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タロットの象徴やコード(暗号)

タロットは象徴(シンボル)でできていることは、このブログでも何回かご説明してきました。


「象徴」とは、ある形や事柄を、多重に、また直観的にとらえることのできるものを言いますが、今回は「多重に」という点について述べたいと思います。


皆さん、「マトリックス」という映画を見たことがありますか?


あの映画のストーリー自体、非常に象徴的というか、寓意的なのですが、それとは別に映画のシーンの中で、緑色の数字がダァーと羅列されて流れていく場面があったのを覚えている方もいるはずです。


あの数字が、映画ではコンピュータが作り出した仮想現実のデータのようなものだったわけです。


ということは、単なる数字の集まりしか見えないものでも、見方や変換方法によってはリアルに感じられる世界が現出するということです。


同じように考えますと、たとえば私たちが普通に見ている文字、話している言葉、あるいは出来事でも、暗号的な見方をすれば、まったく別の意味や世界が現れてくるとも想像できます。


日本語の古い言葉には、実は響きによって複数の意味があったとも言われています。


いまは占い的に使われている数秘術も、数の変換によって、単なる数字を超えた意味を象徴させることが可能になっているものです。


聖書」も実は読み方、コード(暗号)によって何重の意味にもとれると言う人もいるくらいです。


このように見てきますと、タロットも一般的に言われている意味とは別のことが、読み方や変換方法によっては隠されていることが確認できるかもしれません。


ここで重要なのは、いずれにしてもコード(暗号)や読み方にはひとつのルールがあり、でたらめではないということです。


また、そのルールというものが、当然ながら誰にでもわかるような世間での一般常識的なものではないということもあります。


言ってみれば、読み解き方や変換のルールを知らなければ、タロットでもただの絵でしかないのです。


世間や世の中がでらために見えている人は、ひとつの常識的な見方だけにとらわれるているとも言えます。


タロット、カモワン流でも、少なくとも三種類のルールや読み方があると私は思っています。


しかしまだまだほかのルールやコードが隠されていることでしょうし、マルセイユタロット全体として考察してみれば、その範囲はもっと広く多重だということになるでしょう。


隠されたコードを知るには、もちろんそれを知っている賢人から聞くことが一番早いでしょうが、たとえ聞けたとしても、そのコードを理解する次元(レベル)にいないと、結局は知らないこととほぼ同じになります。


ということは、自分のレベルを上げていくことで、タロットや賢人から開示される確率は上がるということになります。


ここにタロットをする者は自分の次元を上げていく努力が求められるのです。


そして、それは同時に新しいコード解読のルールを知ることにもなり、自分はもとより、ほかの人にその次元の情報を伝えることもできるようになるのです。


吊るしの時間

今、自分が取るべき行動に対して、いろいろな意見が述べられています。


いわく、「経済活動を活発にしてお金を回し、日本を救っていこう」「被災者の気持ちを悼み、派手なことは自粛しよう」「何かできることをとにかく考えよう」「いつも通り日常を送ることが大事」・・・などなど。


ここで皆さんにも考えてほしいのは、タロットでいえば誰にでも「吊るし」の時間があるということです。もっといえば、必要だとも言えます。


「吊るし」とは何か。タロットカードの絵では、逆さまになって吊られている人がいるように見えるのですが、私の考えでは吊られているのではなく、自ら逆さにぶらさがっているという解釈で、むしろ積極的な意味を取ります。


ぶらさがって動いていない人の絵柄をどう積極的な意味合いに取るかですが、簡単にいえば「動かないことを選択している」「動けないことに意味を見いだしている」「逆さ(違う観点)を肯定している」ということになります。


今回のことで、被災していない地域の人には「いつものような気持ちでいなさい」「普通の生活をしなさい」「消費活動を活発にしなさい」「明るく生きなさい」と言われることが多いものです。


私自身も平常心の大切さはブログで語っていたこともあります。それは一面では確かなことです。


ただ、人間の気持ちとして考えてみれば、そう理屈で割り切れるものではありません


何もなかった自分たちが意気消沈して萎縮してしまえば、経済活動も滞り、経営が危うくなる企業もあるかもしれず、それが回り回って自分の失職や被災地域への応援ができないまずい状況になるということも、論理としては非常にわかるところではあります。


けれども、これだけの災害と亡くなった方の多さ、そしてまだ事態が予断を許さぬ福島原発事故のことを思えば、人として、この時期に「明るくなれ」というほうが無理があります。


