あえて、足掻き、もがいてみる。

よく言わるように、水鳥は、水面上では穏やかに泳いているように見えて、水面下では、もがくように、バタバタと足掻ていると言われます。

見えないところでは努力しているとか、平気な顔をしているようで、実は頑張っているのだというたとえにも使われます。

ただ、私たち人間は、だいたい水鳥で言うと、水面下と水面上の区別がなく、必死でやっていることは、ほかの人にもわかることが多いですね。(笑)

ただ、この「水面」というのを、また別のたとえでしますと、人間にとっての「意識」と「無意識」の境界線みたいなことでも表現できそうです。

自己啓発では、もはや常識のように、無意識や潜在意識のことが取り上げられ、私たちには自覚できない意識層があり、そこにあるデータを書き換えたり、消したりすると、(自覚)意識にも影響し、行動とともに現実も変わると言われています。

そのことは、もっともだと思うところもある反面、無意識や潜在意識というのは、自覚できないからわからないのであって、いったいどういう構造になっているのか、どこにどのような情報が存在しているのかなど、詳細な地図などのようなものは明らかにされていません。

人間として、全員同じ構造は持つと予想されますが、一人ひとり、中身は違うことは容易に考えられ、それは遺伝子構造は同じでも、配列や情報の働き(スイッチが入る、入らないなど)が異なるのと同様なのかもしれません。

ということは、無意識や潜在意識と言っても、万人に共通するような確かな書き換え方式などというのは、あるようでない(個別、オーダーメイドである)、逆に構造的には、ないようである(全体としては通じることもある)とも言えそうです。

だから、自己啓発で、講師から、この方法でうまく行くと伝えられても、それは講師の方と周辺が成功した事例であって、すべての人が適応できるとは言えず、たまたま合う人もいれば、そうではない人もいると思います。

とにかく、まだまだ私たちは無意識のところは、一般的には、よくわかっていないのが実状でしょう。(古代や現代のすごい人では、わかっている人も個別ではいらっしゃるでしょうが、一般化の意味ではまだまだかと)

しかしながら、何となくでも、自分の自覚している意識(自覚する思考や感情パターン)だけでは、自分というものは形成されていないだろうとか、自分の預かり知らないところで、自分の意識や行動というものが影響されているのだろうということは、多くの人には、理解(想像)されているのではないかと思います。

少なくとも、自分ひとりで生きてきた人は誰もいないのですから、親や、これまで生きてきた中で関係した人たちの影響が知らず知らずあることは、普通に予想がつくことです。

マルセイユタロットのを心理的に扱う場合は、こうし影響をタロットの図面の象徴として浮上させ、無意識を意識化することで、心の整理と浄化を果たしていきます。

ただ、先述したように、無意識層というのは、自覚できない層であり、その構造やデータのありか、在り様などをはっきり確認できるわけではありません。

いろいろな技術で、確かに無意識にあったものの一部が意識の表面に上がってくることや、それを上げていくことはできますが、すべてとは言い難いでしょう。

また、「これが無意識や潜在意識に刻み込まれた問題だった」と、たとえ確定したとしても、それが今の問題の全部の根であったという保証はありません。

それがわかるのは、結局、自意識が問題だと思っていたことが実際に消失したり、自分の自覚する思考・感情の中で気にならなくなった時でしょう。

言ってみれば、未来によって、過去の要因がはっきりするようなものです。(この話をしていくと、ちょっと時系列を超えた不思議な話になってきますので、それはまた別の時にでも記事にしたいと思います)

今日言いたいことは、タイトルにもあるように、無意識や潜在意識の構造はなかなかわかりづらいことろがあるので、その中にあるデータが問題の原因だとしても、それを確認したり、本当に問題の原因なのかを特定したりすることは、「今」の時点ではわからないので(わかるのは未来)、とにかく、思いつくものは色々やってみると、奏功することがありますよ(あるかもしれませんよ)、ということです。

まあ、反対に、あまりジタバタするのも、余計混乱を生み出す元になるので、マルセイユタロット的に言えば、「吊るし」のような態度も重要なのですが、何が原因なのか、いろいろと調べてもわからないような問題の場合は、原因追求していくより、行動やプロセスを重視、やれることを、すべてと言いませんが、とにかくひとつとひとつやってみることが打開策になる場合があります。

まさに、水鳥の足ではありませんが、足掻いてみるのです。

ところで、マルセイユタロットの「恋人」カードには、三人のやり取りしているような人間たちと、上空のキューピッドや天使と思われる、異次元存在が描写されています。

この三人は、人間の知るうる情報と方法で、様々なことをやり取りしている、行動しているとも考えられます。

つまりは、目に見える世界のことであり、意識と無意識で言いますと、自覚する意識の部分と言えましょう。

一方、上空の天使は、目に見えない世界(の存在)であり、無意識も象徴していると考えられます。

この天使(キューピッド)は、通常ではなかなか見えないものとされているわけで、だから、私たち人間では、自分たちのわかる(自覚する)世界での選択や行動をしていくわけです。

そこでは、おそらく、間違いをしてしまうこともあるでしょう。(正しくは間違いや失敗だと、自分の価値で認識する事象の経験)

三人での図像を見て、悪く考えると、誰かに言いくるめられたり、お金や時間を無駄にするような情報も入れられたりするかもしれません。

しかし、逆によいこともあり、それこそ、問題を解決に導いたり、クリアにする情報というものを教えてくれたりする場合もあります。

そういう、ひとつひとつは、天使側から見ると、低い次元の話や方法だったり、無意識や潜在意識の層には、何ら効果のないものもあったするかもしれません。

それでも、コツコツと、あるいはバタバタと(笑)足掻いて、必死でいろいろなことを試したり、行動したりして行けば、この「恋人」カードの図像にもあるように、上空の天使(キューピッド)の背後の光のようなものと接触し、天使(キューピッド)に伝わり、矢が放たれるかもしれないのです。

矢が当たると、それは、実際や現実の効果として、確実に変化が生じます。

私たちの目の前には、もしかすると、空からたくさんのお試しのような、あみだくじ的なロープが垂れ下がっているのかもしれません。

そのほとんどは、はずれくじでしょうが(笑)、数当たるうちに、当たりを引くこともあるのではないでしょうか。あるいは、ひとつだけ輝いているもの、正解としてのものが、引っ張るくじでわかるようになるのかもしれません。

また、失敗くじも、チャレンジしただけ、ご褒美とか、再チャレンジ券とかが配られる可能性もあります。(笑)

ともかく、失敗・はずれも、上空の天使次元から見ると、無駄ではないはずなのです。

もがき、足掻ているうちに、いつか、ふっと、気づく瞬間がやってきます。

それは、「なんでこんなことしているのだろう」というおかしさに気づくことだったり、やっているうちに、「これだ!」とひらめいたりすることで、現れることもあります。

現実的にも、問題の原因は、抽象的にはひとつであっても、具体的には、複合的にからみあって生じていることが多いものです。

カルマ的なことも入れると、それは、もう、一人の人間の浅知恵では、なかなか判明のつかないことです。

ならば、原因を突き止めようとするより、改善しようという行動やプロセス自体が重要であり、それを神や天使が(自分の魂)が、促しているということもあるのではないかと想像します。

今、問題状況にある人は、あせり過ぎず、でも足掻くように、ひとつひとつ可能性のあるものを試して行くと、やがて何らかのよい状況を招くことができるのではないかと思います。

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