リーディング技術・内容

タロットリーディングアドバイス企画

以前、タロットを使っている方で、自分自身のリーディング・占いはわかりづらいので、他人の観点や別のタロットからの視点がほしい方に、私からアドバイスするみたいな企画をいたしました。

それをふと思い出しまして(笑)、似たような企画をまたやってみたいと考えました。

今回は、マルセイユタロットのリーディングや占いをしている方限定での対象とします。

プロでもアマでも構いませんが、プロの方は、自分のやり方が確立されていることが多く、他人のアドバイスはむしろ逆効果のことがありますので、やはり、まだ自分ではタロットの見方に自信がないとか、駆け出しの方、アマチュア的な人のほうが、この企画には向いているかもしれません。

方法はZoomを使いまして、ご自分のタロット展開や図像、問いなどをご説明いただき、それについて、当方が私なりのやり方で、おなじテーマ(問い)について、改めて展開したものを参考に、アドバイス(私の観点での意見や感想)をさせていただきます。

マルセイユタロットを学習したけれど、リーディングについてまだ自信が持てない、一部のカードの解釈がうまくできない、自分の問いなので客観的に読めない・・・などお困りの方、私でよければ他人目線(笑)としてお使いください。

及ばずながらのところもありますが、一応、私は長い間、マルセイユタロット専門でやってきていますし、マルセイユタロットの講師でもありますので、素人さんや、ちょっと勉強しただけの人、独学の人、別のタロットを専門としている人とは違う意見は期待できると思います。(苦笑)

なお、普通にリーディングをを受けたい方は、まだ特別リーディング期間を継続中ですから、今、お申込みいただければ、大幅割引価格にて、本格的なマルセイユタロットのリーディングをZoomで受けられます。こちらについては、もちろんタロットを知らない人でも、どなたでも受けることができます。特別サービス期間も、いつ終了させるかわかりませんので、今のうちですよ。

◆マルセイユタロットリーディングアドバイス企画

●対象

マルセイユタロットを学習し、リーディングをしている人、リーディングをしたことがある人。プロ・アマ、自分向け・他人向け、有料でやっているか無料かは問いません。(とにかくマルセイユタロットのリーディングに挑戦したことのある人が対象) マルセイユタロットの種類(版)も問いません。※ウェイト版など、マルセイユ版ではないタロットは対象外です

●募集人数

1名

複数以上のご応募の場合、タロットによる抽選で決定いたします。

●内容とご提供方法

対象として決まった方は、タロットに対する問いと展開法をメールで画像付きでお知らせいただき、日時を調整のうえ、Zoomにて、一対一で話をしながら、お互いの見解を交換し、その問いについてのリーディングを高めます。

●応募方法・期限bk

このサイトの「お問合せ・お申込み」から、メールにてお願いします。(「お問合せ・お申込み」の、どの欄に書いても届きます) なお、簡単なマルセイユタロット学習・リーダー歴、お使いのマルセイユタロットの版名(カモワン版、グリモー版などの名前)をお書きください。お名前はご本名か、活動名でお願いします。(ニックネーム・仮名などでは受けつけいたしません)※応募の際は、問いや展開画像等はいりません。

応募期限は6/21(日)中までです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 


小アルカナとリーディングの二方向

マルセイユタロットでは、大アルカナと小アルカナ(のうちの数カード)の絵柄はかなり異なり、特に小アルカナ数カードは、その記号的な絵柄もあいまって、なかなか読みにくいということがあるようです。

残念ながら、日本では、マルセイユタロットはいまだマイナータロット(苦笑)ですので、マルセイユタロットに関する読み方の本はとても少なく、独学は不可能に近いかもしれません。

また、マルセイユタロット使い・講師の方でも、旧タロット大学で学習した関係者、その方々からの流れの人が多く、いわゆる「カモワンタロット」のリーディングメソッド(カモワン流)が広まっていることがあるのですが、カモワンメソッドでは大アルカナが重視される傾向があり、小アルカナの扱いと読みについては簡略されていたところがありました。

