迷った時に
選択の要素と意味
タロットにはどちらか迷った時に判断させる二者択一の展開法があります。
いろいろな方法があるので、ここではご紹介しませんが(タロットを学べばできるようになります)、今回は二者択一そのものについてふれたいと思います。
人がどちらかの選択で迷う時、双方のメリット・デメリットをまず考えるでしょう。
たとえばAの仕事は安定しているけれど、人間関係がつらい。
Bの仕事は人間関係もよく、働きやすいけれども不安定で給料が安い。
両者の利点・欠点を集合させて、何とか利点を上回るほうを選びたいと考えます。
イメージしてみてください。
Aの長所の固まりのような棒グラフがあり、それにAの欠点の部分を斜線で示す。同じようにBも棒グラフで長所短所を表します。
そこで斜線の入った部分を取り除き、残った長所の棒グラフが長いほうが選択されるべきものとなります。
ところが、ここで重要なのは、あくまでのそのメリット・デメリットは現時点でのあなたの想像や仮定に過ぎないということです。
それともうひとつ、判断の基準となっている考えが、あなたの今の価値観であるということにも注意しなければなりません。
つまり、先述した棒グラフでいえば、あなたの思い次第で長所の部分も短所の部分も長さが変動してしまうということです。
そうすると、そもそも比較すること自体が無意味になってきます。
しかしながら、あなたが何に一番重きを置くかによって、選択をする意味を持つ場合もあります。
たとえば上の仕事の例でいえば、あくまであなたの選択ポイントが「給料」であるというのならば、シンプルに給料の要素だけのグラフを見るということです。
ほかの要素も単一要素としてそれぞれグラフ化してもよいのですが、ウェートは「給料」グラフに置きます。
選択の際は要素を複雑化しない(あれもこれもと混ぜて比較しない)ことが、決断の早さを生みます。
ただ不思議なもので、いろいろと比較検討し、あるいは突然ふっきれて自分でベストと思える選択ができたとしても、結局どちらにおいてもあなたに必要な学びはやってくるということです。
どちらに進んでもよいことも悪いこともあるのですが、それも自分の成長にとって必要なことなのだと思うと、選ぶのも楽になってくるでしょう。
仕事を辞めるかどうか。
相談で多いのは、二者択一の悩みです。
仕事を例に取りましょう。
人間関係や仕事内容のつらさで辞めたいけれども、辞めると次の職場が見つかるかどうか心配。見つからなかったら経済的にどうしよう、見つかってもまた難しい職場だったら・・・
このような悩みのパターンはとても多いといえます。
タロットをすると割とはっきりとすることが多いのですが、それでも両方どちら(辞める、辞めない)かすぐに判断がつかないこともあります。
こういう場合、得てしてどちらでもよいケースだといえます。
しかしながら、問題なのは本人の中である特定の考えが強固になっている場合です。
わかりやすく上の例でいいますと、「辞めると次の仕事を探すのは困難」「次もいい職場が待っているとは言えない」という自分自身の強い思いこみがあるということです。
つまり 不安>期待 という構図が、自分の考えによって成立している時に迷うということです。
そういっても、普通の人間ならば次の職のことについて不安に思うのは当たり前でしょう。ましてや今の世界的な状況と日本の状態では不安に思わないほうが不思議です。
ところが、人はよくも悪くも一番強く信じていることが実現します。
「次もダメだろう」「無謀に転職してえらいことになるのでは・・・」という不安が、「次はよくなるだろう」「何とかなるものさ」という期待感を大幅に上回っている状態では、自分の信じている不安の事柄を実現させてしまうことは可能性として大きいと言わざるを得ません。
従って、転職することに希望と期待感、よくなる確信感をもてない間は辞めることを控えたほうが安全です。
大切なのは自分の中にある思いこみや考えを、常識や世間とは切り離して見つめ、自分を中心にした思考に変えていくことです。
自分はどうしたいのか、自分はどうなりたいのか、これをはっきりさせ、そのためには今の仕事を辞めることが必要で重要ならば、すぐに決断できるはずなのです。
単なる逃避からの行動は、罪悪感と混乱が自分の中に残っていますので、同じこと(状況)を引き寄せる結果になりがちです。同じことを再現して解消したい心の働きが残っているからです。
それでもがんばってはみたものの、どうしてもつらく、このままでは心身が壊れるということならば、それは辞めたほうがよいです。
辞めるのならば、辞めてから心身が回復すること、整った心になることをイメージし、罪悪感を持たず、次なる自分の安定に心も行動も集中していくことです。
追いつめられ、やぶれかぶれで行動した人が成功を収めたりするのは、退路がないことを知り、陰極まって陽になるがごとく、前進あるのみの意識の転換が無理からに起こったからとも考えられます。
ほかに考えることのない収束ビームのような未来志向意識が、不安やネガティブさの入り込む余地を吹き飛ばしているともいえるでしょう。
どの道、周りも自分も必ず変化していくのが世の常です。自分から変化を起こすか、周囲の変化を待つのか、それはまさに自分次第なのです。
選択については、いろいろと方法がありますので、またタロットのことを交えながら解説したいと思います。