リーディング技術・内容
カモワンタロットを学んだ人へ。
これまでも心の時代ということが言われていましたが、未曾有の災害や苦難がこの国にふりかかったことで、ますます今後、心という面が注目されてくるでしょう。
被災者はもちろんのことなのですが、直接被害に遭わなかった人でも、心に大きなダメージを受けていることがあります。
また、今後の社会不安の中で、少しずつボディブローのように心に響いてくる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、タロットティスト、タロットリーダーとしての立場で今後のタロットの活用を考えますと、やはり心に不安を抱えた一般の人に対しての、タロット使ったセラピーということが注目されます。
ただ一口にセラピーと言っても いろいろなレベルや方法が存在します。
心理的な治療ということを指す場合もあれば、ほっとする気持ちにさせるという意味で使われることもあるでしょう。
タロットの場合、当然正式(アカデミズム)の心理学や医学的なことで使うことは法的にも実際的にもまだ問題があります。
しかし、自分の気持ちが混乱して整理がつかない、精神的に何を支えにしてどう生きていいのかわからない、誰かに話をし聞いてもらいたいといった人に、少しでも落ち着きや安心を与えられることはできるのではないかと思っています。
特にカモワンタロットを学ばれた人は、カモワン流の特徴はよくわかっていらっしゃることでしょう。
そう、心を鏡のようにタロットに投影し、自他を見つめながら、解決や癒しを示唆するカードによってとらわれの思いを解放し、心の迷いをすっきりとしたものに変えていく、そのタロットリーディングの技法のことを。
別にそれを無理に仕事にする必要もありません。
ボランティア、身近な心の相談所として、あなたがカモワンタロットを使い、周囲の方達から癒していくことを始めればよいのです。
もちろん人を癒すには、自分も癒されていないといけませんので、無理は禁物であり、自分や家族という一番近い存在を大切にしていくことも重要です。
またたとえ自分が癒されていなくても、ほかのセラピストに癒してもらってもいいのですし、自分がリーディングで疲れたら、仲間や誰かに癒してもらうこともできます。
あなたを癒すセラピストでさえも、ほかの誰かや物事、自然などによって癒されています。
そう考えますと、結局は人と人で助け合っているのですから、「自分が完璧になっていないと人をリーディングできない」と思いこむのは早計です。(プロ的にされる方はそれなりの準備と心構えは必要ですが)
その上で何か人に貢献できることはないかと考えれば、自分の範囲の輪を少し広げ、タロットリーディングを行うことにより、人の気持ちを楽にさせていくことができるのではないかと期待しております。
私の考えるタロットの教えでは、「自分の中に神(神性)が存在する」ということが描かれていると信じています。言い方を換えれば、自分の中に神=宇宙があるという考えです。
だとすれば、自分の中に世界があるわけで、さらに言えば他人の中にも存在し、宇宙や神がひとつのものであると思えば、結局それら(自分と他人)はつながっているということになるでしょう。
ですから、タロットによって自分と人の神性を広げていくことをしていけば、周囲が世界になり、宇宙になり、神になっていくということでもあります。
小さなことでも大きなものにつながっているのだと思えば、どんなことでも大切に思えてきますね。
カモワンタロットを習われた方は、今こそ、その本領を発揮する時が来たのだと意識し、実際にリーディングを始めて行かれれればよいかと思います。
人の経験には限界があるけれど
タロットリーダー(タロットリーディングを行う人)ともなれば、いろいろな悩み・問題を抱えたクライアント(相談者)と対面していきます。
クライアントの悩み・問題は、まさに「様々」です。
それは内容が様々ということを意味しますし、もちろん質や量が様々だということでもあります。
それだけ、タロットリーダーは知識のうえでも、リーディング能力のうえでもバラエティさをもっていなければならないとも言えます。
人生経験も豊富であったほうが対応しやすいでしょう。
しかし、一人の人間が経験することはたかが知れています。漫画・アニメではありませんが(笑)、分身を使って違う体験を分身それぞれがして、最終的に全部一人の人間に帰することができれば非常に理想的かもしれません。
ですが、そんなことは現実的には不可能です。
ということは、タロットリーダーとしての人間経験の量は、「本質的には」問題ではないということになります。
だからといって、経験や体験を軽視せよということではありません。大切なのは、その人生経験の量ではなく、質であり、さらに内容を深めるということです。
「人生経験の質を深める」とはどういうことでしょうか?