私は旧タロット大学出身で、カモワンタロットから入りましたが、だいぶん前に独立して、オリジナルな道を進んでいます。

そのうえで、自分なりに小アルカナの読み方の方法を探求、実践してきました。その中には、おそらく、どの講座でも言われていない方法があると思います。

それはさておき、小アルカナにも、実は読み方としては、ふたつの方向性があります。

そのふたつの方向性は何かと言えば、昨年、同時期に書いたブログ記事に詳しいので、再掲しておきます。

「タロットリーディングの二方向性」

つまり、タロットリーダー側がタロットの象徴性や意味を当てはめて読む方向性と、タロットの側からタロットリーダーに向けて、まるでタロット自らが、問いやテーマとして語りかけてくるかのような方向性です。

タロットを見るか、タロットから見られているかの方向性の違いと言い換えてもよいでしょう。

これを小アルカナにもあてはめることができます。

しかしながら、特に数カードは、記号的な図柄になっていますので、タロットからの方向性を想像するのは困難かもしれません。

私の生徒さんにも言っておりますが、小アルカナのリーディングには、まず慣れが必要です。

簡単に言えば、小アルカナと仲良くなる意識と言いますか、感覚です。

人間でも、相手のことで苦手意識があれば、あちら側に伝わり、ますますコミュニケーションが取りにくくなります。

ですから、小アルカナと親しくなり、日常使いできるようになっていくのが大事です。それは読むのではなく、慣れるということであり、何かメッセージを得ようとか、リーディングして意味を見出そうとか、意識を向け過ぎないことです。

それより、最初は、戯れのように、小アルカナと遊ぶことがいいのです。

そして、4組ごとのイメージを持つようにします。具体的には、数カードならば、剣・杯・杖・玉(ソード・カップ・ワンド・コイン)の10枚セットごとに、それぞれの組(つまりは四大元素になりますが)を全体でとらえるようにします。

すると、先に挙げたふたつの方向性のうちのひとつ、タロット側から見られている意識のようなものが、数カードからでも浮かぶようになってきます。

大アルカナでは、カードを使ったタロット瞑想というのは、割とメジャーですが、小アルカナを瞑想することは、あまり言われていません。

でも、小アルカナでもいいわけです。

私は小アルカナをアクティベートすると言っていますが、小アルカナを活性化しないことには、なかなかリーディング、いや、リーディングすること、読むことを、カードが助けてはくれません。

タロットリーダーとして、忘れがちなのは、タロットの声を聴くという感覚であり、学習してタロットに慣れてくると、思考と論理性、つまりカードの意味を問いに当てはめようと、ガチガチになってくる傾向があります。

むしろ、最初の頃の感覚、タロットとお友だちになろうとしていた時のあの感覚を思い出すことです。

また、絵がないとイメージできないというのは早計です。

それは視覚を強調しすぎるからでもあります。人間には、五感としての視覚以外の感覚もありますし、第六感といわれるような、不思議センサーもあると言われます。

もちろん、タロットは図像ですから、小アルカナと言えど、視覚から入るのが当然です。

しかしその視覚から入ってきたものを、別の感覚に置き換えることで、絵からだけではない何かをつかむことができます。

小アルカナの数カードは、視覚にウェートを置きすぎる感覚をバランス化したり、調整したりすることにも役立つのです。(ゆえに4組に分けられています)

自分がタロットを見て、必死で読もうとするのではなく、何も浮かばない、意味がわからない・・・といった状態に陥った時、方向性を反転させて、タロットから自分が見られているという感覚・空間にして、タロットが自分(タロットリーダー)全体を包み込むかのような雰囲気にすると、あなたはタロットの世界に参入したようになり、カードの声を聴きやすくなります。

それは顕在意識の停止・死のような感覚であり、自我というのもを手放すのにも似ています。平たく言えば、読み(読もうとする意識)のあきらめ、お任せみたいな感じです。

しかし、矛盾するような話ですが、だからと言って、まったくの無知識では、何も機能せず、ある程度の理性・知識があってこそ、そうした通常の思考方法とは別の世界があることに気付くようになるのです。

