タロットで見る「伝える」「話す」ことの問題。
マルセイユタロット・大アルカナに「法皇」(一般的には「法王」「教皇」と呼ばれる)カードがあります。
このカードの絵柄の特徴は一人の重厚な人物が数人と思われる人たちに対して、あるいはその人たち以外の者たちに向けて、何か話をしているかのように見えることです。
言い換えれば、「何かを伝えようとしている」ともいえます。
ところでタロットリーディングに来られる方などにもよくあることですが、人間関係の問題に「伝える」伝わる」という「伝達」が鍵になっていることがあります。
いや、人間関係だけではありません。一見「伝達」のことと無関係のように思えることでも、その根には「伝達」問題が隠されていることもあるのです。
まず表面的には、きちんとコミュニケーションができていないということがあげられます。
前にも書きましたが、日本人は以心伝心で相手に伝わると思っているところがあります。
それはそれでよいことでもあるのですが、反面、やはり自分だけの「思い込み」にとらわれることも少なくありません。
「言わなくてもわかるだろう」「気持ちは汲んでくれるはず・・・」などという期待・考えが、実は「あてがばすれていた」「誤解を呼んでいた」ということは皆さんも経験があるでしょう。
ですから、やはり相手がいる場合はしっかりと自分たちの意思・内容は伝えておくことだと感じます。
特に仕事関係や金銭の授受があるような場合は、伝え方も言葉以外の文書で双方が確認しておくことも大事になってくるでしょう。
また友人やパートナーとの間の親しい仲でも、意外に「言わなくてもわかっている」と思いがちです。
その中でも「気持ち」は案外と伝達されないものです。
もちろん表情や内容で読み取ることも可能なのですが、慣れている関係だからこそ見逃してしまうこともあるものです。
ですからそうした間柄においても、「気持ち」は折に触れ、「言っておく」「述べておく」ことはとても大切だと思います。
言われてみて初めて、「えー、そんなふうに思っていたの?」「気づかなかったわ・・・」ということでびっくりすることはあります。
タロットリーディングにおいて、「法皇」や他のコミュニケーションを示唆するカードが出る場合、こういった「伝達」問題、「うまく伝え合っているかどうか」ということをテーマに注目してみるとよいでしょう。
さて、ここまでは「伝達」ということの表面的な問題のことを扱ってきました。
実は裏にはもっと心理的なことが隠されています。
そのことについて次回でお話したいと思います。
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