私が感じるタロットからの示唆では、それは4つのことに関係していると思います。4つとは小アルカナの4組であり、風・水・火・地の四大元素のことです。
この4つ(エッセンス、要素、エレメント)を統合するか、それぞれ個別を先鋭化していくかによって、人生経験の質を高めることができると考えています。
わかりすやすくいえば、一つの体験した出来事を総合(多角)的な視野をもって考えたり、味わったりするか、一つの見方から専門的につきつめるかということになるでしょう。
例えばある恋をしてそれが終わったとして、ただ「恋愛しました」「悲しかった」「楽しかった」という思い出感覚に留まるのではなく、その感情に始まり、二人がつきあった意味、論理、金銭、肉体的なことまで、あとでいろいろな角度で分析したり、思い直したりすることです。
もうひとつは、恋愛そのものを徹底的に研究したり、比べたり、また実際に恋愛体験をさらにしていくということになるでしょうか。これはひとつを極めれば、別の分野でも通用するものになることを意味します。
タロットでいえば、前者(統合・多角)が「世界」、後者(専門・個別体験)が「吊るし」、あるいは「皇帝」との関係かもしれません。いずれもカモワン版マルセイユタロットの場合は、足を4の字に組んでいるところが面白いところでもあります。
このことはタロットリーダーに限らず、誰しもが自分の人生の経験の質を深めることによって、人に相談を受けることのできるような人にもなれるということが言えると思います。
タロットリーダーの場合は、さらに人の悩みや問いをタロットによって象徴的に追体験することによって、さらに目に見えない経験も積まれていくことになります。
ただこの時も、漫然と機械的にリーディングしていてはほとんど積み上げにはなりません。
やはりタロットとのつながりを濃くし、さらにクライアントとの相談を真剣に、自分の人生の質を深める気持ちも込めてリーディングしていくことで、リーダーの内的経験も厚みを増していくと想像できるのです。
タロットの象徴やコード(暗号)
タロットは象徴(シンボル)でできていることは、このブログでも何回かご説明してきました。
「象徴」とは、ある形や事柄を、多重に、また直観的にとらえることのできるものを言いますが、今回は「多重に」という点について述べたいと思います。
皆さん、「マトリックス」という映画を見たことがありますか?
あの映画のストーリー自体、非常に象徴的というか、寓意的なのですが、それとは別に映画のシーンの中で、緑色の数字がダァーと羅列されて流れていく場面があったのを覚えている方もいるはずです。
あの数字が、映画ではコンピュータが作り出した仮想現実のデータのようなものだったわけです。
ということは、単なる数字の集まりしか見えないものでも、見方や変換方法によってはリアルに感じられる世界が現出するということです。
同じように考えますと、たとえば私たちが普通に見ている文字、話している言葉、あるいは出来事でも、暗号的な見方をすれば、まったく別の意味や世界が現れてくるとも想像できます。
日本語の古い言葉には、実は響きによって複数の意味があったとも言われています。
いまは占い的に使われている数秘術も、数の変換によって、単なる数字を超えた意味を象徴させることが可能になっているものです。
「聖書」も実は読み方、コード(暗号)によって何重の意味にもとれると言う人もいるくらいです。
このように見てきますと、タロットも一般的に言われている意味とは別のことが、読み方や変換方法によっては隠されていることが確認できるかもしれません。
ここで重要なのは、いずれにしてもコード(暗号)や読み方にはひとつのルールがあり、でたらめではないということです。
また、そのルールというものが、当然ながら誰にでもわかるような世間での一般常識的なものではないということもあります。
言ってみれば、読み解き方や変換のルールを知らなければ、タロットでもただの絵でしかないのです。