言ってみれば、光のためには闇が必要であり、そのまた逆も言え、二元性質の理解(きちんとした区分け)によって、一元(二元の統合次元)が見えてくるわけです。

だから、別のものを分離する認識力は、知性から生み出されるのです。

要するに、ただタロットを眺めていても始まらず、ある程度、勉強しないとだめですよ、ということです。(笑)


天使のカードたち

マルセイユタロットの大アルカナで見た場合、天使、あるいは天使的な象徴絵図を持つカードは次のカードたちです。

「恋人」「節制」「審判」「世界」

たった4枚しかないと言えますし、逆に4枚もあるという感じもします。

もっとも、天使的な絵がないカードでも、天使を象徴させると考えられるカードはあります。が、ここでは、絵として明らかに天使的なものが描かれているカードのことを言っています。

天使の象徴にはいろいろな解釈があると思います。

四大元素的に考えることもできますし、一般的な印象で、救いや癒しということもあるでしょう。

象徴は核になるもの(本質やエネルギーのようなもの)は同じでも、多重・多層に意味を見出すことができ、それゆえ、具体性や個人個人(個別)においては、違う言葉や意味になることは普通です。(この部分はさらっと書いておりますが、タロットの解釈を理解するうえで最重要なことです)

ですから、一口に「天使」と言っても、人それぞれのとらえかた、意味合いが出てきます。

もし、あなたが、宗教的、あるいはスピリチュアル的に「天使」の存在を信じていれば、カードにおける天使の象徴も、実在性を帯びると言いますか、かなりほかの人よりリアリティあるものとして認識されるでしょう。

リアリティがあるということは、それだけ本当に(現実的に)力を持つということです。

従って、天使が信じられる人にとっては、天使のカードは大きな効果やパワーを実際に持つようになるのです。

このことは、天使に限らず、タロットにおる象徴が、その人にとってリアリティがあればあるほど意味を持ってきますし、現実にその力を発現させやすくなります。

これは別の見方をすれば、タロットリーダーが、タロットの絵図の象徴を、クライアントの実際性・リアリティ性にどれだけシンクロさせたり、結び付けたりすることができるかにもよってくると言えます。

さて、天使の象徴カードに戻ります。

これら天使カードの4枚は、厳密に言えば天使ではないものも含まれますが、一応天使的なものとして今は考えます。

それでも、一枚一枚、どれも同じ姿の天使は描かれていません。そもそもマルセイユタロットにおいては、細かな意味で、まったく同じ象徴の絵図は存在しません。似ていても、どれも微妙に違えて描かれています。

この法則からしても、天使はわざと別々の絵図になっていることがわかります。

ということは、それぞれ別の意味や役割があるのだと取ることができます。また、それでいて、当然ながら、全体としては、やはり「天使」なのです。

ここから考えて、もしかすると、マルセイユタロットの天使カードは、個別の一枚ずつの意味を見出しながらも、4枚セットというひとまとりで見る必要もあるのではないかということです。

すると、天使のカードたちの解釈も、また面白いものになるのです。


タロットの組み合わせを入れ替える

タロットの展開法、いわゆるスプレッドというものは、いくらでもあります。

もちろん、伝統的・代表的で、広く知られている基本のようなものもあるのですが、今この時でも、自分のオリジナルなものを発明している人もいるかもしれず、しかも、タロットの種類によっても違うものがありますから、それこそ、無数にあると言えるでしょう。

展開法にとても重要な意味を置く人と、ほとんど重要視していない人が、タロット使いの人の種類として存在します。

私の立場・考えで言いますと、ある展開法にはこれでなければならないという強い思い入れや展開法のルールを順守する姿勢があるのですが、一方、展開法・スプレッドは、実はなんでもいいという思いも同時にあります。

