タロットの優れた象徴性

西洋の秘儀的な教えのモデル(象徴体系)として、タロット・カバラー・占星術と三つの大きなものがあると考えられます。


ただカバラーはユダヤ密教からの流れだったり、占星術もメソポタミア発祥などと言われたりするように、これらは厳密に言えば西洋だけのものとは言えません。またこれら三つを使う西洋魔法の分野もあります。


ただ、巷で知られている万物の象徴モデルとしては、カバラーの生命の木、タロットカード(特に大アルカナ)、占星術の図(惑星やサイン・ハウス、それらを使うホロスコープ)は非常によくできていると感じます。


これらひとつひとつがそれぞれすばらしく、それ単独で完成された体系だと思いますが、先述したように三つを使いこなす方法もあるでしょう。


また人によっては相性のようなものがあり、「自分にはタロットが合う」とか「私は占星術がいい」などあるように思います。


カバラーの生命の木にしろ、タロットの大アルカナにしろ、優れた象徴体系をたとえ最初は深くは理解できないとしても、知っているだけでもずいぶん人生観が変わると私は思っています。


たとえば生命の木のセフィロト(単体ではセフィラー)でも、タロットカードでも、「このような状態・エネルギーがある」と思っていれば、それが実感できていなかったにしても、今の自分や自分を取り巻く世の中に起きていることを、それらの象徴で考えることができます


優れた象徴のすごいところは、思考(考え)しているだけで、次第に感覚もわかってくるようになるということです。


それは、「もしかすると、これがこの象徴のことかもしれない」「いや、あのこともそうだろう」と、自分の体験を知っている象徴に当てはめて、観ようとするからです。


帰納的な手法ともいえるかもしれませんが、そうしていろいろな現実のものを比較検討しながら、タロットやカバラーの象徴体の根源を把握していこうとするのです。


つまり、天や真理を理解する材料は私たちの住んでいるこの世界にあるということです。


こられの象徴には次元という考え方ができるので、たとえばあるAという象徴があったとしても、このAにはA’やA’’のようなレベルの異なった階層を想定することができ、そのため卑近でまさに現実的に感じられる事柄と、高次で極めてとらえがたい抽象的な精神の世界とが同じ要素(前記でいえば同じ「A」という要素を持っているということ)でつながっていることを理解することができます。


すると、今感じていることはまだ低次であることもわかり、さらにいえばそこから高次のものがあるのだと知っているので、いつも高みを目指すことができるようになるのです。


さらに高みを目指すだけではなく、地に足をつける逆方向の流れも大切だともわかる仕組みがあります。


私の書いていることはちょっと難しいかもしれません。わかりやすく書ければよいのですが、象徴はなかなか言葉で表すことが困難なところもあるのです。


タロットでいえば「これが運命の輪なのか!」とか「これが太陽のことなのだ」と思うことを、実際に今住んでいる私たちの世界で体感していくような感じでしょうか。


それがわかってくれば、人生や世界に意味を見い出すことができると言ってもよいでしょう。


タロットを占いやリーディングとして使用する方法ももちろんありますが、象徴として真理の探究、霊性の向上、自己洞察に活用していくことはとても価値ある大きな使い方だと私は考えています。

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