世間や世の中がでらために見えている人は、ひとつの常識的な見方だけにとらわれるているとも言えます。
タロット、カモワン流でも、少なくとも三種類のルールや読み方があると私は思っています。
しかしまだまだほかのルールやコードが隠されていることでしょうし、マルセイユタロット全体として考察してみれば、その範囲はもっと広く多重だということになるでしょう。
隠されたコードを知るには、もちろんそれを知っている賢人から聞くことが一番早いでしょうが、たとえ聞けたとしても、そのコードを理解する次元(レベル)にいないと、結局は知らないこととほぼ同じになります。
ということは、自分のレベルを上げていくことで、タロットや賢人から開示される確率は上がるということになります。
ここにタロットをする者は自分の次元を上げていく努力が求められるのです。
そして、それは同時に新しいコード解読のルールを知ることにもなり、自分はもとより、ほかの人にその次元の情報を伝えることもできるようになるのです。
タロットで、してはいけない質問とは
タロット講座をしていますと、実践練習の時間に、
「リーディングしてはいけない質問ってありますか?」
と、受講生の方から尋ねられることがあります。
そこで今回は、そういった「リーディングに不適当な質問」というものを取り上げてみたいと思います。
とはいえ、私の場合、タロットではあるのですが、いわゆる「当てる」「予想する」という典型的な「占い」的な要素のものとは少し違いますので(そのために「リーディング」という言葉を使っています)、そのあたり、考慮していただきたいと存じます。
■リーディングに不適当な質問
●人の生死について
やはりひとの命に関わることは避けたほうがよいです。
まず軽々しく生死を占う、リーディングするという態度が不遜ですし、真剣にやったとしても、結局「当たる」「当たらない」というような観点になってしまい、どちらにしても運命論的に自ら(あるいはクライアント)を縛り、よい結果を生み出さないと考えられるからです。
●病気の具体的な治療方法について
これは法的な問題がからむというとことがひとつと、特に対人リーディングの場合、クライアントに対するリーダー側への責任問題が生じやすい危険性がある上に、リーダー側も判断する根拠が難しいというところがあるからです。
タロットで心の負担軽減や考えの変革、癒し効果は期待できるにしても、タロットで治療ができると謳うことは法的に禁じられていますので注意してください。
ただ今行っている医学的治療や民間療法が自分に合っているのかどうかの判断、かかっている医療機関、自己や家族の心的問題などについてリーディングすることは可能な場合もあります。それでもあくまで医学的判断や常識をもとにして、慎重に行う必要があります。
●犯罪行為に及ぶこと
言うまでもないことですが、クライアントが明らかに法に反すること、犯罪行為を行うことを問いにしている場合は、当然リーディングの対象からはずします。
●ギャンブル、宝くじ関係
こういう類もしないほうがよいです。第一、やってもほぼ当たりません。それは欲望が丸出しなので、きちんとした答えが出ないということもありますし、自分が冷静にリーディングすることができないからでもあります。
「それを当ててこそ占い師だ」という方もいるかもしれませんが、そういう占いはまた別のものだと思います。そして最初にも述べたように、私のやるタロットはアテモノではないので、ほとんど意味がありません。タロットに失礼だと考えるべきでしょう。
ただアテモノを極めたいという方は、私はその方法は知りませんが、独自にされてもよいかと思います。その場合は、自分の欲がダイレクトに影響しないような形で占うことが肝要だと想像されます。
宝くじ、ギャンブルのお金は何万人の人のエゴやドロドロした想念が集まって一人の人に集まるお金です。あなたはそういったお金を得たいと思いますか? それをコントロールする自信はありますか?