でも無理矢理ではなく、自然に元気の出ている人、平常心に戻ることのできている人はそのままどんどん活発に行動をされるとよいと思います。(周囲への配慮や心遣いはいりますが)


反対にまだ何か気持ちが落ち着かない、沈んでいる、その気になれないというような「心にひっかかり」があるのなら、そのままの気持ちを認めて過ごすのも「心・体のバランス」だと思えます。


つまりはタロットの「吊るし」(エネルギー、行動の停止・蓄積・静観、落ち着き、癒し)の時が誰しも必要であり存在するものの、人それぞれによってそのスパン(間隔・期間)は異なるということです。


特に被災された人にとってはその「吊るし」の時期は相当長いものになるでしょうし、被害を受けなかった地域の人でも、心の痛みの分、「吊るし」を取っていく時間がいるものと想像されます。


人によってはすぐさま気力を奮い立たせて活動に向かわれる方もいらっしゃったでしょうが、その人でさえも「吊るし」の時間はあったのです。


そして「吊るし」の時間が終われば、自然に今度はタロットカード「13」の改革、変革のエネルギーに向かっていきます。


「吊るし」が不十分のままだと、「13」は逆位置となって自ら、あるいは他人や出来事に鎌をふるうようになる(マルセイユタロットの「13」は大鎌を持つ絵です)ので、危険です。


何事も「腑に落ちない」段階で無理に行動を起こそうとすると、精神と実際のエネルギーバランスが崩れ、結果も出ませんし、心的にも負担がかかりがちになります。


「吊るし」でもいいのだと思って、周囲の意見に振り回されず、そして自分を責めずに、心に正直に過ごしてみてください。


「女帝」と「世界」で問題解決を考えてみる。

さて、昨日は 世界のカードを見て、いろいろな考え方・見方があるのが「世界」だというお話をしました。


そして今起こっている買い占めもまたひとつの見方にとらえられた「世界」の一部だということも説明いたしました。


それではタロットを使いながら、今度は買い占めの個別の具体策を見ていきましょう。


まず「世界」のカードを置きます。(ここからはマルセイユタロットでの話となります)


「世界」は、すべてがありながら、それを見る人・考える人によって「世界」の中の色が違ってくるということを昨日の記事でふれましたが、その見る人という者を今回はあえてあるカードで象徴することにします。


それは「女帝」のカードです。そして「女帝」を逆さま(逆位置・リバース)にして「世界」のカード(正立)の右に置いてみます。


つまり左が世界の正立、右が女帝の逆として平行に並んだ状態です。


この時、「女帝」の視線は「世界」の獅子やその先の「牡牛」を見ているようになります。そして「女帝」はもともと手に鷲の紋章のある盾を手に抱えています。


「獅子」は行動や情熱のようなもの、「牡牛」は物質・お金、安定性などを象徴します。一方、「世界」の周囲のほかの生き物である「鷲」は知性や大局的な視点を、「天使」は感情や心、交流を象徴します。


これをふまえて、逆になった「女帝」は買い占めをしている人の状態だと考えてみるとよいでしょう。


つまり、モノ(牡牛)に関心が行き、それを集めるための行動(獅子)が第一であり、手には本来のその人自身を理知的にするもの(鷲)が逆さまになっており、地上に向かって落下し、それは荷物となって抱えられている(盾)状態です。

言ってみれば関心は自己世界の安心・安全にあり、その思考のもとに行動が突き動かされ、足下(自分のいる所)を強く意識して見ていることになります。


この人(女帝の逆)には「世界」はそうしなければならないように見えて(思って)いるのです。


そして今度は、この「女帝」の位置を変えて、「世界」の右に持ってくると同時に正立化させます。すると、「女帝」の視線は世界の「天使」に注がれ、さらにその先には「鷲」が見えるようになります。


カモワン流の場合は象徴の連繋を重視しますから、女帝の盾の「鷲」と、世界の「鷲」が連繋していることにも注目が行くことでしょう。


正立化するというのは問題がなくなった状態とカード的には考えられますから、買い占めという事柄をこの二枚カードに当てはめると、買い占めを回避するには、まず本人意識の中に天使(交流・天使的救済)や鷲(知性・冷静な判断力)が求められると考えられるでしょう。