タロットは一種のゲーム(お遊びとかの意味ではありません)として考える部分があり、ゲームにはルールが必ずあります。

そのゲームのルールを途中で変えることはタブーと言えます。ただ、ゲームをしている者たちの間で了解が取れれば、途中変更もありですが、しかし、ゲーム自体を成立させているルールの変更は問題です。

スポーツで言えば、例えば、サッカーをしていたのに、これからはバスケのルールにしますね、では、まったく違うスポーツになります。

これが、サッカーで最初は11人制でしていたけれども、人数が集まらないので(やる人が減るので)、5人までというルールで、ゴールとフィールドも狭めたものに変えましょうか?というのは、双方のチームが了解ならば可能ですし、サッカーという本質のゲームも変わっていません。

タロットの展開法の適用も、つまりは、そういうことです。

そして、タロットでのセッション、リーディングの目的が、クライアントの問題解決やアドバイス、癒し、気づきに導くことにあるのなら、それができる(目的が達成できる)ものであれば、タロットの展開法など何でもいいということになります。

さて、前置きが長くなりましたが、私は、展開法は結構、オリジナルや自由でやるのが好きなところがあります。(セッション・リーディングでは、ある決まった展開システムとルールのもとで、厳格にやることが多いですが)

そんなもののひとつには、カードを数枚引いて、すべてを自分(または問い)の象徴と見て(まあ、タロットとはそういうものですが)、いろいろとその出たカードを並び替えてみるという方法があります。

この方法を行う場合、一枚だけだと、正逆の位置くらいしか入れ替えができませんから、まずは最低、二枚のカードは引かねばなりません。

ですが、二枚では情報量として少ないと言えますから、やはり3枚を基本として、慣れれば5枚くらい増やして行けばよいでしょう。

正逆は取らず、正立だけで見ます。(すなわち、いい悪いを含めて、あるいはそれらを超えて、そのカードそのものの象徴総体として意味を取るということ)

シンプルに見たい時は3枚、もう少し深く見たい時は5枚という感じでしょうか。

本当はテーマを掲げずに、ただ引くだけでいいのですが、テーマをあえて最初に設けてやっても構いません。

では、ちょっと例示してみたいと思います。

今、皆さんの関心としては、新型コロナウィルスのことがあると思いますから、それをテーマにして5枚引いてみましょう。

引くカードは大アルカナ22枚の中からとします。

では、私が引いてみます。

はい、出たカードは、マルセイユ版の私が使う名前の言い方で述べますと、数の小さい順から、1「手品師」、3「女帝」、14「節制」、18「月」、20「審判」でした。

今は数の順で挙げましたが、これらは実際にはバラバラに引いて出て来たもので、それを並べ替えをして観察します。

マルセイユタロットをお持ちの方は、自分でもやってみてください。

並び替えは、引いたカードを裏向きにしてシャッフルして整列させてもいいですし、自分の感覚で、表向きのまま、なんとなく並び替えてもいいです。

図像を見ないように裏向きにシャッフルしてやったほうが面白いかもしれませんが、あえて図像を見ながらのほうでも気づきがあります。

今回の例としは、「新型コロナウィルス問題」としてのテーマ(問い・大テーマ)がありましたが、カードを引いたあと並び替えをする時に、もっと具体的テーマ(小テーマ)に絞って、さらに小テーマごとに、入れ替えて見ることも可能です。

「ウィルス問題」を大テーマとして、「今後どうなるのか?」という小テーマで並べ替え(シャッフルして出す)てもよいですし、「今自分にできることは?」でもよいでしょう。ほかにも、「自分はこの問題をどのように見たらよいのだろうか?」というもので、やってみるのもありです。

事例は、皆さんが気にしているテーマにしましたが、もちろん、自分特有のテーマ、問題(問い)にしても使えます。

そして、先述しましたように、テーマも問いも決めずに、ただタロットを数枚引いて、いくつかのパターンに並び替えて見ることで、自分に気づきが起こることはよくあります。

並び方も横一例にきれいにする方法もあれば、ある図形になぞらえたり、ランダムに、自分の置きたいところに置いたりするというのでもよいです。

何回かやっていると、不思議なもので、数枚のカードのそのカードたちにおける組み合わせは(枚数にもよりますが)たくさんあるにも関わらず、なぜか、「これだ!」「この展開(並び)だ!」と思う、唯一のものがわかるようになります。

