タロットと三か月の期間

初級、基礎の段階のタロット講義において、よく受ける質問のひとつが、タロット占いやタロットリーディングの期間効力についてです。

裏を返せば、「タロットはどれくらいの期間を想定して占えるのか、リーディングできるのか」ということになります。

これには、一般的には(何をもって一般的なのかは難しいのですが(^^;)、タロットの世界でよく言われている説という意味にします)、三か月の期間だと言われます。

タロットを習う生徒さんにも、そういう話はすでに誰かに聞いているのか、「タロットは三か月しか占えないんですよね」とか、「三か月はこのまま(出たカードの内容)なんですよね」と話す方もおられます。

これについては、私自身は、三か月というのには、ある条件があってそう考えるのが適当としています。

つまり、逆を言えば、三か月がタロット(リーディング)の有効期間とは限らないという立場でもあります。(また同じ質問は、三か月経過しないとしてはならないという立場とも違います)

このブログを読まれている皆さんは、タロットに興味があっての人が多いでしょうから、その皆さんにもお聞きしますが、ではなぜ、一般的に三か月という期間が言われているのでしょうか?

タロットの学習に限らず、ただ機械的に、「そう言われているから」とか、「そう習ったから」とか、「みんながそう言っているから」という姿勢で、何も考えず、疑問も持たずに、そのまま暗記するような態度は問題と言えます。

なぜなのだろう?と思えば、自分で調べたり、教えてもらっている先生に聞いたりすることで、より納得もできますし、知識も広がりと深みが増します。(しかし先生は場合によっては質問について、懇切丁寧に全部教えることはかえって生徒さんの成長の妨げと考えて、わざとヒントしか教えないこともあります)

ですから、タロットの有効期間についても、三か月ということを鵜呑みにせず、自分で考えてみるとよいでしょう。

一応、私の見解をここで今から述べますが、それはあくまで私の考えであり、正しいか間違いで見るものではないと思ってください。

先生や本、色々な人からの意見は参考にしつつ、最終的には自分で考え、判断を下し、そして実際に活用していくことに意味があるものです。

さて、タロットの有効期間三か月説ですが、これは、おそらく人の意識が関係していると考えられます。

コンサル系のブログタイトルなどでも、一時期流行りましたが、皆さんも「90日で〇〇できる」とか「90日で結果を出す」とか見たことがあると思います。

そう、90日はおよそ三か月です。

この期間こそ、私たちが何かをしようとか、変えようとか、やってみようと新しく望む時の意識継続時間と言えるのです。

もっと言えば、これくらいの期間において、あることを強く意識し続けると、思考や感情のパターンに刻印され、習慣化したり、実現に向けて意識がそれに変わってきたりするのです。

これには、占星術的な話にもなるのてすが、惑星の回転や周期と、私たちの人間の意識がリンクしていたり、関係していたりする前提で見ておくと、その理由がなんとなくわかると思います。(ここでは詳しくは述べません)

90日、三か月というのは、単数の数で言えば「」が基本になっています。この3が、また意識と関係しているのですが、現実性においては、もうひとつ数が加わる「4」の象徴性が必要で、そのため、90日、三か月というのは、現実というより、イメージや意識のうえで効力が働く期間だと言えるのです。

翻ってタロットを見た場合、タロットは絵柄でできている象徴のカードです。それはイメージや見えない世界、意識や心の部分で強く働き(印象を残し)、影響を与えます。

たとえタロット占い師やタロットリーダーから言葉で何かを言われたとしても、絵としてのカードを見ているわけですから、言葉とともに絵の効果で、クライアントの心に響きます。

そして、タロットを受けた人は、90日程度、タロットで出たものを(無意識も含めて)意識し、イメージの世界にそれを置くようになります。

こうして、タロット占い、タロットリーディングで出た内容が、私たちの意識に三か月程度影響するという話になってきたのだと推測されます。(タロット占いで、経験側的に、三か月の効力期間を感じ、それが法則化されたということもあり得ます)

しかし、この考えに立てば、タロットのことをどれだけ意識と無意識のうえで、刻印するか、されるかの程度によって、三か月の期間効力はあやふやなものにもなります。

強く影響されれば、もっと長期の場合もあるでしょうし、タロットカードをほとんど意識しない、または当たらないとか、迷信の類としてまったく意識的にスルーした(される)場合は、三か月はおろか、一日すら効果がないかもしれません。

また、タロットが意識に影響するという見方ではなく、逆にタロットが意識の何かしらを表すという、方向性を反対にして見ることも可能です。

ただその場合でも、あることを人が(同じように)意識するスパンが90日、三か月だとすると、その三か月以内の意識の状態をタロットが表していると見て、結局、三か月の効力説に行き着きます。

人の意識とタロットの象徴性がリンクする、リンクさせるとすると、タロットで見てみたいと思う期間やスパンの違いによって、タロットはそれぞれの象徴性を示すことも考えられます。

つまり、今年とか来年の象徴として、一年スパンもあり得ますし、明日の状態は?という一日単位のこともありうるわけです。

簡単に言えば、質問によって、タロットはいかようにでも象徴性の期間を変えることができますし、それはまた人の意識(設定)次第だということです。

しかし先ほど述べたように、三か月説にも根拠があり、それは一年のスパンでいうと四半期、春夏秋冬の季節の巡りにも相当します。

これはいわば、3という数と4という数の共同作業であり、イメージや(無)意識、心の世界、あるいは理想や計画上の世界を、現実・形の世界に落とし込んだり、実際に効力と影響を及ぼしたりする仕組みでもあるのです。

タロットを展開する時、それは三か月スパンの私たちの意識や、見えない世界の運勢、予想の投影や象徴として受動的に見るか、三か月にわたるこれからの意識改革の期間として能動的に見るかは、占いか創造的にリーディングするかの違いでもありますが、やはり、90日・三か月とタロットの象徴の示すものは、私たちの意識と関係が深いと言えます。

三か月のスパンに相性がよいスプレッドは、そのままズバリ、三枚のスリーカードを基本とするものでしょう。

三枚を引いて、一枚ずつがひと月分を表すと見てもいいですし、改変(創造)や切り替えのシンボルとして、三か月間の目標とするものと見たり、行動するパターンとか、会ったり、話したりする人の像が出ていると見たりしてもよいでしょう。

タロットと宇宙、人との関連を入れ子構造的に考察するのなら、たった一枚のカードの中にも、自分の一年、数か月、一日というミクロ方向から、逆の、一生や惑星・恒星の周期の壮大なものにまでマクロ的に広げることも可能でしょう。

一説では、例えば、大アルカナ22枚のひとつが、500年から1000年を示すというものさえあります。

それは、先ほども述べたように、宇宙が入れ子構造、ホロン構造的に、ある種の同じ型やパターン、法則性でもって貫かれているからです。

タロットと期間の、皆さんの考察の参考になれば幸いです。

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