特に「鷲」は象徴として連繋しているので重要だということであり、「天使」と「鷲」に象徴される具体策(4大元素を象徴しているため)も強調されることになります。


「女帝」はそもそもアイデアを思いつき、それを提供することのできる人間です。「鷲」がアイデアを得るために飛び立つことも示唆しています。


アイデアとは何か。それは世界の様々な要素(天使・鷲・獅子・牡牛による象徴群、バラエティさ)のことであると、ほかならぬ「世界」のカード自身が示すのです。


具体的には細分化・区分け・代替化することです。その理由は、「鷲」が「剣」をタロット的には象徴するからです。「剣」は細かく切るということをイメージさせます。


さらに具体化して行きましょう。


買い占められているものはいわゆる米などの基本的なもの、保存されるものなどです。


たとえば、米だった場合、確かに主食がなくなって不安に思うかもしれませんが、生きていくという大きな観点(天使・鷲の視点)では、小麦粉からできるうどんでもそばでも・パン・パスタでも何でもいいわけです。何かの食用粉があれば、それを練ってちぎり、ゆでれば、主食的なものにすることもできます。


それさえない場合はそもそも主食という概念をはずして、副食を多くして当面の食事をカバーしていくことも考えられます。(これも細分化のひとつでしょう) ティッシュペーパーなども、重ねられている分をはずして、一枚ずつ使っていくと長く持たせられるということもできます。


電池などはさすがに代替は難しいかもしれませんが、今そろえるべきかどうか、人に送る分まで買い占めるべきかどうか冷静に考えてみることでしょう。


実際には供給がこれから長期間にできないということではなく、買い占めやほかの不安要因で循環がうまく働いていないだけであり、回復は一人一人の意識転換と時間的問題だということです。

ですから、しばらくアイデアと工夫で乗り切ればいいのです。(このあたりは、「女帝」「運命の輪」「星」をカードで見てみるとよいでしょう)


買い占めによって悪いことばかりではありません。このようにして工夫を凝らせば、自分が作ることのできるメニューを増やすチャンスかもしれませんし、新たな趣味や食事作りの楽しみも、このことで見つかるかもしれません。

ダイエットを日頃考えていて実行に移せなかった人も、主食があまりないのなら、炭水化物ダイエットに挑戦するよい機会かもです。


あなたにも眠っているアイデアと創造性を、今はいろいろな場面において発揮する時と言えるでしょう。



買い占めに見る「世界」

昨日は「世界」のカードについて、文字通り世界(ワールド・国際)的な視点での話をからめてご説明いたしました。


今日も別のアプローチで「世界」のカードに関連する話になります。


ところで、今物資が不足という憶測が流れたり、困っている知人・親類などに物を送ろうとしたりして、各地で買い占めが起こっているようですね。


実際、私の住んでいる関西ですら、近くのスーパーで米や電池、水などが陳列棚から消えているということもありました。


そのことで、腹を立てる人もいるでしょうし、また今まで何とも思っていなかった人でも不安を感じて、自分も確保に回るという人もいらっしゃるでしょう。


ただ全体としてはよくない傾向と判断されつつあり、次第に落ち着いた情況になると考えられます。


このことに限らず、非被災地であってもイベントやレジャーなどを不謹慎だと自粛する向きもあれば、反対に、「いや、通常の生活ができている私たちこそ経済を回していかねばならない」と言って、今まで以上の消費活動を呼びかける方もいます。


私はこれらこそがカードでいうところの「世界」だと思います。


つまり、いろいろな人・意見・動きがあるのが「世界」だということです。一言でいえばバラエティさです。


ひとつのことに対して同意もあれば批判もあり、またひとつだけではなく、様々な意見・考え方があり、そのどれにも賛成・反対・無関心など何層にも多重に重なっているわけです。


カードの「世界」は完全ということを表しますが、これはいいも悪いもすべてがある状態だととらえます。


そして、いい悪いというのは、各人や集団、それぞれの枠組みや見方によっての判断で生じるものです。もともとはすべて「ある」のです。



この「すべてある」ものの中を、ある視点や枠でとらえようとすると、偏って見えてくるというわけです。また偏った行動になることもあるでしょう。


わかりやすくたとえると、「円」として世界を考えてみるということです。


大きな円の中にすべてがあり、思いや想念によって、円の中に「自分」「地域」「国」というような枠組を入れることによって、円の中で色の配分のようなバランスがいろいろな形で変化していくと想像するとよいと思います。


