「神の家」の良さ

タロットカードに「神の家」(マルセイユ版)というカードがあります。


これは他のカードでは「塔」などと呼ばれ、崩壊の象徴として非常に不吉なカードとして扱われることが多いのですが、私の考えるタロット観では大きな意味で吉兆(よいこと)だととらえます。


というより、何度もここで書いてきているように、タロットカードには本来、いいも悪いもなく中立であるというのが私の考えです。


しかしながら、「神の家」、ほかの呼び名では「塔」とされるカードが、あまりにもマイナス的な意味合いで語られることが多いので、今回はその吉兆的な意味合いを考察していきましょうということが趣旨です。


さてその「神の家」ですが、このカードはおおむね他のタロットでも共通しているのは、雷のような光(閃光)が降りそそいでいるということです。


雷の光を「稲妻」というように、雷の年は稲が豊作になる昔からのいわれがあります。


加えて、ギリシア神話の最高神ゼウスの登場には「雷光を伴う」とあるように、神が顕れ(現れ)ると雷が響くともいわれています。


いわば雷は神聖で強力な成長促進剤ともいえます。


このことからタロットで「神の家」が出てくると、何か自分を成長させる大きな試練が与えられると考えられます。(全部が全部そうではありませんが)


その選択には厳しいものが待ち受けているかもしれませんが、やり切ることができたなら、予想以上の収穫と成長が望まれるものなのです。


またそのために、小さな願望や目先のことでとらわれてはいけないことでもあると考えられます。


高い目標を持ち、着実に成果を目指して進んでいく意志があるかを試されているのです。


逆に言えば自分に準備不足を感じたのなら、また振り出しに戻るようなリターンも必要だといえます。無闇につっこむと、それこそ不吉なカードとなるでしょう。(そのため、悪く解釈されることが出てくるのです)


神の光をよいものとするためには、「神の家」の荒々しさと神聖さ、有り難さを心に刻んでみることです。


神の光を受けるということはそれだけ栄光あることですし、象徴的にいえば神に選ばれたということですから、その事件はショッキングな出来事だとしても、何がしか神の意思が反映されたものだととらえることができるでしょう。


隣の数を持つ「悪魔」と異なるところは、「神の家」に象徴される事柄は、「神」だけに安易に人間には悟ることができないものだということです。(「悪魔」は反対にわかりやすいところもあります)


ただ自分の視点や心構えを高次の部分に(自分の霊性)おいていれば、それは自ずと自分でも理解・把握できるものだといえるでしょう。


そのためには実は重要なのが「恋人」カードなのです。この「恋人」カードの体験が後の「神の家」体験につながるのです。


このことはタロット講座ではカードの意味とともに解説しています。


いずれにしても、一見確かに厳しいところもあるのが「神の家」ですが、本当は深い部分で自分にとっての恩恵であり、新しい自分が生まれる機会でもあるのです。


そういう意味では、一般的にあまりよくない意味で語られるもうひとつのカード、「13」(通常「死神」などと呼ばれるカード)とも共通しているところがあるかもしれません。


なるべく特定のカードにネガティブな意味、反対にポジティブすぎる意味を与えないよう注意したほうがタロットの活用の幅が違ってきます。

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