣になれば移動が可能だとします。
従って、私たちが過去を思う時、過去の記憶を思い出すのではなく、過去の別の時空に精神として異次元的に瞬間旅行しているようなものであると言うことができます。
これはもちろん未来にも言えることですが、未来の場合はさらに無数の可能性と想像として多くのあなたの世界が待ち受けているとも考えられますし、今のあなたが想像した分だけ、また新たに世界が創造されていると言うこともできます。
ともかく、こうした想定に立てば、あなたの過去は単に記憶ではなく、別の次元に実在している「存在」となります。
しかし一方で、未来と同じように、過去にも創造がなされるということを考えることができます。
つまり今現在のあなたが過去へと働きかけることで、これまではあなたが「過去」と思っていたある宇宙や次元へのルートが切り替わり、新たに過去に創造された別の次元(の自分)に旅する道筋ができるのです。
これは言い換えれば過去が変わる、過去の記憶が変化することと同じです。
重要なのはそれぞの多元・多層宇宙や存在が密接に関係しているということで、それぞれ独立しているようでそうではありません。またその中心はどこにあるかといえば、まさに今の思考しているあなたにあると言えます。
ですから今に集中し、現在を大切にすれば過去も未来も、別のあなたとして選択し直すことが可能になります。
選択の転換(特に過去)が行われば、今のあなたにも影響が及び、当然未来にも変化が生じるでしょう。
よくドラマや映画でタイムマシーンに乗ったり、タイムスリップしたりして過去を変えれば、今の人や世界にも影響が及んでまったく違うものになっているということがありますが、それに近い感覚です。
マルセイユタロットのある展開法では、過去が現在にも未来にもつながっているものになる場合があります。つまりは精神的(霊的)には時間を超越し、すべて関連していることをカード自体が示しているのです。
多次元・多層宇宙観に立てば、過去のあなたをよい方向や人物に選択し直すことができるということであり、それだけ今のあなたをいい状況に変化させることにもなるのです。(次元がスライドして別のあなたになる)
この意味でも、過去をリーディングすることは非常に重要になります。
答えは複数でもあり、ひとつでもあります。
タロットリーディング(ここでいうリーディングとは、吉凶や状況判断を求めるタロット占い的な性質のものではなく、マルセイユタロットの象徴を通じて、気付きや対策を質問者と読み手が一緒になって発見していく作業を言います)において、初心者が陥りがちなのは、数学のように答えがひとつだと思い込んでしまうことです。
つまりは正解はひとつしかない(読み方はひとつしかない)という考えです。
これは私たちの普段の常識や、今まで受けてきた教育によるところが大きいです。学校でも職場でも、正しいひとつの答えを出すことがいつも求められてきたからです。
しかもそれは、あるひとつのことには、それに応じたひとつの解しか見いだすことができないという考えを作り上げることにもなります。
それから多数決と言いますか、大勢の人が正しいと思うことが正解だという思考もあります。
実はタロットでは、こうした考えとはなじまない部分が多いのです。
それは一言でいえば、タロットが象徴(シンボル)でできた体系だからです。
ひとつ(あるいは複数を伴う展開)のカードから、たったひとつの「正解」をリーディングするのではなく、カードの象徴を通して多様かつ多層のストーリーや意味を読み解きます。
では正解はないのかといえば、ないとも言えますし、あるとも言えます。あえてわかりやすく言うのならば、正解は自分もしくはクライアントとして問いを発した人の中にあると答えられます。
ですから万人に共通なこともありますが、その多くは、その人個人の中では正解(普通の常識では正しくないと思えても、その人の中では正しいもの)という個別的なものでもあります。まるで禅問答のようですが、これがタロットリーディングなのです。
これは、タロットによって得られた多くの「読み」「見方」が、答えがほしい人の思いや情報とつながって、ひとつかふたつの、善いと感じられる選択肢(ストーリー・世界)を選ぶと言ったほうがニュアンス的には近いでしょう。
この「選択」というのは非常に微妙なところがあり、スパッとマニュアルのように画一的な解答が得られるわけではないと思うことが重要です。
場合によっては、まったく同じ問いで、同じ展開カードが出たとしても、読む人(タロットリーダー)やクライアントの状況・時間・場所などによっては変化することもありうるということなのです。
しかし、さらにこれも大切なことなのですが、だからと言ってタロットが当てにならないものだということではなく、それぞれのシチュエーションによって違った回答・読みが出たとしても、根源的にはその人にとってもっとも善き回答が出ているのです。
たとえばAさんが「何か趣味を持ってみたら」と読み、Bさんが「仕事を変えてみたら」と読んで、Cさんが「旅行にいくのもよいかも」と同じタロットの展開を見てリーディングしたとしても、共通しているのは「本人の変化・改革」ということだとタロットが告げていることがわかってくるというようなものです。
言ってみれば、タロットリーディングにも個性や段階(レベル)があり、みんなひとつの根源からの「表現」だということです。(従って得意分野とか、読み方の個性というものはあります)
ですから、タロットリーディングにおいてマニュアルや事例を作る(読む)ことは学習のうえでよい面もあるにはありますが、反対に悪い面(思い込み、固定した読みと答えをインプットさせがちという面)もあることを考慮すべきです。
リーディングの学習で肝心なのは、リーディングの結果(事例)を求めるのではなく、リーディングというものがどんなものであるのか、どのような見方・考え方・感じ方をもってリーディングするのかという、その過程(プロセス)を学ぶことです。
それがわかれば、タロットからのストーリーの導き出し方がわかってくるのです。答え(求められる結果)自体はあなたが読んだ複数のストーリーから、クライアントが選択してくれます。
リーダーが正しい答え、もしくはひとつの「正解」を出さねばならないと思うと、かえって自分の思考や経験の枠にはまり、何も答えが出なくなるということになりがちです。
あくまでリーダーは相手の情報を聞きつつ、タロットから導き出されるクライアントのストーリー・物語を構築するのだと思って、リーディングを行うとよいです。そうすると、答え(の候補)はあとからたくさん出てくるものです。