円の中ではカオス(混沌)が起こってはいますが、全体の円としては完全であり、同じなのです。


結局は個人個人の見方・とらえ方が集まって全体の円の中の仕組みも変化するので、あなた自身、私自身というものが大切になってくるのです。


ここから買い占めの個々の具体策にもつながってきいますが、それは次回にて。


今、「世界」のカードを見てみよう。

今、世界中の目が日本に注がれています。


そして災害にあい、また原発問題の発生している危機的状況の日本に対して、多くの実際の支援や気持ち・心、メッセージも世界から届けられています。


これを見たり、聴いたりしていますと、本当に涙が出てくるものばかりです。


ありがとう」という言葉が心の底から出ます。まさに「有り難し」で、日本の言霊を感じさせます。


タロットカードを持っている皆さんは、是非「世界」のカードを見てください。


これはマルセイユ版に限らず、ウェイト版(ライダー版)でも絵柄は近いですので、ウェイト版でも通じる話だと思います。


中心の人物が手に棒や小壺を持って衣をまとい、踊っている姿があり、その周囲をリーフが取り囲んで、4つの生き物たちが見守っているかのように見えます。(絵柄が見たい方はこちらのサイト の最上段右端のカードを見てください)


このひとつひとつにはもちろん象徴としての意味があるのですが、今はそのことは省きます。


これを見れば、真ん中の人物は私たち日本人であり、周囲は世界の人々ということになるでしょう。また人だけではなく、物事も表しているとも想像できます。


これだけの規模の災害となると、もはや一国だけの問題に留まらず、世界の力を必要としているのです。そしてひとつの要素だけで事が片付くことではないのです。


たとえば、祈りをしたところで原発の放射線が収まるわけでもありませんし、被災地に必要なものが届けられるわけでもありません。


緊急に重要とされるのは、モノや行動、具体的な方策、正しい情報と決断などになってきます。


しかしながら、だからと言って、そこに心や感情といったものがまったくいらないのかといえば、そうではありません。


原発に対して命がけで働いていらっしゃる自衛隊や消防隊員、電気関連の方々などに対して、やはり祈りを込めること、心をこめて応援することは決して無駄ではないでしょう。


現実的には作用を及ばさなくても、隊員の方々に伝わって、その方たちの勇気や心の支えの一部になるかもしれないのです。


もしかするとそのことで、現場の人たちの、「あと一歩のがんばり」の力が出る可能性も否定できません。


落ち込んでいる日本人が、世界の子ども達からの「Pray for Japan」のメッセージを見て、力をもらったという人もいるはずです。


要はただ祈るだけでいいと考えたり、とにかく行動することだけ重視したりなど、単一だけでは効果がないということです。


問題が大きければ大きいほど、総合的・統合的に作用させていかねばならないとことがあります。


そこには理性や分析の力も必要ですし、今述べたような純粋な人の気持ちを表現して、祈ることもまた大切でしょう。


一人の人が全部を総合してやれということでもありません。それぞれの得意な方法、できること、範囲、規模で対処していくということが「世界」のカードに描かれていることでもあります。


日本はこれまで様々な国に実際的に支援してきました。そのことがまた還ってきているとも言えましょう。やはり与えていくということは無駄ではないのです。


世界のカードは、真ん中の人物が周囲に影響を及ぼすことも示唆しています。つまり、内と外は鏡映しでもあるということです。


そのことから考えれば、日本が立ち直れば、世界もまた新しく生まれ変わる可能性があると言えます。


秘伝では日本列島が世界のひな形(ミニチュア)のようになっているのは、結構知られていることです。これは単に形だけではなく、心や思い、出来事も示唆していると言われています。


象徴的にいえば外にあるものは内にあり、内にあるものは外にあるということです。


ということは、世界で起こることは日本で起こり、日本で起こることは世界にも起こるという解釈になります。


これを悪いことでとらえるのではなく、いいことで考えることです。


「世界」のカードの構造は、また奇しくも原子炉にも似ています。これをカードでいうところの「リーフ」の中にいかに食い止めるか。どうこれ以上世界に影響させないようにするのかも問われているかもしれません。


まさしく世界の問題として、世界中の力を結集して日本の事故に対応するということが示唆されているように感じます。

今後、カードの「世界」の意味である「完成」「到達」「予想や通常概念を超える成功」に向かってほしいと願っています。


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