無理に原因を追求しないタロットリーディング

タロットリーディングは無理矢理「何としても読み解いてやろう」と気負うと、逆に心が緊張してしまってうまく読めなくなることが多いものです。


これは初学者にありがち・・・と思われるかもしれませんが、案外、プロとしてやり始めた段階、あるいはある程度リーディングに自信がついてきた時でも結構起こりうることです。


なぜそうなってしまうのかと言えば、ほとんどは「原因を追求しようとし過ぎる」ことによるものだと考えられます。


特にカモワン流でも日本的なカモワン流の方法(フィリップ・カモワン氏から直伝ではない日本式のカモワン流)では、問題カードと解決カードの論理性にこだわりすぎるあまり、問題を引き起こした要因を分析してリーディングする傾向になる嫌いもあります。(ただし、その方が効果的でよいこともあります)


タロティスト(専門的なタロットリーダー)としては、やはりあくまでタロットからのメッセージをそのまま伝える姿勢が大切だと思います。


たとえば、「恋人」カードが解決カードで出ていれば、ついつい常識的に「コミュニケーションすべし」「相談をする」などの「社会的な」読みをするのですが、そのまま「恋愛をしよう」「恋があなたを癒し、解放する」と読めることもあります。


この例では、もし年齢が行っていて、結婚もしていて、さらには病気がちの身の上であるのに「恋をしよう」とは一体どういうことか? と悩むと思います。


その理由を私たちが日常考えているような「論理的な」理屈でタロットからひねり出そうとしてみても、結局はわからないものなのです。


「理由はわからないけれども、あなたは恋をすることで救われるとタロットが告げている(ように感じる、読める)」のなら、そのまま伝えればいいということです。


もしかすると、この人の場合、人間ではなく、動物や趣味、自然や物に恋をするということなのかもしれません。


好きなものを見つけ、それを愛することで自分を愛することにもつながり、ありえないと思えるような奇跡や再生、人生の輝きが訪れるかもしれないのです。(でも、これもまたひとつの理屈的な解釈です)


カモワン版マルセイユタロットの教えでは、人間には神性(神である性質、完全性)が宿っており、それを認識し、発現していけば神に至れるということがタロットで示されていると考えられています。


とはいえ、それを思い出す、神なる部分を広げている最中なのが現実に生きている私たち自身です。


ですから、まだまだ道の途上にあるので、完全性は自分の中に可能性としてあるものの、いつも完全というわけではありません。


このため、今の自分にわからないこともあって当然です。


いわば完全ではある(要素は備わっている)が完璧ではないということでしょうか。完璧にこだわりすぎると、まさしく自分の中に「壁」を作ってしまいます。


「どうにかしてクライアント(あるいは自分)の問題の原因を突き止めないと解決に至らない」と思うより、「とにかくこうすればよくなっていくのだ」「このようなことをタロットは知らせてくれている」と感じることも、時には必要だということです。


これはわからないまま放置するということを意味しているのではありません。


その時にはわからないけれども、タロットのメッセージには高次の方策も伝えられており、現時点の自分には理解不能であっても、タロットの示唆を受けて入れてみると、後にその理由がわかって、自分自身のレベルや幅が広がるということでもあります。


それがすなわち、自己成長でもあるのです。

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