たぶん、その並びこそが、あなたに対して、あるいはテーマにとって、今タロットが告げたいことなのでしょう。

出た(選ばれた)タロット自体に強い意味があると考えられるうえに、さらに、並び替え、組み合わせにおいても、確かなメッセージ性やインパクトを残すのなら、それはやはり特別な意味があると考えるのが、タロットでは妥当かと思います。

自己リーディングでは客観的になれずに、難しいところがあるのですが、この方法だと、意外にタロットを俯瞰して見ることができ、普通に問いを思って、自分でタロットをある展開法によって引いてリーディングするより、読みやすいかもしれません。

実はリーディングの練習にもなりますので、興味のある方は、ぜひ一度、やってみてください。


展開法、スプレッドの作り方

タロットの並べ方、いわゆるスブレド・展開法は、いくらでもあると言えます。

とは言え、伝統的と言いますか、タロットのサイトとか、タロット本を見れば、王道としてどこでも紹介されているような展開法は、それだけ使いやすいのだと考えられます。

タロットの展開法にこだわる人もいますが、個人的には、なんでもいいのではないかと思っています。

前にも書いたことがありますが、結局、どんな目的をメインとするのかによります。

占いとかタロットリーディングの目的は、結局、相談者・クライアントの問題解決とか癒し、幸せに導くことになってきますから、それができるのであれば、方法は何でもOKと言えます。

極端なことを言えば、たった一枚のカードでも、クライアントによいアドバイスができ、相手も納得できるものであったのなら、それでいいわけです。

逆に、やたら複雑な展開をしても、相手にさっぱり伝わらない、何もカード群から適切なものが思い浮かばない、カードが読めない・・・となれば、形式倒れで、中身はないと言えます。

ということは、どんな展開法・スプレッドでもいいので、タロットリーダー側が使いこなせるもの、その展開法で読める自信があるものを選択していくことが重要になります。

しかしタロット学習初心者の段階では、一枚引きすらうまく読めないこともありますから、もっとたくさんの枚数の出る展開法のリーディングが難しいのは当たり前です。(余談ですが、実は一枚引きは枚数こそ少ないですが、リーディングとして情報が限られますので、かなり難しい展開法の部類と言えます)

ですから、三枚くらいのものの、セオリーとも言える展開法から入って、それに慣れていくことが段階としては大切になるかもしれません。

ある程度、少ない枚数のものに慣れたら、やはり、もっとたくさん枚数の出る展開法にチャレンジしていくとよいでしょう。枚数が多ければ、情報量も多くなり、それだけ、深く広いリーディングが可能だからです。

単純な展開法だと、読み方も浅くなってしまう傾向があります。

そして、多くの人に使われている展開法は、使いやすいとは言えますが、ずっとタロットをやっていくと、自分に合わないと感じるようになることもあるかもしれません。

そういう場合、自分でオリジナルな展開法を作るのもよいです。

師や先生を持たず、自分でタロットを学び、リーディング技術を身につけていく人の中には、最初からオリジナルの方法を試していく人もいます。

世に披露されている展開法は、あくまでモデル・型みたいなもので、最終的には自分流の使いやすい、読みやすい方法に変更したり、新しいものを発案したりして、それに効果があるのであれば、常用していくのはありでしょう。

そこで、オリジナルなものを作るに当たり、たぶん知っている人は知っているでしょうが、ここでヒントを挙げたいと思います。

一番重要なのは、ストーリーの構成要素を考えることです。

タロット占い、タロットリーディングは、結局、人に伝達する形を取るので、それは一種の「物語」形式なのです。

皆さんも論文の構成などで、学校で学ばれたかと思いますが、序論・本論・結論とか、起・承・転・結とか、人に伝えるストーリーや文章には基本の型があります。

タロットを使って人に話をする場合、占い要素を重視するケースでは、時系列(過去・現在・未来の要素)はほしいところです。なぜなら、占いは、特に、状況推移や未来を知りたいという人が多いからです。