万が一当たっても、自分も楽しみつつ人におごるか、大きく寄付されたほうがよいでしょう。
●あまりにも思い詰めている内容
たとえば、恋愛で非常に思いが募っている片想いの相手、人間関係で憎しみ哀しみがあまりにも深くてその人のことを思うだけでおかしくなるような相手、タロットをする手がブルブルふるえて、怖くてタロットを表に返すことすらできないような決断事項など、あまりにも強烈に思いこみ過ぎている事案は避けたほうがよいです。
そんな場合は自分でやらず、同じタロットや技法を使うプロのタロットリーダーやタロット仲間に見てもらったほうがよいでしょう。
●夕ご飯のおかずを決めるなどの些細なこと
これは別に避けなければいけないというものではありませんが、せっかく神聖なタロットリーディングを行うのですから、もっと自己実現を図る意味での、大きなテーマ、重大な課題についてやるほうがそれだけ受け取る内容も意味を持ち、深くなるということを言っています。
ただ、あくまでリーディングの練習だと割り切って行う場合はよいです。やる前には、タロットにもそう宣言して了解しておいてもらいましょう。
総合的に大事なことは、
1.現実や常識を忘れないようにすること
2.タロットの扱い(リーディングの時間・質)を大切にするということ
の二点です。
きちんと調べればすぐわかること、科学や常識に照らしてタロットを展開せずとも解決できる問題、そもそもタロット展開することになじまない話題は、タロット以外の方法があることを常に念頭に置いておくことです。
タロットは私たちの日常的思考ではとらえがたい問題、心の状態など目には見えにくい問題、枠を打破する考えを得たい場合などの新しい情報、観点の異なった見方として展開するものです。
現実を無視するのではありません。現実をよりよく生きるための智慧として使うものなのです。
そしてやはりタロットをぞんざいに扱えば扱うほど、そのタロットの展開の現れ方、リーディングの質もいい加減なものへとなって行きます。
つまり人と接する時と同様なのです。軽く扱えば軽いものになるということです。
「神の家」のようなタロットによる衝撃、感動を得たいのならば、タロットの時間は神聖であるという意識が大切です。
ただあまりに重々しく考えるのも問題です。要はバランスと区別なのです。
親しき仲にも礼儀ありという感覚でタロットと接してみてください。
タロットリーダーのタイプ 女性編
最近はだいぶん変わってきましたが、タロットに興味を抱かれるのは、どうしても女性の方のほうが多くなります。
そしてまたタロットリーディングを受ける側も、やはり女性がほとんどです。
ということで、特に女性を対象に、タロットリーダーのタイプというものを考察してみたいと思います。
これもタロット(カモワン版マルセイユタロット)の大アルカナで観ていくとわかりやすいです。
まず大アルカナの中で、見た目、女性を表しているカードは、「斎王」(他の一般的なタロットの呼び方では「女教皇」)、「女帝」、「力」、「節制」、「星」といったところとなるでしょう。
「正義」も実は女性であったり、「世界」は女性ともとれる(本来は両性具有)こともあったりするのですが、とりあえずは今回は省いておきます。
ではそれぞれ特徴を述べていきましょう。
【斎王タイプ】
まさに女性タロットリーダーそのものといった感じですが、チャネリング・アカシックレコーディンク的なサイキックな能力がある人もこのタイプに入ってくるでしょう。人と活発にコミュニケーションしながらリーディングしていくというよりも、タロットそのものや精神的な存在との静かで深い対話によって、話として伝えるよりも、時には文章や別のもので伝えていくことにも向いている人です。
【女帝タイプ】
企画力に優れ、起業したり、ほかの仕事をしながらタロットリーディングも提供していくというもの。単にタロット占いするというものではなく、ビジネスなども含めてあなたのアイデアやプランをタロットに交えてアドバイスしていくというタイプです。自分のサロンを持ったり、自分を中心として人を集めていく能力にも優れています。
【力タイプ】
自分の経験や問題を乗り越えてきた自信をもとに、人々に勇気と輝き、パワーを与えていくといったことを目指していくタイプです。タロットリーディングにおいても、ただタロットを読み解くといった受動的なものではなく、問題を見据えながらも、いかにして未来をよりよい方向にしていくかといった観点で、コーチング的な要素をもって、クライアントに生きる希望と活力を与えていくタロットリーダーです。
【節制タイプ】
癒し、ヒーリング、看護などの要素を主体に、まさに人と天上の仲立ちの「天使」的な役割として、人々を救済する立場でタロットリーディングしていくセラピストタイプです。タロットのみならず、ほかの技法と組み合わせて、それらを融合させながらクライアントの問題に対応していきます。タロットは厳密的(法的)な意味では医療としては使えませんが、心身の調整・癒しの側面からアプローチすることも可能です。
【星タイプ】
お金を取ってプロとしてリーディングすることもありますが、広い意味でタロットの活用を考え、どちらかといえばボランティア的にタロットリーディングを提供していくタイプです。福祉や対人支援など、利益よりも大きく社会的・宇宙的な意味合いでタロットを活かしていきたいと考えます。また女性としての立場で考え、子育て・母親を応援していくなどのこともあります。
さてあなたはどのタイプが適しているでしょうか。あるいはどれを目指しますか。
もちろん、これらが複合的に組み合わさったタイプもあります。ほとんどの人は複数のタイプを持つことになるでしょう。
また最初は自分はこれだと考えていても、タロットを学習しているうちに、別の側面が出てくることに気がつくこともあります。
マルセイユタロットはどれをも可能にすることのできるすばらしいツールなのです。