「法皇」の話す言葉とは。

法皇」、通常のタロットの呼び名では「教皇」あるいは「法王」というタロットカードがあります。


このカードを見ていますと、伝える、話すということの大切さを感じます。(マルセイユタロットを元に語っています)


大アルカナを数の順番に並べていくと、「法皇」の次は「恋人」になります。すると法皇の視線は詳細に見ると、「恋人」カードの天使の部分に向いているように見えます。


前にも書いたかもしれませんが、「恋人」の天使を見るということは、「法皇」は天上世界(の存在)を見ているということになり、いわばこの世を超えた次元を視野に入れて「法皇」は話をしていることになります。


これは違う言い方をすれば、崇高な精神、自分の神性存在を意識して語っているとも表現できます。


つまりは高い見地と意識性をもって人に伝達していることになり、逆にいえば「恋人」に描かれている三人の人物たち(普通の人間たち)のような通常のレベルでは話をしていないということになります。


従って「法皇」から発せられる言葉には重みも伴い、また責任も自覚していると考えられるでしょう。


「法皇」は次代(の人たち)を教育する人でもあります。何かを伝え、教えていく人は理想としてはこうあるべきだということを「法皇」は語っているかのようです。


また詳細はふれませんが、「法皇」は連綿と続く時代性、伝統性、蓄積、経験なども象徴します。


自分が高い意識でいるから言葉にも重みがあると言いましたが、それと同時にこれまで自分が、あるいは先人たちが積み上げてきた経験・体験・知識・伝統等の重みも有しているのです。


その両方の重みがまさに言葉に乗り(ノル、宣る)、ある意味、霊的な力さえ発すると言えるのです。言霊(ことだま)と言っていいかもしれません。


「法皇」は日本では天皇(の役割)と関係する部分もあります。「法皇」の言葉は、時に天皇の詔(みことのり)のようなパワーと強制力を持つ場合もあります。


一般的に見たとしても、何かを伝える(教える、話す)言葉や話に重みのあるなしがあるとすれば、それは言葉を発する人の意識、真摯な思い、そして知識や経験による蓄積、その人の背景(背負ってきた歴史のようなもの)によって決まると言ってもよいでしょう。


反対に言えば、重みのある、あるいは説得力を持つ言葉を発するには、それらのことが必要であると言うことでもあるのです。

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