カウンセリング的なリーディングにおいてタロットを使う人の場合でも、時系列、特に過去は大事なので、やはり時系列要素は必要と言えましょう。

あと、問題を示す要素、それを解決していく要素、それに、この世は人間社会ですから、の要素(鍵となる人物とか、理想の人とか、人間関係なら相手や自分を表す人物像とか)もあるとよいです。

タロット界では、ケルト十字という有名な展開法がありますが、あれの10個の要素(カードを置くところの意味)は、占いに来る人の、知りたい情報をうまく網羅しているのです。

このような「要素」を挙げていき、それらを起・承・転・結とか、いつ、どこで、誰が、どのように、どんな方法で・・・みたいな、国語で習ったような質疑応答、物語作成法に従い、並べて行きます。

そして、その「要素」こそが、カードを引いて置く場所になります。すると、あら不思議、あなたのスプレッドが完成するわけです。

図形の意味とセットにして、ある図形上に形を整えていくと、さらにそれらしく見えてきます。

例えば、△(三角)を使う並べ方はよくありますが、これらの角の三点の位置に、要素としての意味を置きます。(形はよくあるものでも、自分なりの意味・要素を置けばオリジナルになってきます)

そうですね、ぱっと思いつく事例としては、左に「現実(物質)」、右に「精神(心)」、上の頂点に「統合観点」という要素・意味とします。

すると、

●統合

●現実 ●精神

のような三角形と意味になります。(上図は三角ではないですが、三角として想像してください)

この三点にそれぞれ、カードをシャッフルして一枚ずつ置くとします。

今、仮にやってみましょう。(今回はマルセイユタロットの大アルカナのみで)

結果は、

●統合観点(斎王)

●現実(悪魔) ●精神(愚者)

こんなカードたちが出ました。(これも三角図としてイメージしてください)

このカードを引いた人は、物質・現実としての象徴性に「悪魔」、精神性においては「愚者」、それらを統合するのに「斎王」ということになります。(皆さんへのメッセージにもなります)

読み方はいろいろありますが、一例として、「悪魔」に支配される現実から、心は「愚者」のように自由になりたいと思うものがあり、その対立・葛藤が問題になっているのですが、「斎王」は精神性と受容性のカードですから、気持ちとしての「愚者」を重視しつつも、「悪魔」を受け入れ、そこから脱却するには、どうやら現実の学びが必要である(斎王の意味から)とわかるわけです。

つまりは、逃避するより(あるいは、今の現実から逃げたければ、変えたければ)、逆に現実(「悪魔」に象徴され、自分が嫌っている世界・事柄を)学べということですね。

この「要素」は、今、抽象的と言いますか、精神とか物質とか大まかな感じで、具体的に絞っていないので、読みにくいかもしれませんが、もっと、仕事の問題、自分が望んでいる状態、解決策やアイデアというように、わかりやすく、具体性をもって要素を設定することで、カードをもっと読みやすくすることができます。

この△の例は、気づいた人もいると思いますが、マルセイユタロットの「運命の輪」をモチーフに思いついたものです。あるいは、弁証法の形でもあります。

このように、一枚のカードをもとに、展開法、スプレッド作るという方法もあります。

まあ、究極的には位置とか形を決めなくても、思いついた要素をその都度、カードから引いて行けば、出たカードと要素の意味をつなげていくと、自然にストーリーになっていることもあります。

この場合は、物語を構成する力と、問題の本質に行き着くための質問力が要求されるでしょう。

ということは、いわばコーチングであり、カードを使って自由に聞いていく(自由とはいえ、目的のために質問を計算的に、意図的に選択している)ことができる人は、コーチング能力や技術がある人ということにもなります。

それが難しい場合は、最初から決められている展開法、スプレッドを使うほうがやりやすいです。王道のスプレッドは、それだけ、スートリングが自動的にできるようになっているからです。


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